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影魔法使いの冒険者  作者: 日没です
4章 水都のEランク冒険者
73/163

71話 ダルクからの呼び出し

感想、誤字報告、評価いつもありがとうございます。

「ギン、ダルクさんから呼び出し来てるよ」


3人がギルドに入れるようになってから1週間は経過しただろうか。いつものように依頼を終わらせて納品に行くと、リマから呼び出しがあった事を伝えられる。ダルクさんはドアールに行っていたはずだけどもう戻ってきたんだろうか。ただ、ダルクさんと正面から会うと『首渡し』の正体が俺だとバレるかもしれないから、遠慮したいんだけど・・・ギルド経由で呼び出されてるからもう遅いか。



「いやあ、呼び出してしまい申し訳ありません。昨日ドアールから戻ってきたんですが、ギンさんは依頼で不在だと聞いたので、ギルド経由で伝言をお願いしましたよ」


俺が商業ギルドに来てダルクさんからの伝言を受付に伝えると、すぐに俺の前に姿を見せたダルクさん。この人、ギルドで暇なのかな?


呼び出した理由は食事でもしながら、というダルクさんに連れられて普通の酒場に入り酒と食事を注文する。・・・何人か俺達の後をつけて店に入って来た奴等もいるが、ダルクさんは気付いているんだろうか。


「それではお疲れ様です」


ビールが届くと乾杯をして二人で飲み始める、そしてダルクさんが俺を呼び出した理由を話してくれた。


「ほら、ギンさんにドアール街の様子見てきて欲しいって依頼されたじゃないですか。その報告ですよ」


言われてそんな事もお願いしていた事も思い出したし、その報告はかなり興味がある。


「ドアールの街なんですが、今あの街は冒険者、商人、町人問わず下水探索に熱を入れてましたよ」

「・・・・・はっ?」


何でだ?俺の知ってるドアールとダルクさんの行ったドアールは違う街なのかな?そもそも下水なんて好き好んで入る所じゃないぞ。臭いがしなくなったとか、領主が金出して掃除を始めたとかかな?


「何でも、年に1回の下水の大鼠掃除の時に隠し部屋らしきものがいくつか見つかったらしいんですよ。ただ新人みたいに初めて下水に入った人達だと隠し部屋だと気付かれないぐらいの細工はしてあったみたいです。それでそんな細工をする理由なんて中に貴重な物があったに違いないとみんな考えて、そこからドアールの街で下水探索がブームになったようです。ただ私が街を離れるまでに新しい隠し部屋が見つかったって話は聞きませんでしたけど」

「・・・・プ、ククク、アハハハ!」


ダルクさんの話が面白すぎて思わず大声で笑ってしまった。まさかこんな所で師匠達の仕込んだネタが発覚すると思ってなかった。しかも師匠達と隅々まで下水を探したから隠し部屋はもう無いのに、一生懸命探しているなんて面白すぎる。師匠とギースさんもこの場にいたら大笑いするだろう。


「ギンさん?」

「アハハ!・・・はぁはぁ。すみません。あいつら何やってんだと思ったら面白くて。ホントにあの街は面白いな」

「そうですね。あの街は特に冒険者が面白くなっていますよ。ランク関係なく暇な冒険者同士で訓練やっていたり、先輩冒険者が新人に色々アドバイスしたりと、あの街の冒険者全体のレベルが上がってきていますね」


へえ~。訓練については俺が離れる前からそんな感じだったけど、新人にちゃんとアドバイスしてくれるようになったんだ。


「それでギンさんから頼まれていた件ですが、『鉄扇』も『赤盾』も元気でしたよ。この二つが新人によく目をかけているみたいです。そうそう、ギンさんの『採取野郎』って都での渾名はドアールの街でも知られているみたいで、「また変な渾名付けられてる」ってみんな笑っていましたよ」


・・・・あいつら、好きでつけられたんじゃねえよ。しかし何でドアールまで広まってるんだよ。


「あと孤児院にも行ってきました。ガジという少年からはみんな元気にしている『鉄扇』も約束守ってくれているから心配しないでと言っていました」


そうか、みんな元気か。まだ俺が街を離れてから2ヶ月ぐらいだもんな。そこまで心配する事もないか。ウィート達もちゃんと約束守ってくれてるみたいだし、安心した。


「あと、これは色んな方から伝えておくように言われたんですけど、『猫宿2代目女将は頑張ってるぞ、お前も頑張れよ』だそうです」


・・・


そうか。後を継ぐってのは俺を断る為の噓じゃなかったんだな。エレナも頑張ってるなら、俺も負けてられないな。取り合えずDランクにさっさと上がるか。その後もダルクさんと酒を飲みながらドアールの話を聞いていただけなので、気付くと俺達の後をつけて来ていた奴等はいなくなっていた。




「どうもダルクさん。先程はご馳走さまでした」


日が暮れた後、ダルクさんの店にこの間と同じように『影移動』で侵入して、帳簿を付けているダルクさんに声を掛ける。酒場を出る時に店に行くと言っていたので、前みたいにダルクさんは驚く事はなかったが、若干呆れた表情をしている。


「ほんとにどんなスキルで入り込んできてるんですか?これでも防犯対策は徹底しているはずなんですが・・・それはそうと約束を破って接触してすみませんでした。見張っている連中を攪乱する為でしたのでお許し下さい」


聞けばドアールから戻ってきたら見張りの数がかなり増えていたらしい。それで怪しまれている俺と敢えて接触して他愛の無い会話を盗み聞きさせる事で俺が本当に『首渡し』なのか?と疑問を持たせる作戦だったらしい。実際さっきも盗み聞きされていたけど、いつの間にかほとんどいなくなっていたからな。まあ、こんな時間でも外には見張りが5人ぐらいいたけど。


そう言う事ならと納得して本題に入る。


「ダルクさん、また買取をお願いしたいんですが、今度は捕まってる人がいなかったので首も持って行って欲しいんですけど大丈夫ですか?」

「・・・ま、またですか?今回ドアールで結構な売り上げになったので、これでギンさんにお金をお支払いできると思っていたんですが、そうですか・・・まあ、首も含めて取り合えず見せて下さい」


少し疲れたように言うダルクさんを見ると申し訳なくなってしまうな。でも、ダルクさんにもかなりの利益が出てると思うから我慢してもらおう。そう考えなおしてこの間の野盗の宝と首を取り出していく。


「こ、これは!・・まさか!」


全てを取り出して確認して貰っていた所、とある1本の剣を手に驚いた顔をするダルクさん。そして、野盗の首を確認していくと一人の首の所で視線が止まる。何か掘り出し物なのだろうか?剣の柄と鞘に変な紋章みたいなマークが入っていて宝石とかが沢山散りばめられてすごい装飾が派手な剣だ。流石にこんなの実践で振り回してたら柄の装飾が邪魔過ぎるので儀礼用の剣だと思う。


「ギンさん。申し訳ないですが、今回は買取を遠慮させて下さい」


ダルクさんから想像もしていなかった言葉が返ってきて驚く。驚くが多分、ダルクさんが手に持っている剣が原因なんだろう。すごい嫌な予感がする。


「この剣の紋章なのですが、これはアクアフォース伯爵家の物になります。そして、この野盗ですが元々伯爵家に雇われていた者だったんですが、あろう事かこの伯爵家の宝剣を盗んで賞金が懸けられています。本来であればこの剣は野盗を討伐したギンさんの物なのですが、これを私が買い取って売るとなると、必ず伯爵家が介入してきます。しかもこの伯爵家、典型的な貴族でしてあまり評判が良くないんですよ。そんな家の宝剣を売っているなんて知られたら確実に身に覚えのない罪を着せられます。そういった理由で今回の買取は遠慮させて下さい」


申し訳なさそうに言うダルクさんだが理由は分かったので納得できる。俺も師匠から貴族には関わるなって言われているもんな。しかもダルクさんが言うにはこの伯爵家は多分俺がラノベとかで知ってる典型的なクソ貴族だ。関わらない方がいいか。でも売れないとなってずっと持ってるのも嫌だな。どうにかできないかな。


「ダルクさん。話は分かりましたけど、この剣以外は買い取って貰えない理由は何故でしょう」

「ギンさんには申し訳ないですが、万が一の為です。この野盗が他にも伯爵家から盗んだ物があるかもと考えると、流石に手を出せません」


まあ、そうだよな。危ない橋は渡れないよな。でもそうすると、どうしようか困ったな。


「ダルクさん、全部どこかに捨てるのも勿体ないですし何かいい方法はありませんか?」


しばらく悩んだダルクさんが顔をあげていくつか案を教えてくれた。


「そうですね。まずは普通の店や商業ギルドで売る正規ルートですが、あまりお勧めしません。先程話した通り、この剣以外にも伯爵家からの盗品が入っている可能性もあるので下手に売ると伯爵家に知られてしまいます。次は裏ルートに流す方法があります。裏ルートと言ってもさすがにこの国では買い取って貰えないので他の国まで行ってから裏ルートに売る事になります。」


そうすると、正規ルートは無理で裏ルートしかないけど、他の国に行かないといけないってのが面倒くさいな。


「そして最後がここの冒険者ギルドに売る方法です。不思議に思うかもしれませんが、ここの冒険者ギルドのギルドマスターは伯爵の地位を国から与えられていますので、貴族からギルドへの無理難題は大抵突っぱねる事が出来る人です。ですので、ギンさんが隠れてギルドマスターに相談出来れば、アクアフォース家にバレる可能性は低いです。ただし、この場合ギルマスにはギンさんが『首渡し』だと確実にバレてしまうと思います。あと、ギンさんとギルマスを繋いだ職員もその場にいますので、その方にもバレる可能性が高いです」


そう言われていくつか疑問が浮かぶ。


「ダルクさん、商業ギルドだと駄目な理由って何ですか?あとギルマスに『首渡し』の正体がバレると他に広まる可能性ってありますか?」


「商業ギルドは元々情報屋が見張っていますからね。あとウチのギルマスは貴族の要求を断れる程地位も権力もありません。そちらのギルマスは口が堅い事で有名ですから安心していいと思います。それよりも職員から漏れる事を心配した方がいいですよ」


そうか、確かに師匠とワイン売りに行った時は商業ギルドの外は見張られていたな。そして師匠がワイン売ったって情報も漏れていたからあんまり信用できないか。そうすると冒険者ギルドのギルマスだけど、こっちは口が堅いなら問題ないな。ダルクさんは職員を心配しているみたいだけど、リマとクオンはもう知っているから問題ないな。


「分かりました。色々情報ありがとうございます。今回はギルドに売る事にします」


そう言うと何か言いたそうなダルクさんだったが、結局何も言わずに今まで待っていた白金貨を支払ってくれたので、俺もダルクさんの店を後にした。今日はもう遅いから明日リマの家に行って色々説明して協力してもらおう。


翌日、受付にいるリマに夕方家に行くと伝えた後は、暇になったのでどうしようか考えている所にトマス達が昨日集めた素材の納品に来たので、今日はこいつらに付いて行く事にする。


「それで何に手古摺ってるんだ?」

「ラチナの実ッス!まだ3人で10個しか見つかってないッス。アニキがいないと全然見つからないッス」


いつものように答えてくるベースと他2人も最初の頃のやつれた様子はなくなった。


「それじゃあ、夕方まで暇だから俺も手伝うよ。取り合えず南から行くか」


3人を連れて『探索』で反応が多い南に向かった。


「ほら、あの辺多分あるぞ」


『探索』でラチナの実を見つけて、トマス達に拾いに行かせる。これで今日10個目か。残りは今日中には無理そうだ。


「マジで、アニキがいるとポンポン見つかるな。ホントどんだけ勘が鋭いんですか?」

「俺は小さい頃から狩に連れて行って貰ってたからな。何となく分かるんだよ」


トマスの疑問に師匠が考えた嘘の俺の設定を答えて納得させる。そして本日15個目を拾ってそろそろ昼飯でもって所でマップに反応があった。魔物が4匹かなりの速さでこっちに向かってくる。


「お前ら!敵だ!気を付けろ!」


ラチナの実を探している3人に注意すると、すぐに集合して武器を手に周囲を警戒する。各役割についてFランクになるまで考えておけと言っているが、今の3人の装備は全員片手剣に盾装備で役割分担はしていない。新人クエストならこれでも大丈夫だと思っている。そうして襲ってきたのは俺のトラウマ灰狼が4匹だった。一人なら厳しいが、4人もいるので大丈夫だろう。


「いいか、まず群れで一番下っ端が様子見で飛び掛かってくる。誰に来るか分からんが、それを確実に倒せ。倒したら近くの奴にナイフを投げて、様子見だ」


3人に戦い方を教え終わると、同時に灰狼1匹が動いたのが見えた。


ザシュ!


「ウッス!やったッス!」


何かを斬る音がした後、一番図体のでかいディーが声をあげる。


「よし、じゃあ、近くの奴に投げろ!」


俺の合図で3人ともナイフを投げる。俺の投げたナイフは当たったが、他3人は当たったかは確認できない。『投擲』スキルについては教えたので後は練習あるのみだが、まだ習得はしていないだろう。ちなみに俺は『身体強化』を使って投げたので、当たった灰狼は絶命して、残り2匹となった。


「・・・・・ふう、どこか行ってくれたか。頭がいい方だったな」


残った2匹はすぐにその場から立ち去っていったので、溜め息をついて3人の様子を確認するが、特にケガはしてないようだ。


「狼系の魔物は基本あんな戦い方になるからな。今回リーダーの頭が良いから立ち去ったけど、頭の悪いリーダーならあの後も向かってくるからな。そしたら、全滅するまで戦う事になるからその時は覚悟を決めろよ」


俺の説明をちゃんと聞いているのか、俺がナイフで殺した灰狼に3人は注目している。


「すげー。何でこんなナイフで殺せるんだ?」

「アニキだからっす。流石ッス」

「今回は良い所に当たったみたいだ。それよりもお前らちゃんと『投擲』スキルの練習してるか?お前ら3人は遠距離攻撃誰も担当しないって言ったから『投擲』スキルは覚えておいた方がいいからな」


灰狼を見ながらすげー。すげー。言って俺の話をちゃんと聞いているか分からない3人を無視して俺は2匹の灰狼を収納する。


「よし、続きを探しに行くぞ。・・・・?どうした?」


ラチナの実探しの続きに行こうと3人に声を掛けるが、こっちをジッと見て動く様子がない。


「アニキのその『魔法鞄』って、いくらぐらいしたんですか?あと、容量はどのくらいですか?アニキ程じゃなくても今回の灰狼ぐらいは持ち帰れるぐらいの『魔法鞄』が欲しいです」


トマスの言葉に残り2人も頷いている。欲しくなる気持ちも分かるが、さすがに新人が持ってると狙われるよな。俺でも都に来てから3回は狙われたからな。影使って逃げたけどまた襲ってきた時は全裸にして放置してやろうと考えている。


「欲しくなる気持ちも分かるけど、新人のうちからそんなの持ってると絶対盗まれるぞ」

「やっぱりそうッスよね。俺達には早いッスね」

「まあ、でも容量の小さい『魔法鞄』ぐらい持っててもいいかもな。なら、今から都に戻って見にいってみるか?」


俺の提案に3人とも喜んで賛成してるけどラチナの実集めはいいんだろうか。賛成しているならいいんだろうと思い、都まで戻り飯を食べてからまずは買取カウンターに向かう。


「今日も買取?ジェネラル?ジェネラル?」


カウンターで受付をしているクオンの所に行くとニコニコしながら話かけてきた。こいつどんだけジェネラル肉気に入ったんだ?確かに美味しかったけど。


「違えよ。今日は俺じゃなくてこいつらの獲物の買取だ。灰狼2匹ここで出せばいいか?それとも広い所行くか?」


俺の後ろの3人を指しながらどこに灰狼を広げるか確認すると、ここでいいと言われたので、カバンから2匹取り出す。


「う~ん。1匹は首しか傷がないから、少し高く銅貨11枚で買い取りするけど、もう1匹はちょっと小さいから、銅貨9枚通常より安くなるね」


灰狼を見たクオンが状態を確認し、どのくらいか教えてくれる。


「それでどうする?全部売るか?何か残すか?」


3人に聞いてみるが、返事が返ってこない。ディーとベースが不思議そうにトマスを見ていて、そのトマスはずっとクオンの方を見ながらボーッとしている。


「おい!トマス!聞いてるか?どうすんだ!」


耳元で大きな声で呼ぶとようやく、正気に戻ったみたいで、


「は、はい、それなら・・・どうしましょう?」


まあ、初めてだから分かんないよな。俺も分かんなくて師匠にどうしようか聞いたし。


「それなら毛皮は残して残りは売るでいいか?最近かなり寒くなってきたからその毛皮で防寒の服とか用意した方がいいからな」

「は、はい、アニキの言う通りにします」


ホントに分かってるのか、ガチガチに緊張したトマスが答える。


「クオン、そういう訳だ、解体費用もそこから引くといくらになる?」

「肉と魔石だけなら2匹で銅貨11枚になるけどいい?」

「わ、分かりました!」


緊張してガチガチのトマスがでかい声で返事をする。


「じ、じゃあ、明日のお昼以降には解体も終わっているので、取りに来てください」


トマス達へすごい事務的な口調に戻るクオン。クオンにお礼を言ってから俺達は商業ギルドに足を運んだ。



「トマス、クオンは男が苦手だから、あんまりガンガン責めるなよ。じっくりと、焦らずだぞ」


勘違いではないと思うので、ゴドルと同じアドバイスをしてやると俺のアドバイスを噛み締めるように何度も頷いていた。



◇◇◇

「こちらが当ギルドの『魔法鞄』になります」


商業ギルドに行き『魔法鞄』を買いたいというと、別室に連れていかれて入った部屋は『魔法鞄』を保管してある部屋だった。見た感じ真ん中の机に置いてあって手に取って確認できるのが安い奴で、ケースに入れられているのがそこそこする奴、更に部屋の一番奥の鉄格子の向こうに置かれているのがかなり高い奴だってのはすぐに分かった。ただ、容量と価格がよく分からないので質問してみたが、


「まずはお客様が希望する容量を教えて頂ければそこから商品をご提案させて頂きます」


俺の質問は却下された、見た目ランクの低い冒険者4人組だもんな。足元見られるのは仕方がない、護衛も見た目が強そうなのが8人程配置されているし、強奪を警戒しているのかもしれない。


「どうする?どのぐらいがいい?オークぐらい入ると便利だと思うぞ」


俺の経験と他の『魔法鞄』持ち冒険者の様子から最低でもこれぐらいは入りそうだったので、伝えておく。


「そうなりますと、最低でも大金貨クラスの物になりますので、こちらのケースの中の物になりますが大丈夫でしょうか?」


対応してくれる職員が、明らかにお前らそんな金ねえだろ?さっさと帰れ!って空気を出している。


「どうする?」

「大金貨1枚ッスか?高いッスね」

「でも一つはあった方がいいッス」

「取り合えず1つだけ買っとくか?それで使ってみて容量足りなくなってきたら、次の『魔法鞄』買って増やしていけば、その頃には狙われても撃退できるぐらいの腕にはなっているだろ」


最終的に俺の意見に3人とも従ってくれた。その後は『魔法鞄』を持っている事がバレにくいだろうと言う事で、見た目が一番大きくて頑丈そうなカバンを選んで購入した。対応した職員は俺達を疑っていたようだが、大金貨を出すと途端に笑顔に変わり対応もしっかりした物に変わった。見た目で判断したら駄目だとこの職員も勉強になっただろう。


店を出ると夕方になっていたのでトマス達と別れて、俺はリマ達の家に行き、明日の相談をしてから宿に戻った。


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