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イェシュア伝:世界をひっくり返した男の物語  作者: すずめの道
V. エルサレムへの決意イェシュア
118/258

116. 仮庵の祭り:うわべで裁くな   場所:ユダヤのエルサレム(宮)

•凡例•


( )囲み ──訳者または編集者によるより理解しやすくするための補助、本文と一緒に読んでかまわない


[ ]囲み ──訳者または編集者による語句の定義をより明確にする説明


『 』囲み ──旧約聖書または会話の中の引用

 さて、(仮庵(かりいお)の)祭りの時に、ユダヤ人(の役人たち)は「あの男はどこにいるだろう?」と言って、イェシュアを探した(が、見つからなかった)。また、群衆(ぐんしゅう)の間では、イェシュアについてひそひそ(ばなし)(さか)んにされていた。「彼は()い人だ」と言う者もあれば、「いや、民衆を(まどわ)わす者だ」と言う者もあった。しかしながら、ユダヤ人(の役人たち)を恐れて、誰一人おおっぴらにイェシュアのことを話す者はなかった。

 祭りがすでに(なか)ばになったころ、(すなわち祭りの四日目に、)イェシュアが宮に(のぼ)って行き、教え始められた。するとユダヤ人は(おどろ)いて言った、「この人は学校に行ったこともないのに、どうして(こんなに)聖書を知っているのだろうか?」

 イェシュアは答えて言われた、「わたしの教えはわたしのものではない。わたしを(つか)わされた(かた)[天の父上]の教えである。その方の意志(いし)を行おうと決心(けっしん)する者には、わたしの教えが天主(なる父上)から出たものか、それともわたしが勝手に話しているかがわかるであろう。自分で勝手に話す者は、自分の名誉(めいよ)を求める。(そして、その言うことが(いつわ)りである。)しかし、自分を遣わされた方[天の父上]の言葉を語って、その方の名誉を求める者は、真実であり、(少しも)偽りがない。

 あなたたちに律法(りっぽう)を与えたのはモーセではないか?だが、あなたたちのうちに誰一人、その律法を守る者がない。(モーセ、モーセと言いながら、)なぜわたしを殺そうとするのか?(モーセは『殺してはならない』と言っているではないか?)」群衆が答えた、「お前は悪鬼(あっき)につかれている!いったい誰がお前を殺そうとしているのか?」

 イェシュアは答えて言われた、「わたしが(この間、安息日(あんそくび)に三十八年の足なえを治すという)一つの(わざ)[41参照]をしたので、あなたたちは皆驚いている。(しかし、驚くことはない。)モーセがあなたたちのために割礼(かつれい)の制度[割礼は民族的アイデンティティの象徴(しょうちょう)であって、アブラハムの子孫(しそん)が天主との永遠の契約のしるしとして、生後(せいご)八日目に男児(だんじ)性器(せいき)包皮(ほうひ)を切り取る儀式]を(もう)けたので──もっとも、これはモーセからではなく、(大昔(おおむかし)の)先祖(せんぞ)から始まったものであるが──あなたたちは安息日にも人に割礼を(ほどこ)している。(割礼についての)モーセの律法を(やぶ)るまいとして、安息日であっても人が割礼を受けるのなら、わたしが安息日に一人の人の全身を治したからとて、何も腹を立てることはないではないか?(ことに割礼は、ただ体の一部分を健康にするだけであるのに!)うわべで(さば)くな、(律法の精神(せいしん)を見て、)(ただ)しい判決(はんけつ)をせよ。」

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