92話 二つ名
依頼を達成して街に帰ると、当然商業ギルドは大騒ぎになった。今回商業ギルドでは達成は無理と判断していたそうなので本当に驚かれた。ウィリアさんから聞いた今なら失敗確定の依頼を落ち目のバーダン商会に押し付けたんだろう。それで『探索』で赤かった二人は敵対商会のスパイだったって所か。取り合えず預かっていた地竜と水竜の死体を商業ギルドに置いてから、俺達は冒険者ギルドに戻って無事依頼達成した事を報告した。
「失敗するって思ってたのにマジで達成したのかよ、いや、その前にありがとうなギン。これで少しは冒険者ギルドの面子も立つってもんだ。やっぱりお前らに依頼して正解だったぜ」
毎回騙すような形で依頼を勧めてくるシャバラだが、こうやって毎回ちゃんとお礼は言うんだよな。しかも無茶な依頼はおススメして来ないし、ギルドの為にやってるのが分かるから俺もつい依頼を受けるからなあ。
「それじゃあ、報酬はウィリアさんからもう貰ってるから、また明日な。さすがに疲れたから、今日はもう宿に戻って寝るから」
「ああ、お疲れ」
久しぶりの野宿はきつかったので、報告を手短に終わらせると俺達は宿に戻り『自室』でゆっくり休んだ。・・・その日今回の立役者の俺達を商業、冒険者両ギルドが明け方まで探し回っていたと知ったのは、翌日シャバラの元に行ってからだった。
「頭痛え。気持ち悪い」
昨日家で依頼達成のお祝いって事で軽くパーティをした。メインはジェネラル肉のステーキでガルラとフィナの大好物だ。レイも疲れていたので作ったのはそれぐらいで後は俺の『影収納』の在庫から料理をいくつかだした。
そしてフィナ以外俺のワインをしこたま飲んだので今も寝ている。俺は何となく習慣で目が覚めたので二日酔いで気持ち悪いがギルドに足を運んでいる。
今日はフィナしかいないがやけに視線を感じるな。流石に1年もこの街にいるからガルラやフィナと歩いていても最近は視線を感じなくなったんだけど今日はおかしい。
「あ!お前ら!昨日どこにいやがった!明け方まで探し回ったぞ!今回の依頼の立役者ならきちんと報告しろ!」
不思議に思いながらもギルドに入ると、すぐにシャバラからでかい声で怒鳴られた。意味が分からない。昨日は報告して帰ったから怒られる事はないはずだ。
何か嫌な予感がするし、頭も痛いからやっぱり帰ろうと回れ右すると、目の前に『青の鎧』が出口を塞いでいた。
「おい、お前らどいてくれ。今日は頭痛えから帰って寝る」
「はっはっはっ。何言ってんだ?ようやく見つけたぜ、こちとら一晩中お前ら探して街中走り回されて疲れてんだよ。俺達をさっさと寝させろ」
クマソンが本当に疲れた様子で俺の肩に腕を回して文句を言ってくるので、俺も諦めて受付に座る。
「おう、ありがとな。お前らにポイント一つつけとくな!」
俺が受付に座るとシャバラがクマソン達にお礼と報酬を口にするが、街中にいる俺達を見つけるだけでDランクに1ポイントってどういう事だ?危険度ゼロだからかなり美味しい依頼だぞ
「ふう~。ギン、お前らのせいで俺含めて大概昨日から寝てねえからな。少し荒くなるかもしれねえが気にするな」
「いや、気にするだろ。何だよその脅し。俺達昨日ちゃんと依頼達成報告して帰ったよな?別に悪い事してないだろ?」
「悪い事はしてないな。ただ、説明が足りなさすぎるぞ!何で地竜をレイが、水竜をヒトミが一撃で倒したって報告しなかった!!!あの依頼達成できたのはお前らいたからだろうが!それで主役抜きで宴をしても盛り上がりに欠けるって、商業ギルドから矢のような催促があってこっちはお前ら探し回ってたんだぞ!!」
・・・・いや、そんな事言われても・・・俺はちゃんと報告はしたしシャバラも昨日は何も言わなかった・・・なんて目の下に隈をつけた奴には言えないな。
「ああ。悪かった。昨日はみんな疲れていたからぐっすりだった。今も俺とフィナ以外寝ているな」
今回は文句を言わずに素直に謝っておく。だって周りの奴等も夜中探し回ってたせいか殺気だって怖いんだもん。
「まあ、仕方ねえが依頼達成祝いは今日に変更になったからな。主役のレイとヒトミは必ず商業ギルドに16の鐘に連れて来いってよ。それよりも商業ギルドから報告があったが、レイが地竜を一撃で殴り殺したってのはホントか?」
「一撃じゃないな。まず『光壁』で気絶させてから殴って殺したな」
「それじゃあ、ヒトミが水竜を切り殺したってのは?」
「そっちは本当だな」
「やっぱり本当だよなあ。俺も2匹の死体を見たけどあんなに綺麗な死体は見た事ねえぞ。大人数で挑むから普通はもっと傷がついててもおかしくないってのに・・・こりゃあ本部に報告しないとな・・・ああ、そうだお前らウィリアの奴が探してたぞ。なんか地竜の舌を渡す約束してるとか言ってたな。あとでバーダン商会にも顔出しとけよ」
そうだった、地竜の舌を貰う約束してたのを忘れてた。このあと貰いに行って今日中に下処理しとくか。全員でやれば大丈夫だろ。ガルラもフィナも切る焼くはできるから戦力になるだろう。
「これは、これはギン様、ようこそお越しくださいました。そう言えば昨日はどちらへ?」
「いやあ、昨日はあの後みんな疲れていたから、宿に戻ってぐっすりでしたよ」
バーダン商会に着くと奥のすごい豪華な部屋に案内され、すぐにウィリアさんが出てきて昨日の事を聞かれる。これは商業ギルドの連中も俺達を探し回ってたんだろうな。別に俺達が悪い訳じゃないが、今日は色んな人から怒られる覚悟はしておこう。
「そうですか。それよりも伝言を聞いたかもしれませんが、本日16の鐘に商業ギルドにお越し下さい。ああ、あと、こちらが地竜の舌になります」
ウィリアさんが手を叩くと木箱に入れられた地竜の舌が運び込まれる。
「ちなみにこんなものどうなさるおつもりですか?」
木箱に入れられた地竜の舌を見ながら不思議そうにウィリアさんが尋ねてくる。
「ああ、食べるんですよ。前も食べた事ありますが結構美味しいですよ」
やっぱり竜タンは一般的じゃないのか食べると聞いた瞬間、一瞬だけウィリアさんが顔を顰めた。
「まあ、このあと宿に帰ってから下処理をするので夕方の祝いの席には出せますね。一度食べてみて下さいよ。結構評判良かったですよ」
「は、はい楽しみにしています」
ウィリアさんは全く嬉しくなさそうに答えるので、もしかしたら一度食べた事があるのか、誰かから味について聞いたのかもしれない。
「そうだ!ウィリアさん今って買取ってお願いできますか?」
「へ?・・ああ、はい。ギン様からなら高くで買い取りさせて頂きます」
おお、一瞬で商人の顔に変わった。まあ、そんなに仕事の顔しなくても俺は吹っ掛けるつもりはない。いつもの様に捨て値で売り払うだけだ。
「じゃあ、これの買取をお願いします」
そう言って、今まで溜め込んでいた野盗の宝を全て取り出す。・・・・さすがに多いな。数の多さに出した本人も驚いているし、流石のウィリアさんも驚きの顔で止まっている。フィナだけが特に気にした様子もなく葡萄を食べている。
「え~と、こんなに多くの宝は一体どこから・・・ああ!そう言えばギン様は『首渡し』だって話、アレ本当だったんですね。この街の奴隷商が捕まえた野盗だけしか売らないから、宝はどうしたのか不思議だったんですよ。これを見たら納得です。ですがこんなにたくさんありますと流石に現金が足りません、申し訳ございません」
あれから潰しても何度も湧いてくる野盗の処分は、約束通り奴隷商にお願いしているが、お金の方は困っていないので宝はずっと売り払わずに俺が持っていた。そういう訳で今ではこの街の奴隷商が有名になって、俺が『首渡し』という認識はかなり薄くなっている。
「それなら分割払いでどうですか?最初白金貨5枚で、お金が出来たら残りの白金貨5枚払ってもらうってのでどうでしょう」
「・・・はあ、それなら可能ですが・・・って!白金貨10枚?こんなにあるのに?」
ウィリアさん驚き過ぎて素が出てるな。確かに安く売っていると思うけど、特に使い道がなくて『影収納』の不動在庫にしかなってないからホントに要らないんだよな。貴金属も一杯あるけど、みんな野盗の宝だった奴なんて要らないって言って興味がない。
「ウィリアさんは『首渡し』の噂知ってますよね?」
「・・・!確か捨て値で売ってるって・・・本当だったんですね」
「ええ、だから白金貨10枚でいいですよ」
そこからはウィリアさんも納得してくれて後日白金貨5枚を受け取る事、今後も買い取ってくれる事を約束してくれた。これで野盗達は奴隷商人に、宝はバーダン商会に売るルートが出来た。不動在庫が処理できて足取り軽く宿に戻ってから、まだ寝ていた3人を起こして地竜の舌の下処理を行った。今回はレイが下処理をかなり念入りにしてくれたので前より美味いだろう。
そして約束通り16の鐘に商業ギルドに足を運ぶと宴が始まった。今日の主役二人は色んな奴等から勧誘を受けていたが丁重に断っていた。
ウィリアさんとの約束通り竜タンを振舞うと、最初は俺達日本人3人しか手を付けていなかったが、俺達が美味そうに食べていたので最初はガルラ、次にフィナが手をつけた。
そこから好奇心旺盛な商人達も手を付けだしてその美味しさに驚き、あっと言う間に竜タンは無くなってしまった。商人達に下処理の仕方を教えたからこれからは地竜の舌も価値があるものとして扱われるだろう。
そしてそれから2ヶ月が経った。
俺達がここウインドグラニカにずっと留まっている理由は一つ。恐らく火の国は今度はここ風の国に攻め込むと俺は予想しているからだ。本当か嘘か分からないが、この国には4人の勇者が召喚されたと噂で聞いた。火の国はまだ6人の勇者がいるので、数の有利なうちに何としても攻めたいはずだ。そして戦場になるのは水の国と同じように国境付近、戦争になれば見つからない金子達が絶対出てくると思うので、隙があれば何人か殺ろうと考えている。
「ほい、これで依頼完了な。じゃあな」
「ちょっと待て。お前らに少し話がある」
いつものように依頼をこなして立ち去ろうとするとシャバラから呼び止められた。いつものようにランクアップだろうなと、うんざりしながら椅子に腰かける。
「誰か、ギルマス呼んできてくれ。『カークスの底』が戻ってきた」
ランクアップの話じゃないのか?ギルマス呼ぶって相当だな・・・特に心当たりはないけど。
「ねえ、何かな?ギルマスが来るって事は大事だよね」
「そうね、またギンジかガルが何かしでかしたんじゃない?」
「何もした覚えはない。またレイド戦の話じゃないのか?」
「そんなに頻繁にレイド戦ないって話だよ。特に大きな魔物が現れたって話も聞いてないよ」
4人とも心当たりはないようだ。俺も無い。暫く待つと奥からギルマスが何やら紙を手に持ち歩いてくる。いつの間にか受付の奥にお立ち台みたいなものが用意されていてギルマスがその上に立った。
「全員注目!!」
隣のシャバラがギルド中に響く声で叫ぶと、騒いでいた冒険者達は何事かと静まり返る。
「全員嬉しい報せじゃ、この街にもついに二つ名持ちが誕生した。先日ギルド本部より正式に通達が来た」
ギルマスは見た目ヨボヨボのお爺ちゃんだが、不思議な事にその声は特別大きくないが、ギルド中に響き渡る。それを聞いた俺達含め冒険者達は再び騒ぎ出す。
「ねえ、二つ名ってすごいんでしょ?」
「そうだね、凄い事した人や国やギルドに貢献した人に与えられるって話だよ」
「ふむ。そうか、そんな凄い奴がこの街にいるのか、一度手合わせしてみたいな」
「う~ん。この街にそんな強い人いたかなあ?」
二つ名か、懐かしいな確かギワンが『怪力』、ドミルが『打壊』だったな。あいつら元気にしてるかな。筋肉達磨と髭モジャの懐かしい顔を思い浮かべて思い出に浸る。
「レイ!こっちへ!」
「は?・・・え?私?はあ・・・」
困惑しながらもレイはギルマスの所に向かう。そこで俺は気付いた。これってレイが二つ名貰うんじゃね?
「レイ!地竜を一撃で殴り殺したその功績を称え、ここ、ウインドグラニカの冒険者ギルド、商業ギルド連名で本部へ推薦した。そして本部より二つ名『撲殺』を与えられた。今後はこの二つ名を「嫌!!いらない!!」・・・・レイ?」
ギルマスの言葉をレイが突如遮ったので、ギルマス含め辺りがキョトンとしている。
「そんな二つ名いりません!だいたい『撲殺』って何ですか!全然可愛くないですよ!年頃の女子に何て二つ名考えるんですか!」
レイの言う事はもっともだけど、こっちじゃ二つ名は栄誉ある物らしいから多分断れないんじゃ。
「・・・・『殴り屋』の方がよかったのか?最終選考まで残ったらしいから、今なら変更できるかもしれん」
「それだと何も変わってないじゃないですか!殴る事から考えを離してください!」
「それならどんなのが良かったんじゃ?地竜討伐の功績だからその辺を考慮した物じゃないと駄目じゃぞ?」
「・・・・う~ん。『ピコピコハンマー』とか?」
「ピコ?・・ピ?・・・・・・・という訳でレイの二つ名は『撲殺』じゃ。みんな拍手!」
「いやあああああああああああ」
我儘をいうレイの言う事を無視してギルマスが強引にまとめてしまった。ギルド中に拍手が包まれる中レイの叫び声が虚しく消えていった。
「う・・う・・グス。女の子なのに・・・あの時しか叩いてないのに・・・グス」
二つ名をつけられたレイが泣きながらトボトボこっちに戻ってくる。泣く程嫌だとは思わなかった。あの時俺が殴ってみろなんて言ったからだよな。これは後で気付かれる前に先に謝っておいた方がいいか。
「ヒトミ!こっちへ!」
「ええ?私ですか?・・・何もしてないと思うんだけどな」
俺がレイに謝ろうとしたら、次はヒトミが呼ばれた。呼ばれたヒトミはさっきのレイと同じように困惑しながらギルマスの所に向かう。
「ヒトミ!水竜を一撃で切り裂いたその功績を称え、ここ、ウインドグラニカの冒険者ギルド、商業ギルド連名で本部へ推薦した。そして本部より二つ名『切り裂き』を与えられた。今後は「嫌です!!いりません!!」・・・・ヒトミ?」
・・・なんかついさっきも同じ光景を見た気が・・・デジャヴかな?
「その二つ名はイギリス人のジャックさんがもう持っていますから、私は遠慮しておきます」
「・・・いや、二つ名は被らないようにギルド本部で管理しているから、これはヒトミだけの、ヒトミを表す二つ名じゃよ」
「余計嫌です!私を表すって何ですか!『切り裂き』ヒトミ・・どう考えてもいじめです」
「・・・いじめとは?・・・・・・・という訳でヒトミの二つ名は『切り裂き』じゃ。みんな拍手!」
「いやあああああああああ」
面倒臭くなったのかギルマスは再び強引に話をまとめて、ギルドに拍手とヒトミの叫びが響き渡った。
「う・・グス・・・私日本人なのに・・・グス・・・イギリスなんて行った事ないのに・・・」
レイと同じように泣きながら戻ってきたヒトミだが、言ってる事が少しズレている。こっちも俺の責任だよな。さっさと謝ろうと思ったら、
「ギン!次はおまえじゃ!」
「は?俺?・・・」
何かしたかな?特に貢献した事はないけど、まあ、俺は変な渾名付けられるのには慣れてるから二つ名程度じゃへこたれないけどな。
「二つ名持ちが二人もパーティに所属している『カークスの底』。Dランクには相応しくないと本部の指示により今日より全員点付きとしてCランクにランクアップとする」
「はあ?嫌だ!断る!」
ランクアップがあれ程嫌だって言ってたのに、何で勝手にランクアップさせるんだよ。ギルマスの言葉にムカつきながらも当然辞退する。
「・・・またか・・何故お前らはこうも栄誉ある二つ名や点付きを断るのじゃ」
俺が断ると呆れた風にギルマスが文句を言ってくる。
「Cになると貴族との関わりが増えるって聞くからな。貴族とは関わりたくないし、義務とか発生するのが嫌なんだよ!」
「お前らは点付きになるから義務は発生しない。そこは心配しなくてもよい」
「貴族は?貴族はどうなるんだ?関わってこないよな?」
「『カークスの底』!今日よりCランクの点付きとする!みんな拍手!」
「おい、聞けよジジイ!貴族はどうなんだよおおおおお!」
俺の質問を無視して強引に話をまとめたギルマスはすぐに奥に引っ込んでいった。俺は全てが手遅れだと悟りトボトボみんなの所に帰っていく。
「すげえ、二つ名だってよ」、「この国でも4人ぐらいじゃなかったか」、「なんでこんな栄誉をあいつら断ってたんだ」、「やっぱりあのパーティおかしいぞ」
ギルマスも消えて職員も通常業務に戻って行く中、ギルド中で俺達について囁かれている。
「よお、おめでとうって言っていいのか?」
落ち込む俺達にクマソンが酒を片手にやって来た。
「やめろ!何もめでたくねえ」
「それならもう言わねえけどよ。お前らすぐに帰るなよ。今日の主役はお前らだからな。せめて鐘1つはここに残ってろよ」
もうすでに家に帰ってふて寝する気満々なのにクマソンが容赦ない事を言ってくる。まあレイの様子からご飯作る元気もなさそうだし、今日はここで飯食べるか
「キャハハハハ!」
「「「はあ~」」」
フィナが楽しそうな声を上げている中、召喚組3人は海辺に座りさっきから溜め息ばっかりついている。あれからギルドで食事をした後、無性に地平線が見たくなったので鐘1つ移動して海までやってきた。ガルラとフィナは海を見るのは初めてらしく、さっきから楽しんでいる。
「ねえ、アレって獣人特有の遊び?」
「・・・違うと思う」
空を飛んでいるフィナを眺めながらレイが質問し、ヒトミが答えているが、二人とも遠い目をしている。
さっきからガルラは丸まったフィナを思いっきりぶん投げている。投げられたフィナは楽しそうな声を上げながら回転や捻りを入れながらも器用に着地して、再びガルラの元に戻っては投げられるを繰り返している。フィナは遊んでもらっていると思っているが、ガルラは如何にフィナを遠くまで投げれるかフォームを確認しているので遊んでいる認識は無いだろう。
「はあ~、いつまでもここにいても仕方ないか。もう部屋に帰って風呂入って寝よう」
俺もようやく落ち着いてきたので二人を促して『自室』に戻る。少しフィナが不満そうな顔をしていたが、我慢してもらった。
こうして半ば諦めつつも仕方がないかと思っていたが、二つ名と点付きが世界中の冒険者ギルドに『お知らせ』として張り出される事を俺は知らなかった。




