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31. ナザレで爪弾き   場所:ガリラヤのナザレ

•凡例•


( )囲み ── 訳者または編集者によるより理解しやすくするための補助、本文と一緒に読んでかまわない


[ ]囲み ── 訳者または編集者による語句の定義をより明確にする説明


『 』囲み ── 旧約聖書または会話の中の引用

 それから、イェシュアはお育ちになったナザレに行って、安息日(あんそくび)[週の第七の日つまり土曜日、天主が天地創造の後に休息された日を記念し、労働を(ひか)えるように(さだ)められた日]にいつものとおり会堂に入り、(聖書を)朗読(ろうどく)しようとして立ち上がられた。(係の者から)イザヤの預言書が手渡され、その巻物(まきもの)を開かれると、こう書かれた所が出てきた。──


『ヤハウェ[天主]の霊がわたしの上にある。

貧しい人に良きたよりを伝えるために、

ヤハウェが(あぶら)(そそ)いで(聖別し、選んで)くださったからである。

ヤハウェがわたしを(つか)わされたのは、

囚人(しゅうじん)に解放を、盲人に視力の回復を告げ、

押さえつけられている者に自由を与え、

喜ばしきヤハウェの年(の来たこと)を告げ知らせるためである。』


 イェシュアは(読み終わると、)聖書を(まき)き、係の者に返して座られた。会堂にいる皆の目が彼に(そそ)がれた。そこでイェシュアは、「(今)あなたたちが聞いたこの聖書の言葉は、今日 (ここで) 成就(じょうじゅ)した!」と彼らに話し始められた。皆がイェシュアの口をついて出る言葉のうるわしさに驚き(あや)しんで、イェシュアについてこう証言して言った、「こいつはヨセフの息子ではないか?」そこで、イェシュアは彼らに言われた、「どの道あなたたちは『自分を治せ、医者よ』という(ことわざ)を引いて、『カペルナウムで起こったと聞いていることを、郷里(きょうり)のここでもやってみろ』とわたしに言うに違いない。」そして、こう言われた、「アーメン[真実に]、わたしは言う、いかなる預言者も、自分の郷里では歓迎されない。本当にわたしは言う、(郷里で偉大な働きをした預言者がどこにあるか?(むかし)、預言者)エリヤのころに、三年六か月、天が閉じて(雨が()らず、)国中に大飢饉(だいききん)があった際、イスラエル人の中に多くの寡婦(やもめ)がいたのに、そのうちの誰一人の所にもエリヤは遣わされず、(異教国(いきょうこく))シドン地方のサレプタにいた一人の寡婦(やもめ)の所にだけ遣わされた。また、預言者エリシャの時、イスラエル人の中に多くの癩病人(らいびょうにん)がいたのに、そのうちの誰一人も(きよ)まらず、(異邦人である)シリア人ナアマンだけが清まった。(つまり天主の好意はかえって異邦人に与えられる。)」

 これを聞くと、会堂にいた者が皆、非常に憤慨(ふんがい)し、総立(そうだ)ちになってイェシュアを町の外に突き出し、町の建っている山の(がけ)のところまで連れて行って、彼を真っ逆さまに突き落とすためであった。しかし、イェシュアは彼らの真ん中を通り抜けて、去ってゆかれた。

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