111. 仲間を赦さない家来の譬え 場所:カペルナウム
•凡例•
( )囲み ──訳者または編集者によるより理解しやすくするための補助、本文と一緒に読んでかまわない
[ ]囲み ──訳者または編集者による語句の定義をより明確にする説明
『 』囲み ──旧約聖書または会話の中の引用
その時ペテロが進み寄って尋ねた、「主よ、仲間がわたしに対して罪[的外れ]を犯した時、何度まで赦してやらねばなりませんか?七度まででしょうか?」すると、イェシュアが答えられた、「一日に七度あなたに対して罪[的外れ]を犯しても、七度『すまなかった』と言って、あなたの所へ戻って来たら、七度赦してやれ。いや、あなたに言う、七度までどころか、七十七度まで[無限に]だ!
この故に、天による統治は、一人の王が家来たちとの貸し借りを清算しようとするのに似ている。清算を始めると、(王に対し)一万タラントン[古代ローマの通貨単位、一万タラントン=六千万デナリ(一デナリ=労働者の一日分の労賃)、莫大な金額]の借りのある家来が王の前に連れて来られた。しかし、彼が返すことができなかったので、主君[王]はその家来に、自分も妻も子も持ち物も全部売り払って返すように命じた。すると、家来はひれ伏して、しきりに願った、『しばらく待ってください!全部お返ししますから!』そこで、主君[王]は内臓が痛むほどの強い思いに駆られ、彼の身柄を赦した上、借金まで帳消しにしてやった。ところが、その家来は出て行って、自分に百デナリ[百デナリ=労働者の百日分の労賃]を借りている一人の同僚に出会うと、彼を捕まえ、喉頸をしめて、『借りているものを返せ!』と言った。同僚はひれ伏して、『ちょっと待ってくれ!必ず返すから』と頼んだ。しかし承知せず、(彼を裁判官に連れて)行って、負債を返すまで牢に入れた。その人の同僚たちはこの出来事を見て非常に悲しみ、行って、その一部始終を主君[王]に報告した。
すると、主君[王]はその家来を呼び出して言った、『不埒な家来!お前が頼んだから、あの負債を全部、帳消しにしてやったのだ。だからお前もわたしに情けをかけてもらったように、同僚に情けをかけてやるべきではなかったのか?』そこで、主君[王]は怒って、負債を全部返すまでその男を牢役人に引き渡した、(という話だ。)つまり、わたしの天の父上も、もしあなたたち一人ひとりが心から仲間を赦さないならば、(主君[王]と)同じようにあなたたちになされるであろう。」




