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天狼の騎士と白銀の戦姫  作者: 未来カコ
序章  出会い
1/12

 語り手と聞き手

完全なる初投稿であり、処女作でもあります。

至らない点も多々あるでしょうが。暖かく見守ってください。

感想などを送ってくれると執筆活動のモチベーションがあがるのでドンドンお願いします。駄目だしするときはやさしく指摘ください、作者は打たれ弱いです。それでは拙い物語でありますが楽しんでください。

 ――世界は優しくない。

 



 罪無き人々は魔王に蹂躙され、死に。


 

 罪無き人々は暴君に圧政され、死に。


 

 罪無き人々は災害に淘汰され、死に。




 無力な人々は己の境遇にただただ嘆き、その歩みを止めて、膝を付き、下を向き停滞し世界に絶望する。


 ――だが、人は世界が思っているほど脆弱ではない。


 世界に絶望し、停滞した人々のなかから立ち上がり、進む者たちがいる。

 誰に教えられたわけでもなく、自身の内から湧き上がる感情を

『信念』に変え、小さな希望を胸に秘め、突き進む者たち。

 彼らを人々は『愚者』と『偽善者』と呼び、あざ笑う。

 だが彼らは気にもとめないで、傷つきながらも、倒れながらも、何度も立ち上がり進んでいく。

 やがて人々は次第に彼らのことを笑うことをやめ、最初は怪訝そうに、最終的には不思議そうに彼らを見た。こらえきれなくなった人々は彼らに問いかけた。

 

 ――なぜ? そんなつらいことしているの?


 理解出来ない、と言わんばかりの表情で問いかけられた。


 そして問いかけられた彼らはこう答える。


 ――恋人を守るために、親友を守るために、家族を守るために、民衆を守るために、幼馴染を守るために、妹を守るために、兄を守るために、姉を守るために、弟を守るために、母を守るために、父を守るた――――――――――。


 千差万別の答えが返ってきた。だが彼らは最後、異口同音にこう言葉を返してきた。


『自分のためさ』


 と、なにげなく言ってきた。

 だがそれを聞いた人々は狐につままれたような、ポカンとした表情を浮かべた。

 自分のため…………、それは人として当然のことである。

 だけど……、彼らは気付いているのだろうか? 

 自身のためと嘯いていながらも、彼らが立ち上がってきた理由は決まって『自分以外の誰かのため』であることを。

 そこを彼らに聞くとまた言葉が返ってきた。

『大切なものを失いたくない、奪われたくないものがある。……それらを奪われ、失ったとき傷つくのはやっぱりそれは自分であり、守りたいと思うの人として当然だろう?』

 笑顔であったり、しかっめ面であったりなどの様々な表情と言いぐさであったが、またどれも内容は同じようなものであった。

 そして、その言葉を聞き理解した時人々は純粋に、ただ純粋にスゴイと言う言葉が口からこぼれた。

 守る。という言葉は口でいうほど簡単な話ではない。特に自分の命を失うかもしれないというの危険のなかに飛び込んでいける人はこの世界に何人いるのだろうか?

 彼らはまるで、パンドラの箱に残された最後の希望のようであった。

 だけど気付く。彼らは普通に怖いもの怖く、痛いもの痛いと泣く。――――自分たちと同じ『人間』だということを。

 そしてまた気付く、自分たちと彼らの違うところを。それは、立ち上がろうという強い『意志』であること。

 そして、また気付く自分たちも彼らと同じ可能性を等しくもっていることを。

 そして彼らを笑う者はいなくなり、しだいに彼らを自分たちの先を進む者たちとして、尊敬を込めて人々はこう呼ぶようになった。



 

 ある人は彼らを勇者と呼び。


 

 ある人は彼らを英雄と呼び。


 

 ある人は彼らを聖人と呼び。

 



 ――そんな呼び方をされた彼らは、様々な偉業を成し遂げた。




 ある勇者は人々を苦しめる魔王を倒し、人を救い。


 

 ある英雄は民を率いて人々を苦しめる暴君を倒し、人を救い。


 

 ある聖人は災害のさなか助けを呼ぶ声に手を差しのべ、人を救い。




 彼らは数々の悲劇を防いできた。そして彼らは後に、伝説、歴史、御伽噺の存在として語られることになった。



 ――世界は優しくない、だが無情というわけでもない。



 そこに立ち上がろうという『意志』がある限り悲劇は覆すことができる。

     

       ◆◇◆

 

 さて前置きが長くなってしまったようだけど、これからある物語を読もう。

 って、あれ? もしかして寝てたのかい、うーん酷いな結構かっこいいこといってたんだけどなー。……っま、いっか。それじゃ話を続けるね。

 これはある一人の少年ヒーローが数奇な運命に導かれ、とある世界の一人の少女ヒロインと出会うところから始まるお話であるんだ。

 ……ん、なんだい? その少年ヒーローは人々からなんて呼ばれたのかだって? 

 うーん……まっ、これぐらいならネタバレにならないか。よし、いいよ物語を聞かせる前に教えてあげるよ。

 彼は人々からはこう呼ばれていたんだ。


『正義の味方』ってね。


 …………なんだい、その胡散臭そうな目は? 正義の味方だよ? 君たちぐらいな子供たちが大好きな正義の味方だよ? ……え、それは偏見だって? それにこの世には完全な勧善懲悪なんてないんだって、あと正義なんて曖昧な概念なんか掲げているヤツなんてロクなやつじゃないって?。……いやいやっ!、それはまあ確かにそうだけどもこの少年にはこの言葉が一番ピッタリなんだからしかたがないんだろう。

 

 ……って、なんで君ぐらいな子供が勧善懲悪や概念なんて言葉をつかってるの? 

言葉の意味も理解してるようだし…………あっ、もしかしてそんな幼い容姿だけど実はいわゆる合法ロ――――。

 本当に申し訳ございませんでしたッ! どうか、どうか、お許しくださいませッ! 

 

 …………え? だいの大人がただの十歳児に本気の土下座をして恥ずかしくないかだって? ……いやちょっとまって欲しい。ただの十歳児がなんでそんなスカートの内側にそんな小型の投擲ナイフを忍ばせてるわけ? しかも暗殺者ばりの精度と速度で眉間と心臓めがけて投擲してくるなんて……、あれ、多分僕じゃなかったら死んでたよ、冗談ぬきで普通の人だったらあの世行きだったよ。えっ、本気で殺す気で投げたって。それを防ぐなんて凄いわねって、…………………十歳児怖ッ!。

 

 ……ふう。なんで本を読む前からこんなに疲れてるんだろう。

 え、年だからじゃないかですって、……いや見ての通り僕まだ二十歳まえの青年なんだけど。わかってていってるよね?。

 

 はあ、なんでこんな人形のように可愛らしい女の子がナイフを振り回したり毒舌なんだろうな、――――って危なッ!?。

 今僕なんか怒らせるようなことしたかなッ!?。

 

 あれ、顔が真っ赤だけどだいじょうぶかい? ちょっとジッとしててねー。――って痛ッ、なんでヘットバットかましてくるのッ、ただ熱を測ろうとしただけなのに! え、大丈夫だって? 気にしないでさっさと読み始めろだって。でもさっきより心なしか赤くなってるけど…………。あッ、スミマセンなんでもございません! だからチラつかせてる凶器を閉まってください!。

 さて気をとり直して読まさせてもらおうかな。

 

 それにしてさっきまでいきいきしてたのになんで本を読もうとするとつまらなそうにするの。

 ……所詮は創作物だって? フフッ、そうかいそうかい。うん。

 君には教えてもいいかな。

 じつはいうとねいまから読む本は実際に別の世界であった本当のお話なんだ。

 

 アハハハッ、子供だからってバカにするなって顔をしているね。でもところがどっこいこれは本当の話なんだ。

 まあ、今から読んで聞かせてあげるから本当か嘘かは終わったあとで決めて欲しいな。

 

 ――さてさて、長らくお待たせてしておりましたが物語を始めさせてもらいます。これはある一人の少年ヒーロー少女ヒロインが織り成す英雄譚でございます。最後までのご静聴をお願いします。


 



  ――――それでは物語の始まり始まり


 

  



 

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