表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛する者の為

はじめまして。pixivからきたれいてんしーです。

pixivで書いた作品を載せていきますので、読んでってください

面白い日々を求めてた。体験した事のない非日常を求めてた。

みんなとわいわいして、笑いあえばいいなと。

入学前はそんなのんきな思いでいた。しかし、現実はそう甘くなかった。

私が人とかかわるのが苦手と分かると、翌日からいじめを受けるようになった。

最初はよかった。昔されてきたような軽いものだったから。だけど私が無抵抗だと知った途端にまるでレースをしている車のように、急激にエスカレートしていった。はっきり言ってきつかった。もう死にたかった。でもあいつが居たから。霊夢がいたから今日まで生きてこれたんだなって心底思う。こんな私を思って優しくしてくれる仏みたいなやつ。何もいいことなんてないのに。

霊夢とは腐れ縁ってやつだ。小さい頃、親に家を追い出されて外をさまよっていた時に偶然声をかけてくれた。そこから自然と仲良くなった。周りからよく思われなかったけど。そんな事を考えながら今日も着替えて、支度をし、家を出て、日の目を浴びたての社会にもまれながら学校に向かう。ここに紛れたらあれから逃れられるのだろうか。そんな考えも、この社会の波にもまれてしまうとすべて流されてしまう。学校の最寄り駅につくと、同じ服を着た、いかにも今どきの女子って感じの女子たちがいる。みんな私を認知した途端にコソコソと話し出す。中には笑う者、「かわいそうに...」と私に聞こえるくらいの声量で憐れむ者もいる。これくらいは慣れた。前からそうだったから。どこに行っても私は邪魔者扱い。私に居場所なんてないんだ。私はいらない子なんだ。そう思う。

「おっはよーー!!」

数年前とは違う、少し大人びた声。霊夢だ。

「おはよ」

「もー元気ないなぁ魔理沙は」

「これから便器の水に自分の顔を無理やり突っ込まれるっと思うと、誰だって元気なくなるだろ」

「...そうだね、なんかごめん」

「あ...いや別に...」

こんな反応になるとは思わなかった。いつも通り頑張って~って受け流されるのかと思ってた。

「ふふふ...」

「何が可笑しいんだ?」

「いや...魔理沙がきれいに罠にハマってくれて...おもろすぎるなってw」

「んなっ!?だましたな!?お前!」

「気づかない方が悪いんですぅ~」

「そりゃあんな反応されたら誰だって心配するだろ!特にお前の場合なんかは...」

???「霊夢ちゃーん!遅刻するよー?」

「やばっ、もうこんな時間!それじゃあまた後でね!魔理沙も遅刻すんなよー?」

「わかってるよ、じゃあね」

霊夢は笑顔でこっちに振り向きながら手を振って走り去っていった。

私は逆方向に教室があるので、そっちの方に向かってすたすたと歩いていく。

教室に入った途端、蹴りを入れられた。

思わず尻もちをついてしまう。

「何やってんの?早く立てよ」

「...」

「なんか言えよ!!」

その言葉が出てきた途端にこぶしが出てくる。そのこぶしは私のお腹に深く刺さる。

「う...」

思わず吐きそうになる。何で朝からこんな目に...

「また後でね、」

そう言って私の視界からいなくなる。

私は立って、ごみを払い、自分の席に着く。

それと同時に、先生が教室に入ってくる。

「起立!礼!着席!」

学級委員が声をかけ、みんな授業を聞く体制に入っていく。

~放課後~

やっと授業が終わった…と思ったのもつかの間、誰かに強引に腕をつかまれて、どこかに連れていかれる。

(ああ、またあいつらに汚されるのか...)

そう思っていたのだが、今日は違かった。なんと霊夢だったのだ。

「一緒に帰ろ!」

そういった途端にさらに引っ張る力を強くして走っていく。

「ちょ、お前、速いって!」

「いじめっ子たちから逃げるためだから我慢して!」

そう言ってさらに霊夢の足は速くなる。

(こっちは運動神経抜群のお前と違って音痴なのに...)

そんなことを思いながら、走り続け、他の生徒の間を潜り抜け、駅の改札を出て、降りたら来ていた電車にそのまま乗り込んだ。

やっと霊夢が自分の手を放してくれた。

「はぁ...はぁ...」

「楽しかったでしょ?」

「楽しくないわ!」

「でも、顔笑ってるよ?」

「え?」

霊夢が鏡を差し出してくる。そこには確かにニヤッと笑ってる自分がいた。

「人生暗いことばっかだけどさ、こんな時こそ楽しまなきゃ!」

「それはそうだが...それはそうと、何で私を引っ張り出したんだ?」

「魔理沙朝から暗かったから、一緒に遊びに行こうかなって」

「どこに?」

「...」

「帰る」

「まてまてまてまて、私の家!私の家で久々に遊ばない?」

「まぁいいけど...」

「よし、そうと決まれば私の家にゴー!」

「お、おー」

全く、元気な奴だ。まぁそこが憎めないんだけどな。

呼吸が落ち着いて、最寄り駅で降りて、霊夢の家までの道のりで他愛もない会話を霊夢としていたら霊夢の家の前に着いた。

「お邪魔します」

「どーぞー」

「相変わらずでかい家だな...」

「そう?魔理沙の家もでかいじゃん」

「まぁ、そりゃあね」

今の会話から分かる通り、私たちの通う学校はいわゆるお嬢様学校なのだ。みんな金持ちの子。私も霊夢も例外ではない。

「あんた何か食べるー?」

「特には」

「そー」

「ところでさ霊夢」

「んー?」

「何で急に遊ぼうなんて言ったんだ?お前には遊ぶ相手なんていくらでもいるだろ」

「私そんな遊んでるイメージある?」 「うん」 「まじかーそんな遊んでないけどなぁ~」

「そうなのか?てっきり毎日遊んでいるのかと」

「今の子たちとあんま趣味合わないんだよねー、ファッションとか芸能人とかどーでもいいし」

「そーなんだ、以外」

「だからクラスの子よりも魔理沙と遊ぶ方が好き」

「お、おう、ありがとな///」

「何照れちゃってるのよー笑可愛いなーこの野郎っ」

そう言って霊夢は私の脇腹に手を伸ばし、こちょこちょしだす。

「あははは!や、やめてよ霊夢!」

「魔理沙が可愛すぎるのが罪なんだぞーこのこの」

「あは、あははは!ギブギブ霊夢っ!あははは!」

しばらくこれが続き、やっと霊夢はこちょこちょをやめてくれた。

それからは、お茶を飲んだり、ゲームをしたり、学校の愚痴を言い合ったりしていた。

楽しい時間は一瞬で過ぎていった。

「あーもうこんな時間かーそろそろ帰るね」

「おっけー」

霊夢は玄関まで送ってくれた。

「今日はありがとう!すごく楽しかったし、日々のストレスもどっかに吹き飛んじゃった!」

「そう、ならよかった。また来てね~」

「うん!じゃあまた明日!」

「バイバーイ」

霊夢が笑顔で手を振ってくれる。今日この一日で確信した。霊夢のことが好きだ。恋愛的に。

どうしよう、どうしようという不安の裏腹に、わくわく感があった。さて、明日も頑張ろっと!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

魔理沙が手を振って笑顔で出ていくのを見届けた。あぁ、なんていとおしいの。私の魔理沙。

ずっと好きだった。ずっとずっとずっとずっとずっと好き。魔理沙を手に入れるため、魔理沙を守るためなら自分の手を汚したってかまわない。私はそう考えながらスマホを取り出し、電話を掛ける。

「はい...」

「計画の進行状況は?」

「順調です。あと少ししたら完了するかと...」

「ッチ、おせぇんだよ」

私は思わず舌打ちをする。

「すいません...」

「それよりもお前、魔理沙の顔を便器の水につけたって?」

「あ、、、それは、、、その、、、」

「顔はやるなといったよな?もういい。」

「待ってください!もう一回チャンスを...」

私はポケットに入ってるトランシーバーで

「9番をやれ」

「かしこまりました。」

「待ってください!チャンスをくだs」

ザシュッという人を切り刻む音とともに悲鳴が聞こえる。

「お前らも逆らうなよ!」

私は声を荒げそういい、電話を切った。それと同時にトランシーバーで、

「後処理よろしく」

「かしこまりました。」

そういいトランシーバーも切る。

これでいい。また魔理沙を守れた。私はどうなったっていい。世の中のハエどもに魔理沙を近づけさせてはいけない。

そのために、全てを犠牲にしたんだ。すべては、愛する者のため。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ