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世界とメガネと赤女と赤男。

作者: 花浅葱 羽羅

 ざわざわとした人ごみの、声にならないざわめきは、耳につけたイヤホンから流れる安っぽくて煩い音楽に打ち勝ち、俺の耳に入ってくる。その事実に俺は盛大にため息をついた。本日5回目、おめでとう、起床から学園の門をくぐるまでの間のため息回数の新記録更新だ。正直とても嬉しくないが、ため息をつかせるやつが悪いと思う。晴天の空の下、今、俺の後ろに小走りで追いつこうとする、黒髪メガネの女子。肩を越したあたりで無造作に切られた髪はあまりにも不恰好だが『それ以上に元々が整っているので違和感が無い。』と皆が言うその女子、俺はある意味可笑しいと思う。


 とりあえず、メガネを無視してさっさと薄汚れた下駄箱までついたが肩を叩かれた。嫌な予感がして振り返ると、予想通りメガネが後ろにいて『セカイ君おはようございます。』とか言うので俺は会釈だけしてその場を去った。後ろから女子特有の高い声で何度か叫んでいたがすぐに諦めて何も言わなくなった。


 安っぽい音楽によって気分が悪くなってきたので、止めようと思い、音楽プレイヤーの本体を出す。そうしたら見慣れた、無駄に長くて真っ赤な髪が見えたので、横を見ると『やぁ、おはよう。セカイ殿』と斜め上目線の台詞を言う少女が居た。手に持っていた少女の鞄は真っ赤なキーホルダーで埋め尽くされ、学年色は青なのに赤いスリッパを持参して履いている。バカみたいに赤色を好むこの赤女は凄く相手にするのが面倒なので何も言わず、会釈もせず、すぐに音楽プレイヤーに俺は視線を戻す。すると、赤女は俺の音楽プレイヤーの画面を見て『あ、またレベッタ=クリアの曲だな。』と言う。無性に癪に障ったのでそのままブチリと、電源を切ると、同時に赤女がやって来ただろう方向とは逆から、派手な赤い髪をした少年がやってきた。俺の隣(赤女とは逆位置)に立つと『はよ、セカイ様』と言う。やっぱり、ごつごつした指輪も白い首にかかるネックレスも赤く、学年色は(以下略)バカみたいにを赤を好むこの赤男は赤女と同じく、凄くとても相手をするのが面倒なのでやっぱり何も言わず、視線を合わせただけで俺は歩き出した。この赤い二人組みは俺からのこの扱いに離れているので特に気にせず、ギャアギャア騒いでいた。同属嫌悪なのだろうか、この二人はとても仲が悪い。


 暗くなったなと思い、気まぐれで窓の外の空を見ると、青かった空はどんよりとした雲で覆われていた。

 とりあえず、主人公が何でセカイ君なのかというと、苗字が瀬海(せかい)だからです。そのまんまですね(笑)


実は続くかもしれないシリーズです。やる気はあまり無いですが( ̄□ ̄;;)

ちなみに、『白も黒も無いどんよりした灰色の人間』がテーマです。

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