7. 羊飼いへの告知 場所:ベツレヘム付近、ベツレヘム
•凡例•
( )囲み ──訳者または編集者によるより理解しやすくするための補助、本文と一緒に読んでかまわない
[ ]囲み ──訳者または編集者による語句の定義をより明確にする説明
『 』囲み ──旧約聖書または会話の中の引用
(その晩、)数人の羊飼いがその辺りで、野宿をしながら群れの夜番をしていた。すると(突然)、一人の主[天主]の使いが(現われて)彼らに近づき、主[天主]の栄光が彼らの周りを照らしたので、羊飼いたちはすっかりおびえてしまった。そして天使が言った、「怖がることはない。今わたしは、(イスラエルの)民全体への大きな喜びの訪れを、あなたたちに伝えるのだ。実は今夜、ダビデの町に、あなたたちのために一人の救い主がお生まれになった。この方こそが(かねて預言されていた)救世主なる主である。あなたたちは嬰児が産着にくるまれて飼い葉桶に寝ているのを見る。それが(救世主の)目印である。」
するとたちまち、おびただしい天使の大軍勢が現われ、その天使と一緒に天主を讃美して言った、──
「いと高き所にては栄光、天主にあれ。
地上にては(今や)平安、ご意志に適う人々にあり! 」
天使たちが彼らを離れて天に去ると、羊飼いたちは互いに言った、「さあ、ベツレヘムに行って、主[天主]が知らせてくださった出来事を見て来よう!」そして、彼らは急いで行って、ミリアムとヨセフと、飼い葉桶に寝ている嬰児とを探し出した。彼らはそれを見ると、幼児について(天使に)告げられた言葉を広く知らせた。それを聞いた者は皆、羊飼いたちの話を不思議に思った。しかし、ミリアムはこれらの言葉をみな胸に秘めて、一人でじっと考えていた。そして羊飼いたちは、聞いたり見たりしたことが何もかも(天使が)語られたとおりであったので、天主をほめたたえ、讃美しながら引き返した。