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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ジョナサンが来ない

作者: 孤独

は?


「ご注文はされましたでしょうか?」


嘘のようでホントの話。うんうん、そんな偶然がある事だってあるけれど。偶然なんて言えるのは、よっぽどの生活をしていなきゃならんのですよ。


『おかしいじゃない!!』

「ですから、ご注文はされましたか?」

『何言ってるのか分からないのよ!!』


お客様がループに入ってしまって、もう訳分からん。

そーいう偶然だってあるが、来るには必然な事をしなければならない。どーいう電話だよって、こっちはメッチャ迷惑している。

電話できるだけ素晴らしいですねと、皮肉も言いてぇよ。


『どうして!隣に出前が来て、私の家には出前が来ないの!!』

「だから、なんの注文をされたんですか?」

『それをハッキリさせなさい!!仕事でしょ!!』

「これが仕事ですけど(あんたが答えないと、私達仕事にならないんですけど)」


◇        ◇


「あー、あいつは変な奴だよ。変ってレベルじゃなくて、精神をやっちゃってる」

「知ってる」


隣人……近所周辺が可哀想だろってレベル。配達員の木下もこのお客様の対応をされた事があるから、何言ってんだこいつは?って


「毎日が暇なんだよ。毎日がエブリデイ状態なんだ」

「近くの人達、よく住んでられるわ」


例えばの話だが、隣人にお荷物を届けに行ったら、自分の家にも荷物が届かなきゃオカシイという苦情を散々に入れてくるのだ。これは出前とかでもそうなのだ。

その度に、何を頼んだのかも分からないし、なんの電話ですか?ってこっちはありませんけどって言う答えを出すと、仕事ができてない、嘘だとか、何を言っているのか分からない。などと中傷的な発言ばっかりで、凄く嫌になる。


だが、木下は分かってる。


「文句言いたいだけで、病気を言い訳にしてるだけなんだよ」

「マジ」

「だって、家にいつもいるけど、決まった時にしかこーいうクレームを入れねぇもん」

「それって?」


病気はそりゃあ可哀想ですねーって思いもするけど、周りの足を引っ張るんじゃねぇし、そもそも元気じゃねぇかと言いたいものだ。

そんな木下が、以前に対応した話は


『私は昨日、役所にまでわざわざ言って、全員に訴えて来たのよ!!これほどの事をしてるのよ!!お前等みたいないい加減な事は言わないの!!毎日役所に行ってるのよ!!』

『え?昨日は11月23日、”勤労感謝の日”で、役所はやってないはずですけど?』

『揚げ足をとるなーー!!失礼な奴!!失礼失礼!!行きました行きました!!やってましたやってました!!』


この手のクレームは、相手方が祝日も理解されてないので、そこから始めなきゃいけないんですかって頭を抱えながら、テキトーに流す。

その上で


「こーいうクレームが来るのは、役所が休日になった時だけ来るからな。役所の人達はホントにすげー」



電話料金が高すぎるのよって言いながら、1時間くらい、こんな話をしてくるような連中だからな。

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