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白粉の記憶  作者: キャロット艦長
第三章

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それぞれの道

ヨシヒロは高校に進学した。家から少し離れていたので、部活には入らなかった。彼女もできた。カヨちゃんという子だ。ちなみに、高校卒業後も続いたが、互いに大学に入ってから別れてしまった。なお、中学生の時に好きだったタカナちゃんとは、中2の時に3カ月だけ付き合った。


高校生活を通して、ヒトミ先生を思い出すことはほとんどなかった。たまに、今はどうしてるかなと思うことはあった。でも、それっきりだった。携帯電話に登録した連絡先も使うことはなかった。先生からの年賀状も高校生になると来なくなった。


高校3年になって、ヨシヒロは京都の大学に合格した。実家を出て一人暮らしを始める。幼馴染のシンジ、タツヤ、アキノリも進路が決まった。それぞれの道へ進む前に4人で集まった。


「4月から東京に行くぜ!向こうに行って、東京の会社に就職するわ!」


タツヤは言った。


「へぇ~、すごいやん。オレは地元やなあ。教育学部に行って教師になるわ。」


シンジも夢を語った。


「そうなん?高校の先生になって、甲子園目指すん?」


「そうやな。それが夢や!」


「みんな、がんばってなあ。オレは高校から推薦もらって、神戸の工場で働くわ。」


アキノリは高校入学の時点でこれを見据えていた。


「ボーナス出たら、おごってな(笑)」


「そんな出ぇへんやろ!(笑)」


そのような話をしながら、4人の集まりはお開きとなり、それぞれの道へ進んでいった。


やがてヨシヒロは大学の2回生になった。大学生活は思っていたのとは違ったけど、充実していた。もっとキャンパスライフを楽しむのかと思っていたけど、勉強漬けの日々だった。アルバイトも沢山やった。


というのも、ヨシヒロには目標ができた。公認会計士になりたいと思った。大学の先輩で、公認会計士の勉強をしている人が何人かいて、彼らのことをカッコいいと思っていた。


公認会計士の勉強は大変だった。大学受験とは比べものにならなかった。資格学校にも通った。入会金のうち30万円は自分で出したが、残りの30万円は親に払ってもらった。モチベーションが落ちることもあったが、その度に復活した。ヨシヒロには、ある考えがあった。


「公認会計士って、大学卒業したてでも給料高いねん。たしか、年収500万円くらいやわ。大卒でもし大手に入れても最初は年収300万円くらいやん?全っ然ちゃうやろ。」


それに・・・、ヨシヒロは考えた。


「もし、大学卒業後にヒトミ先生と再会して、付き合うとかなったら、同じくらいの給料からスタートできるやん。そうなったら、子ども扱いされることもないやろ。」


小学校を卒業してからも心のどこかには、ヒトミ先生がいた。ヒトミ先生とお付き合いするなんて、妄想の中の妄想だった。だが、ヨシヒロにとって信じられないほどの馬力を生んでいた。彼にとっての初めての「夢」。将来の夢がないという自分は、過去のものとなっていた。


ヨシヒロは特に目標がなかった。子どもの頃から、「将来の夢」を書くのが苦手だった。

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