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缶詰の中 1  作者: 如月汐莉
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彩音への攻撃と衝撃

「外の世界に抜け出すには・・・」

本当の伝えたいのはそれだけ。

でも、もっとたくさんのことが伝わるかもしれない。

私のお姉ちゃんは、なんでもできた。

私もクラスではトップレベル。でもお姉ちゃんにはとても及ばなかった。

そんな私でも、両親は褒めてくれた。「がんばったな、よくやったぞ。」「えらいわね」と。

でも周りが自分を認めてくれていても、自分で自分を認めることができないでいた。


ある日、初めて絵画のコンクールで佳作を取った。今まで絵画のコンクールでは一度も賞をとったことがなかったから、すごくうれしくて、心の底から喜んだ。初めて「自分はすごい」と評価した。早くお母さんに見せたくて、駆け足で家に帰った。でも家には既にお姉ちゃんが帰っていた。


「ただいま!!お母さん!今日ね・・・」

ドアノブに手をかけた。すると、部屋の中からお姉ちゃんとお母さんの会話が耳に入ってきた。私はそこで固まってしまった。


「まぁ!美里の絵美術館に飾られるの?!?」

「そうなの!なんかすごい賞をもらっちゃって。」

そういって、お姉ちゃんは鞄から賞状を取り出す。

「も、文部科学大臣賞!?!?すごいわ!お父さんに電話しなきゃ!!」


私は手に持っていた自分の賞状を、ぐしゃぐしゃに丸めて、廊下のゴミ箱に捨てた。



なんで?なんで?なんで?なんで?なんでお姉ちゃんばっかり・・・。

私だって頑張ってるじゃん!塾にピアノにバイオリン、部活だってがんばって、キャプテンやってんじゃん!なのに・・・なのに・・・。もういい。頑張ったって、結局生まれ持った才能には負けるんだよ。どうせ・・・どうせ・・・。

もう悲しすぎて涙も出てこない。泣きたいのに。泣いたら少しだけでも楽になるのに。

悔しくてすぎて声も出ない。叫びたいのに。いますぐ叫んでここから逃げ出したいのに。


もういやだ、こんな世界。こんな学校。こんな家。こんな家族。こんなお姉ちゃん。こんな自分。

・・・・・・・・・・家出してやる・・・・・・・。




なるべくたくさんの人に共感してほしい。

つづきもぜひ、読んでほしい。

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