表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影魔法使いの冒険者  作者: 日没です
5章 風の国境都市のDランク冒険者
92/163

89話 獣人二人と『自室』

宿の店主に銀貨1枚渡して静かにさせた後、宿の部屋に入るが、当然誰もいない。


「主殿、誰もいないのだが?彼女がいるという話は嘘だったのか?それとも外出中か?」


少し探るような感じでガルラが聞いてくるのは、彼女が部屋にいないから疑っているんだろう。


「彼女達なら部屋にいるぞ。・・・さて、ガルラまずは俺らの秘密1だ。今から見る事は誰にも言うなよ」

「分かっている。ガルフォード様に誓ったからな。そんなに心配なら命令すればいいではないか。隷属の首輪がついていればそれぐらい出来るだろう」

「奴隷なんて慣れていないからな、あんまり命令で言う事聞かせるってしたくないんだよ。って事で『自室』」


「「・・・・・・」」


突然、目の前に扉が現れたら言葉が出ないよな。取り合えず黙る二人を放置して扉を開ける。


「ただいま~。・・・あっ!二人ともここで靴・・・履いてなかったか。こりゃあ先に足洗ってからだな。二人ともホントならここで靴脱いでから部屋に入るからな」


「「おかえり~」」


2人に説明していると、後ろから声がする。・・・・振り向くと髪を上げて顔に白いパックをつけてる彼女達。肌の手入れをしているのはいいけど、何故自分の部屋じゃなくて俺の部屋から出てくる?まあ、いいんだけど。


「ま、魔物?主殿!フィナ!下がれ!」


2人の顔を見るなりガルラが警告して、俺達を庇うように前に出て構えをとる。パックを知らないから無理はないけど、魔物扱いは酷いな。


「ガルラ、大丈夫だ、落ち着け。あれが俺の彼女達だ」

「むう。あれがそうなのか?」


「きゃああああ」、「な、何それえええ」


ガルラに説明していると、二人が歓声を上げながらこっちに駆け寄ってくる。


「・・・ヒィ」


パックをつけた二人が近づいてきたので、フィナは軽く悲鳴を上げて俺に顔を埋めるように抱き着いてきた。・・・おお、尻尾がすごい膨らんでる。


「「か、かわいい!!」」

「どうしたのこの子?」、「ええ、何!この耳!尻尾!」


2人は遠慮なくフィナの尻尾と耳をモフモフしながら質問してくる。ガルラも二人の様子に安心したのか、呆れたようにこっちを眺めている。


「俺が買ってきた獣人だ。こっちがガルラ、こっちがガルフィナだ」

「私は大野怜でこっちが田中瞳よ。レイとヒトミでいいわよ。宜しくね」


挨拶すると、すぐにガルフィナに夢中の二人に少し呆れてしまうがガルラも怒ってる様子じゃないので、大丈夫だろうけど少しだけフォローしておく。


「ガルラ、挨拶もしっかりしないで悪いな。二人が落ち着いてからもう一度ちゃんと挨拶させるよ」

「い、いや、別に気にはしていないが、いくつか聞きたい事がある。まずは主殿もそうだが、二人も獣人の私達に対して普通に接してくれてるのは何でだ?あと、二人とも家名持ちと言う事は貴族になるのか?」


ああ、しまった。今度から二人には名前だけ名乗るように言っておかないと、まあ、ガルラには全て話すつもりだからいいけど。


「ねえ、ギンジ。ちょっとガルラさんの髪の毛触らせてもらっていいかな?」


説明しようとした所でレイが話に割って入って来た。レイって結構髪に拘りがあるっぽいから獣人の髪が気になったのかな。


「??」

「ああ、別に構わないが・・・あと私に『さん』はいらない。ガルラでいい」


俺もガルラも良く分かっていないが、ガルラの許可が出たのでレイはガルラの髪を触ると、すぐに顔を顰める。


「二人とも髪の毛すごいゴワゴワじゃない。後少し臭う。まずは二人ともお風呂だね、ギンジは部屋で待ってて!覗いちゃ駄目よ」


先に足を洗わせるつもりだったからいいけど、レイもヒトミも服を脱ぎ始めているから4人で入るんだろうか?フィナは小さいって言っても流石に4人で風呂は狭いだろと思ったが特に何も言わずに言われた通り部屋で大人しく待つ。




バーン!!!


しばらく待っていると風呂の扉が大きく開く音がした。ガルラかフィナのどっちかだろう。扉が壊れるからゆっくり開け閉めするように後で注意しておこう。


「あ、あ、あ、主殿!手が、私の手が・・・いや、それよりも3人とも勇者ってホントなのか!」

「・・・ブッ!ガルラお前裸!服着ろ!」


慌ててガルラに背を向けて注意をする。


「私の裸など、どうでもいい!質問に答えろ!勇者というのは本当か!」


・・・どうでもいいって。


「本当だ。詳しい話は風呂あがってからな」

「ガル~。戻っておいで~」

「ガルちゃん、風邪ひいちゃうよ~」


風呂場から彼女達の呼ぶ声がするが、俺の背筋が凍るのは何故だろう。頭に警報が鳴っている感覚があるのはどうしてだろう。




「主殿、すまない」


風呂からあがり俺に謝ってくるガルラ。


「ガルが謝る事ないわよ。ギンジが悪いんだから」

「そうだよ、ガルちゃん悪くないよ。ガルちゃんとフィナちゃんの裸見たギンジ君が一番悪いんだからね」


ガルラは自分で風呂から飛び出してきたからだし、奴隷商の所では仕方なかったんだと言ってやりたいが、見てしまった事に変わりはないし、二人が怖いので何も言わない。二人から怒られたけど、これで済ましてくれるなら我慢しよう。


4人で裸の付き合いをしたからだろうか、いつの間にか仲良くなってるし、愛称で呼ばれるようになってる。まだフィナの方は緊張している感じだけどすぐに打ち解けるだろう。そして今はレイはガルラ、ヒトミはフィナの髪を梳かしている。


「う~ん。やっぱりはねるな~。フィナの方はどう?」

「う~ん。こっちもはねるね~。困ったな~」

「獣人は癖毛だからな。これでもかなりマシになったぞ」


困っている二人にガルラがフォローを入れる。ガルラの言う通り二人はかなりマシになった。灰色だと思っていたガルラの髪は今は光沢を帯びて銀色に見える。フィナも茶色だと思っていた髪が、今は金色に輝いている。

二人とも綺麗な髪なのに何で今まで『洗浄』できれいにしてこなかったのか話を聞くとガルラは『生活魔法』が使えない、というかフィナが言うには覚える気がないらしい。フィナはキレイにしていると他の奴隷から更に酷い扱いを受ける為に使っていなかったそうだ。


「それで!3人が勇者という話だ!ホントだと言ったな?」


そう言ってガルラが凄んでくるが、後ろでレイがドライヤーで髪を乾かしているので全く怖くない。


「ああ、言っただろ。俺達3人召喚された勇者だ。内緒だぞ」

「な、内緒って・・・」


呆れるガルラに詳しく説明をするが、その後ろでレイにされるがままで髪をいじられている。そっちは気にならないんだろうか?


「・・・ふう~。どうやら私達はとんでもない人の奴隷になったみたいだな・・・失った私の腕が再び元に戻ったり、目の前で伝説の影魔法をみせてもらったんだ、信じられないが信じないと、これは駄目だろうな」


そう言うガルラの肘から先が無かった右腕が元に戻っていた。レイが『上級治癒』(ハイヒール)使った結果らしい。上級ポーションでは斬り落とされた箇所を合わせながらでないと元に戻らないって聞いたのに、『上級治癒』は無くても元に戻るみたいだ。レイに聞いたら再生しているから斬り落とされた先は必要無いと言っていた。ただ、力無くアハハと笑いながら言っていたのは、毎日うなされている事が関係しているんだろう。金子達への怒りが更に増した。



「ああ、そう言えば言ってなかったけど、二人とも奴隷として扱う気は無いからな。パーティメンバーとして扱うつもりだから、意見があれば遠慮なく言ってくれ」

「主殿、気持ちは嬉しいがこの首輪がある限りそういう扱いは目立って主達が困るぞ」

「それなら・・・ほら取れたぞ。これでいいか?」


2人の首輪を影で回収するとガルラが慌てだす。


「・・な!!主殿!これは駄目だ。特に私は犯罪奴隷だから許可なく首輪を外すと主殿まで罰せられるぞ。早く戻せ」


ガルラに言われて渋々首輪を元に戻す。そうか、この方法なら犯罪奴隷になってもすぐに解放できるから、罪の重さ関係なくなっちゃうな。獣人なんて奴隷しかいないから首輪無いと逆に不自然になるのかな。


「フィナはどうする?もう金払い終わったって事して解放すればいいか?」

「できればフィナもまだ首輪をつけておいて欲しい。首輪があると主殿の所有物となり、どこも買い取ってくれないはずだから誘拐される可能性が低くなる」


そう言われると、付けておいた方がいいかと考え、フィナにも再び首輪を装着させる。あとは誘拐で思い出したけど、何かあった時の為に『念話』を接続しておこう。


2人に『念話』を接続して使い方を軽くレクチャーした所で、昼飯を食べる事にする。昼飯後はガルラ達の服と装備を買いに行く予定だ。


「「「いただきます」」」

「「・・・・」」


レイが作ってくれた料理を3人で食べ出すが、何故かガルラとフィナが手をつける様子がない。


「ガル?フィナ?もしかしてこの料理嫌い?・・・って感じじゃなさそうよね」


作った本人が不思議そうに聞くが、レイが言う通りフィナは口からよだれを垂らしているので嫌いって訳ではなさそうだ。新たに仲間になった二人の為に今日ジェネラル肉のステーキなんだけど。


「奴隷は主人の食事が終わってからだ」


理由はとんでもなくどうでもいい事だった。二人には一緒に食べるように言うと、今度は食器を床に置いて食べるという意味不明な行動をする。こちらも奴隷は主人と同じ食卓を囲む事はあり得ないというどうでもいい理由だったので、これもやめさせて普通に一緒にご飯を食べさせた。・・・意外に奴隷と暮らすのは大変かもしれない。


「美味しかったです」


感想を聞かれたフィナが答えるとレイが嬉しそうに頭を撫でている。ガルラはその様子を何か言いたそうに見ているが、結局口にはしなかった。大方奴隷に対してレイの態度が気安すぎるとかどうでもいい理由だろう。


「よし、それじゃあ、次は二人の服と装備買いに行くぞ、ガルラとフィナは何か希望とかあるか?」

「服は丈夫で動きやすければ何でもいい。装備についてはこん棒だな、刃の向きとか力入れる方向とかを考えないといけない武器は嫌いだ」


・・・俺は片手剣使ってるけど、そこまで考えるもんかな。あんまり気にした事なかったけど。


「ああ、あと解体用のナイフが欲しい。フィナには短剣を買ってもらえると助かる」

「ええ?駄目よガル、フィナは戦いに参加させないわよ」

「そうよ。フィナちゃんまだ小さいから戦いなんて無理よ」


ガルラの提案に二人が猛反発する。フィナは今11歳で成人していないから俺も戦わせるつもりはない。


「さすがに小さいフィナを戦わせる訳ないだろう。護身用だよなあ」

「何故だ?フィナはゴブリンぐらいなら一人で巣を潰せるぞ。それに村が襲われた時に何人か殺しているから人相手でも躊躇う事はない。二人の護衛として少しは役に立つと思うぞ」


ガルラがとんでも無い事を言い出した。こんな小さいフィナがそんな事出来る訳ない、ガルラの冗談だろ。


「はい。10歳になった時に20匹ぐらいの巣を壊滅させました。ホントは12歳になってからだけど、ファル兄が弱すぎるから、早く後継者を育てないといけないって早く始めました。あと、村が襲われた時に敵を2人殺しました。その後は負けて捕まっちゃいましたけど」


「「「・・・・・」」」


俺もレイもヒトミも驚きすぎて言葉が出てこない。こんな子供が・・・獣人ヤベえな。もしかして獣人ってこんなものなのか?ガルラの強さって当たり前なのか?


「いくつか聞きたいけど、獣人の中だとガルラってどのくらい強いんだ?」

「ふん。自慢じゃないが村の中では私に力で勝てる奴はいなかったな。他の村の奴とも何度か戦った事があるが、力勝負で負けた事はないな」


お~け~。やっぱりガルラは強い方なんだな。ガルラ並みのがゴロゴロしてたら人族なんて速攻で滅ぼされるぞ。・・・・あれ?でも?


「そんなに強いならガルラは何で捕まったんだ?」

「子供を人質にされた。さすがに5人同時に助けるのは無理だと判断した」


それなら納得だ。ガルラはフィナに対しては優しい顔するもんな。意外に子供には甘いのかもしれない。


「もう一つ、フィナが後継者がどうとか言っていたけど、どういう意味だ?」

「私のお父さん村長なんです。ホントならファル兄が跡を継いで村長になるんですけど、弱すぎて見限られちゃったから私が次期村長として育てられていました」


何とフィナはお偉いさんだったみたいだ。


「あれ?でもガルラの事、『お姉ちゃん』って言ってたのは?」

「それは昔から知っていたし、お姉ちゃんはファル兄と結婚する事が決まっていますから将来は私の義姉になるからです」


ああ、ガルラが言ってた婚約者ってフィナの兄貴なんだ。もし捕まっているの見つけたらすぐに解放してあげよう。



◇◇◇

「ホントにこんなのでいいのか?」

「構わん。むしろ気に入った」


買い物を済ませて宿に戻る途中、何度もガルラに確認すると、これまた同じ答えが返ってくる。


飯を食べた後は、5人でゾロゾロとこの間の服屋に服を買いに行った。ガルラもフィナも速攻で自分の服を決めたので、時間はかからなかった。見た目よりも動きやすさ重視の服だったのでレイとヒトミは選び直そうとしたのだが、「奴隷が可愛い服なんて着てると目立つ」というガルラの一言で渋々引き下がった。


服を選び終わった後は装備を見に行ったのだが、防具は動きを阻害して邪魔になると言って二人とも武器しか選ばなかった。ガルラは希望通りこん棒と解体用のナイフ、フィナには短剣を買ってあげた。ナイフと短剣は特に特徴がないが、ガルラのメイン武器のこん棒は昔話の鬼が持っているような棘付きの鋼のこん棒だ。本当にこんなのでいいか何度も確認するが、ガルラの答えは変わらなかった。そして帰りにキングサイズとシングルの布団を1組ずつ購入した。


「二人とも今から俺の手を握って頭の中で自分の部屋を思い出してくれ」


宿に戻って『自室』に入る前にガルラとフィナの部屋も出してやろうと考えて、二人に手を伸ばす。良く分かっていない二人だが言われた通り俺の手を繋いで目を瞑って考えてくれている。


「よ~し、ちゃんとイメージしろよ。行くぞ『自室』」

「・・・くっ!!」

「・・・ふあああ!」


俺が扉を呼び出すとガルラは辛そうな声を出しながらも何とか立ったままだったが、フィナはレイ達と同じような奇声を上げると床に座り込んだ。これなら成功しているだろう。扉を開けて中を確認すると、思った通り扉が二つ増えていた。


「主殿。今のは何だ?・・・・なっ!!!」


少し怒り気味に俺に詰め寄ってくるガルラに部屋の中を見せると、驚いた声を上げる。


「こ、これは、私の・・・こっちは村長の家の扉だ・・・」

「え?何で?・・・私のお家・・・」

「まずはガルラの部屋から見てみるか?俺らも入っていいか?」


一応ガルラから許可を貰いガルラの部屋にお邪魔する。ガルラの部屋は木の骨組みが丸見えで屋根は大きな葉っぱを利用して壁や屋根が作られている。土が丸見えの床には何かの獣か毛皮がいくつか敷かれていて、壁にも毛皮が何枚も飾られている。かなり大きな竪穴式住居みたいなつくりだけどガルラの部屋にしてはかなり広い。ガルラもお偉いさんなのかな。


「完全に私の家じゃないか・・・これは一体」

「ホントにお姉ちゃんの家だ。何で?」

「驚いたか?これが俺のスキル『自室』だ。俺でも何でこういう事が出来るのか分かってないから説明できないぞ。それにしてもガルラの部屋広いな。フィナと同じでガルラの親も村で偉い人だったのか?」

「いや、父はただの猟師だし、別に広くはないぞ。このぐらいの大きさが一般家庭の家だ。まあ、フィナの家は来客があるから普通の家の倍ぐらいの広さになっている。見に行くか」

「・・・・・」


そう言ってガルラは自分の家から出るとすぐに隣のフィナの家の扉を開けて入っていく。俺はその言葉に何か違和感を覚えたので、この違和感の原因が何か考える。


「ほら、主殿。フィナの家は広いだろ。あの辺りが来客の寝床だ」


確かにガルラの言う通り、フィナの家はガルラの家の倍ぐらいあった。そして来客の寝床をガルラが教えてくれた所で、俺は違和感が何かに気付いてしまった。一度扉から頭を出して自分の部屋をもう一度確認する。普通に玄関、台所、風呂、トイレのついた6畳1kだ。


「・・・フィ、フィナの部屋は・・・ど、どこになるんだ?」

「あの毛皮の上が私のスペースになります」


指差された毛皮の上には手作りっぽい人形や小っちゃい毛皮が置かれている。フィナの答えに俺の違和感が何かようやく理解した。


「みんな、一度部屋から出てくれ」

「?部屋ってフィナちゃんの部屋って事?」

「いや、宿までだ」


不思議そうにしつつもみんな俺の言う事に従って宿まで戻ってくれたので、今から俺の考えが正しいか実験だ。俺は頭の中に家を思い浮かべる。姉貴が生まれてすぐに建てたって言ってたから俺は生まれた時から住んでいた家だ。一人暮らし始めてまだ1年も離れていないから隅々まで簡単に思い出せる。そしてしっかりイメージできた。


「『自室』・・・やっぱりか」


目の前に久しぶりだけど見慣れた扉が現れた。


「え?これ扉違うよね」

「これって普通の家の扉よね。マンションの扉じゃないわよ」


レイとヒトミが驚いているが、早く中を確認したいので二人に返事をせずに家の中に入る。


・・・やっぱり俺の家だ。


一つ一つ部屋を確認していく。何もおかしい所はない。本当に俺の家だ。2階の俺の部屋も全くおかしな所がない。


2階の部屋も全て見回り階段を降りると玄関でみんな待っていた。


「ねえ、ギンジ、この家って・・・もしかして・・・」

「ああ、俺の実家だ。自分の部屋を呼び出すと勘違いしていたこの『自室』ってスキル、イメージがしっかりしてれば家も出てくるらしい」


それからレイとヒトミが「私達の家も!」って事で何度も『自室』を使わされたが、最終的に二人の家も出せる事が出来たので、二人とも大満足だ。特にレイは金持ちらしく、家が広かった。お風呂も3人で浸かっても手足を伸ばせるぐらい大きかったので俺も大満足だ。


そうして更なる安全地帯を確保した俺達はこの街で訓練をしたり依頼をこなしていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ