41. 過越の祭り: 三十八年病気の人 場所:カペルナウム、エルサレム(べトザタの池)
•凡例•
( )囲み ── 訳者または編集者によるより理解しやすくするための補助、本文と一緒に読んでかまわない
[ ]囲み ── 訳者または編集者による語句の定義をより明確にする説明
『 』囲み ── 旧約聖書または会話の中の引用
その後、ユダヤ人の(過越の)祭りがあって、イェシュアはエルサレムに上られた。エルサレムの羊の門の脇に、ヘブライ語でべトザタという池があり、(これを取り巻いて)五つの回り廊下があった。廊下には大勢の病人──盲人、足なえ、やせ衰えた者などが寝ころがっていた。彼らは、水が動くのを待っていたのである。それは、天の使いが時たま池に下りて来て水をかき回すので、水がかき回された時、真っ先に(池に)入った者は、どんな病気にかかっていても、(きっと)治るからであった。
さて、そこに三十八年も病気の人がいた。イェシュアはその人が横たわっているのを見、すでに長い間この状態であったことを知ると、彼に「治りたいか?」と尋ねられた。すると、この病人が答えた、「ご主人、水がかき回される時、わたしを池に入れてくれる者がないのです。わたしが行こうとする間に、他の人が先に下りて行ってしまいます。」イェシュアは彼に言われた、「起きて、担架を担いで歩け!」すると、その人はすぐ治って、担架を担いで歩き回った。
あいにくその日は安息日であった。(口伝律法の影響で、安息日に関する人の行動が激しく取り締まられるようになっていた。)そこで、ユダヤ人(の役人たち)が病気のよくなった人に言った、「(今日は)安息日だ、担架を担ぐのは規則違反だ!」しかし、彼は答えた、「わたしを治してくれた人が、『担架を担いで歩け』と言ったのです。」彼らが尋ねた、「『担いで歩け』と言った人は誰だ?」だが、癒された人は、それが誰であるかを知らなかった。大勢の人がその場所にいたので、イェシュアは(そっと)立ち去られたのであった。
その後、イェシュアは宮で彼に出会って言われた、「ほら、治ったではないか!もう罪[的外れ]に歩むなよ。もっとひどい目に遭わないためだ。」それから、その人は立ち去って、自分を治してくれたのはイェシュアであると、ユダヤ人(の役人たち)に知らせた。このため、ユダヤ人はイェシュアを攻撃し始めた。彼が安息日にたびたびそんなことをされたからである。これに対し、イェシュアは彼らに答えられた、「わたしの父上は、今でもなお働いておられる。だから、わたしも働く。」これを聞いたユダヤ人(の役人たち)は、いよいよイェシュアを殺そうと思うようになった。安息日を破るばかりでなく、天主を自分の父と呼んで、自分を天主と等しくされたからである。




