プロローグ
とある天才エンジニアの真一は自分だけのゲーム世界を作り上げた。真一は最新のフルダイブ技術を駆使して、ゲーム世界に入り込んだが、思い通りのはずのゲーム世界は、妻の萌花によって真一に人生の試練がのしかかる。それは浮気を疑った萌花の企みによって作られた萌花なりの試みだった。仮想ゲーム世界で浮気調査をするために色恋沙汰で真一の気持ちを試したり、その後も真一に友達により人生最大の試練が降りかかるが...乗っ取られたゲーム世界で真一は疑いを晴らすことができるのか?
プロローグ
ぼくは、天才ゲームエンジニアだ。
現在のぼくは、28歳になった、そしていま、自作した最高級のフルダイブゲームに飛び込もうとしている。
数年前に登場したフルダイブ技術によって、仮想世界で思いのまま体を動かせるようになって以降。ゲーム媒体は脳から直接指示を送れるようになった。いわゆるコントローラーも必要ないし、より直感的感覚的な操作ができるようになった、これはパソコンゲームのマウス操作とは比べ物にならないほど高性能だった。10年前にはVRゲームが流行るとか世間は騒いでいたが、このフルダイブ型のゲームが登場していこうVRゲームに熱心だったプロゲーマーや動画ゲーム配信者から一般のゲーマーもフルダイブゲームに移行していた。
いまでは、フルダイブ技術はゲームだけでなく、社会に応用しようとされていた。
そんな中、3年の時を得てぼくは、自分だけの完全なフルダイブゲームを完成させた。
自室の立体音響から体に熱や振動を起こし、物理的な効果だけでなくフルダイブ機器を頭から装着していることから脳波を直接脳に送ることに成功した。それによりゲーム内での感覚は強化され、現実と勘違いするほどのリアリティをゲーム中で感じることができるようになった。
いわゆる改造だ。あまり推進されていない行為だが、ゲーム機器の改造は昔からあるし、ぼくが中学生の時なんかはゲームのボスキャラをワンパンで倒せるような改造をしてしまい、ゲームがつまらなくなったのを覚えている。
そんな過度な改造はしない、丁度良い具合の改造だ。、むしろゲームを楽しく没入できるようにした。
昔であれば、例えばレースゲームはどんなに解像度が良くなってグラフィックが増しても、実際にその場でレースを味わうような経験はできなかった。それはそのはずで、自室でコントローラーを握って車を走らせても、空気抵抗もGも感じることはできない。
スポーツカーのハンドル切ったとしても重力は感じることはできない。すべては視力と聴覚とコントローラーを握っている若干の感触でゲームを楽しんでいた。
しかし、いまのフルダイブ技術をより自分好みに改造したことによって、いままでの五感に加え脳波に直接信号を送れることで、より実物に近く、いや本物となった。
そしてぼくは、この改造フルダイブ技術とくわえて、架空のゲーム世界を構築した。無論自分一人で成し遂げたのだ。そのゲーム世界は名図けるなら。天国ゲーム。なんでも自分の思いのままのゲーム世界だ。
なにをするにも、ゲーム内では、思いのまま、ファンタジー世界であれば、武器を超絶強化できるし、お金も増やし放題。だけれども、そんなゲームを作ったならではの、悩みがあった。それは、攻略も何もかも、これからゲーム内で起こりうるすべてのイベント要素がまるわかりだってことだ。そりゃそうだ自分で設計したゲームだ。これではゲームであっても楽しむことはできない。
そこで、ぼくは考えた、このゲームにローグライクゲームの要素を加えよう、ランダム要素をふんだんに加えよう。
そして天才である僕の技術によって、超絶ランダムなゲーム設定を人工知能とタッグで作ったのだ。
いまから、このゲーム世界に飛び込むのが楽しみだ。
この中に入れば、いま居る現実空間と時間差が狂い。ゲームをすればするほど感覚がずれてしまうのがあらかじめ予想できるのが欠点だが、それもしかたない。脳波を送ってよりリアリティを出すにはそれしかなかった。
では、我がゲームの世界い逝くとしようか。