3. ミリアムへの告知 場所:ガリラヤのナザレ
•凡例•
( )囲み ──訳者または編集者によるより理解しやすくするための補助、本文と一緒に読んでかまわない
[ ]囲み ──訳者または編集者による語句の定義をより明確にする説明
『 』囲み ──旧約聖書または会話の中の引用
(エリサベツが身ごもってから)六か月目に(同じ)天使ガブリエルが、天主からガリラヤのナザレという町の一人の乙女に遣わされた。この乙女はダビデ(王)家の出であるヨセフという人と婚約の間柄で、名をミリアムといった。天使は乙女の所に来て言った、「喜びあれ、恵まれた人よ、主[天主]があなたとご一緒だ!」ミリアムはこの言葉にびっくりして、いったいこの挨拶は何事であろうと考え惑った。すると天使が言った、「ミリアムよ、恐れることはない。天主からお恵みをいただいたのだから。見よ、あなたは子を授かり、男の子が生まれる。その名をイェシュアとつけよ。その子は大いなる者となり、いと高きお方[天主]の子と呼ばれる。天主は先祖ダビデの王座を彼に与え、彼は永遠にヤコブの家の王となり、その統治は果てしなく続くであろう。」
ミリアムが天使に言った、「まだ夫を知らぬわたしに、どうしてそんなことがありましょうか?」天使が答えた、「天の尊い霊[聖霊]があなたの上に臨み、いと高きお方[天主]の力があなたを覆い隠すであろう。それ故 (あなたから) 生まれるものは、聖であり、天主の子と呼ばれる。実はあなたの親類のエリザベツも、あの老年で、男の子を授かったのだ。石女[子供を生めない女]と言われていた女が、今月はもう六か月になっている。天主の語られた言葉に不可能なことは何一つないのだから。」
ミリアムは言った、「御覧ください、わたしは主の召使い、お言葉どおりに成りますように!」すると天使はミリアムを離れ去った。