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白粉の記憶  作者: キャロット艦長
第三章

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報告に行こうぜ

中学3年の春休み、まだ使い慣れない携帯電話にシンジからメールが届いた。小学校6年生の時のヒトミ先生に、高校合格しましたって報告に行こうぜ!というものだった。


ヨシヒロもそれは考えたことはあった。だが、1人で行くのは勇気がなかったのと、誰か誘うか迷っていたところだった。ちょうどよかった!ヨシヒロは思った。


シンジとヨシヒロ、それにタツヤとアキノリが集まった。事前にシンジが小学校に電話して、ヒトミ先生に連絡をしておいてくれた。快くOKしてくれた、とのことだった。


迎えた当日、4人は意気揚々と母校の門をくぐった。特にタツヤは嬉しそうだった。高校受験の時、あまりテストで答えられなかったみたいで、「絶対落ちたわ~」と落ち込んでいたからだ。


職員室に入ると、他の先生もあたたかく迎え入れてくれた。どうやら他にも、高校に合格したという報告に来た卒業生がいたみたいだ。職員室の中でヒトミ先生を見つけると、4人は軽くお辞儀をして先生のもとへ歩いていった。


「みんな、合格おめでとう~!!立派になったね~!!」


ヒトミ先生は喜びながら4人を迎えてくれた。小学生の頃は、シンジだけがヒトミ先生よりも背が高かった。それが今や、4人全員がヒトミ先生を追い抜いている。先生は見上げながら、合格を祝ってくれた。


「オレ、4月から電車で通学です!」


アキノリが言った。


「オレらは家の近くやんなあ。」


シンジとタツヤが互いに目を合わせた。


「そうなんやあ。みんな、がんばってね!!」


ヒトミ先生は嬉しそうだった。


その一方で、先生の机の上は何も書類がなかった。代わりに壁際に段ボールが何個か積まれていた。ヨシヒロは少し気になった。


「今は新年度に向けて、先生も席替えですか?」


何気なく聞いてみると、先生が答えた。


「実は、ワタシ転勤することになったの。4月から△△小学校よ。」


「あ、そうなんですね・・・。」


ヨシヒロは不意をつかれた感じがした。他の3人も少し驚いていた。だが、一番驚いていたのはヨシヒロだろう。その後の会話は上の空だった。


やがて、ヨシヒロはあることを考えた。でも、それを言う勇気がない。言おうとすると、みんなビックリするかもしれない。でも、言わないといけないと思った。


「先生!オレらケータイ買ってもらったんです・・・。よかったら、先生の連絡先も登録したいです!」

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