彩音への攻撃と衝撃
「外の世界に抜け出すには・・・」
本当の伝えたいのはそれだけ。
でも、もっとたくさんのことが伝わるかもしれない。
私のお姉ちゃんは、なんでもできた。
私もクラスではトップレベル。でもお姉ちゃんにはとても及ばなかった。
そんな私でも、両親は褒めてくれた。「がんばったな、よくやったぞ。」「えらいわね」と。
でも周りが自分を認めてくれていても、自分で自分を認めることができないでいた。
ある日、初めて絵画のコンクールで佳作を取った。今まで絵画のコンクールでは一度も賞をとったことがなかったから、すごくうれしくて、心の底から喜んだ。初めて「自分はすごい」と評価した。早くお母さんに見せたくて、駆け足で家に帰った。でも家には既にお姉ちゃんが帰っていた。
「ただいま!!お母さん!今日ね・・・」
ドアノブに手をかけた。すると、部屋の中からお姉ちゃんとお母さんの会話が耳に入ってきた。私はそこで固まってしまった。
「まぁ!美里の絵美術館に飾られるの?!?」
「そうなの!なんかすごい賞をもらっちゃって。」
そういって、お姉ちゃんは鞄から賞状を取り出す。
「も、文部科学大臣賞!?!?すごいわ!お父さんに電話しなきゃ!!」
私は手に持っていた自分の賞状を、ぐしゃぐしゃに丸めて、廊下のゴミ箱に捨てた。
なんで?なんで?なんで?なんで?なんでお姉ちゃんばっかり・・・。
私だって頑張ってるじゃん!塾にピアノにバイオリン、部活だってがんばって、キャプテンやってんじゃん!なのに・・・なのに・・・。もういい。頑張ったって、結局生まれ持った才能には負けるんだよ。どうせ・・・どうせ・・・。
もう悲しすぎて涙も出てこない。泣きたいのに。泣いたら少しだけでも楽になるのに。
悔しくてすぎて声も出ない。叫びたいのに。いますぐ叫んでここから逃げ出したいのに。
もういやだ、こんな世界。こんな学校。こんな家。こんな家族。こんなお姉ちゃん。こんな自分。
・・・・・・・・・・家出してやる・・・・・・・。
なるべくたくさんの人に共感してほしい。
つづきもぜひ、読んでほしい。