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白粉の記憶  作者: キャロット艦長
第二章
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集団カンニング事件

ある日、クラスの何人かがテスト中にカンニングしていることが発覚した。エリとマユコを中心としたグループだった。ヒトミ先生が問い詰めた結果、他にもカンニングしている人がいた。いや、クラスの全員でやっていた。


もちろん、ヨシヒロもやっていた。タツヤもアキノリもシンジも、少し関わっていた。テスト中に紙を回したり、小声で答えを教え合ったりしていた。


ヒトミ先生が事の全体像が掴んできた頃、何かの授業の代わりにこの事件についての学級会が行われた。


「エリさん、どのテストで、どういうカンニングをしたのですか?」


「前の算数のテストで、ユウキくんに答えを教えてもらいました。」


「それは、1回だけ?」


「いえ、何回もやりました。」


「わかりました。次、ヤスヒロくん。」


児童が一人ひとり、起立して先生に報告していった。ヨシヒロも試験中にヤスヒロに答えを教えたと白状した。


子どもたちが一人ひとり、自分のやったカンニングを報告してから、ヒトミ先生はため息をついた。大きなため息だった。そして、怒りに満ちた表情で怒り始めた。


「あなたたち、なんてことしてくれたんや!!」


「こんなんやったら成績つけられへんやろ!!」


そして、


「これ全部、中学校に報告するんやで!!」


と叫んだ。


小学校6年生のクラス、あと半年ほどで中学生になる子どもたちに、このパンチは効いた。ヤスヒロがうろたえるようにして言った。


「ええ、中学校に言うん?」


先生は怒りの表情のままこう言い放った。


「そうやで!」


そして、その後クラスメイト全員が別室で、ヒトミ先生と1対1の面談をすることになった。さすがにいつも反抗的な子どもたちも口数が少なくなった。


やがて、クラスの一人ひとりが順番に呼ばれていった。ちょうどヨシヒロたちの教室の隣の部屋は視聴覚室だった。やがて、ヨシヒロの番になった。ヒトミ先生は普段は使わないような言葉で怒りを爆発させた。


「オマエみたいなんがおるから、今までの仕事が台無しやろ!!どないするねん、これ!!」

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