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白粉の記憶  作者: キャロット艦長
第五章

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芋掘りデート

ヨシヒロとヒトミは一緒にドライブに行った後も、何回か会っていた。お互いに休みが合わず、食事に行くだけだったが、ヒトミにはいい息抜きになったようだ。


「やっぱり、神戸とか大阪はいいなあ。田舎も好きやけど、こういう所で働くのも憧れる。」


「田舎だと、知ってる人ばっかりですもんね(笑)」


「そうやね(笑)それが、いい時もあるんやけど、ちょっとは息抜きしたいよね。」


ヨシヒロと会えるだけで、いい刺激になっていた。


「そういえば、芋掘りに行きたいっす!」


ヨシヒロは唐突に言った。


「ええ~、芋掘り?(笑)そんなん、デートになるん?(笑)」


ヒトミは笑った。


え?デート?デートって言った?


ヨシヒロは思った。たしかに、これまで何度も会っているし、「お試し」とはいえ彼氏・彼女である。しかし、ヒトミの口から「デート」とハッキリ言ったのは初めてだった。


「ん?どうしたん?芋掘り、行きたいん?」


ヒトミは不思議そうな表情を浮かべた。


「芋掘り、行きたいっす!」


ヨシヒロは元気よく答えた。


「わかった(笑)でも、ウチの近所は止めてね。芋掘りできるトコ、たくさんあるけど。」


「そうですよね(笑)大阪の方で探しておきます。」


「ありがとう。まあ、彼氏に付き合ってやるか(笑)」


え?彼氏?


またもヨシヒロは、ヒトミの言葉に反応した。


芋掘りの当日、ヨシヒロとヒトミはレンタカーで大阪の郊外に出かけた。ヨシヒロが契約したゴルフの納車はもう少し先だ。


「大阪にもこういうトコ、あるんやね~。」


ヒトミは少し驚いていた。


農園に着くと、早速2人ともジャージに着替えた。そして、2人で芋掘りに夢中になった。ヨシヒロも小学生の時、学校の畑で芋掘りをした。その時の担任はヒトミ先生ではなかったが。


ヨシヒロは、ヒトミのジャージ姿もいいものだと思った。小学生の時に散々見たが、2人の時はオシャレで小綺麗な格好なだけに、そのギャップにドキドキした。汗を拭う姿と、泥が少し付いた顔もたまらなかった。


2人で汗をかくのもいいものだった。ヨシヒロが思っている以上に心が接近できた気がした。そして、2人で掘ったサツマイモは、持ち帰ることができた。


「たくさん取れましたね~。」


「ホンマやね。持って帰るのが大変やわ(笑)」


「このお芋、どうするんですか?」


「ぶっちゃけ、焼き芋の季節はまだ早いよね(笑)なんか、色々料理しよっかな。」


ヨシヒロはしばらく考えて、こう提案してみた。


「よかったら、ウチに来てお芋パーティーします?それか、ヒトミさんの家でもいいですけど。」


ヨシヒロはヒトミを誘ってみた。まだ早いかなとも思ったが、彼氏・彼女なので大丈夫とも思った。「お試し」ではあるけれど。


「うーん、ヨシヒロくんの家でもいい?」


ヒトミは考えながら言った。


「はい、大丈夫ですよ!今から来ますか?」


ヨシヒロは喜びながら答えた。


「そうね、今からおじゃまします。」


ヒトミは軽くお辞儀した。


「わかりました!じゃあ、レンタカー返して、ウチに行きましょう!」


そうね、とヒトミはつぶやいた。レンタカーを返しにいくまで、車内では沈黙が続いた。


ヨシヒロはヒトミを自宅に連れていき、玄関の前で少し待たせた後、しばらくしてから扉を開けた。


「おまたせしました~。散らかってますけど、どうぞ~。」


「おじゃましまーす。」


ヨシヒロ、ヒトミともに緊張の瞬間だ。


ヒトミはリビングに来たあと、手を洗うために洗面台に行った。戻ってきてから、リビングを見渡して、


「たくさん本があるのね~。全部、会計士の本?」


と尋ねた。


「そうですね~、会計関係の本が多いですね!でも、分厚いのはあんまり読んでないです。最初の方しか(笑)」


そうなんや、とヒトミは小声で言った。そして、サツマイモの入った袋をテーブルの上に置き、自分のショルダーバッグから何かを取り出した。

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