表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影魔法使いの冒険者  作者: 日没です
第3章 水の国境都市のFランク冒険者
37/163

36話 帰って来た3人

「はあ~。やっと終わったぜ。最初は鼠も殺せなかった時はどうしようかと思ったけど何とか新人は卒業させる事が出来てホッとしたぜ」

「もう、師匠その頃の話はやめて下さいよ。恥ずかしい」


ギルドの食堂で俺たちは飯と酒を飲みながら話をしている。今日は野宿のせいで体が痛いので食事が終わるとこのまま宿に帰る予定だ。


「ガハハハッ。ガフはしばらくこの事で揶揄ってくるから諦めろ。それよりもギン、おれからのアドバイスだ。『投擲』スキル持ってた方がいいぞ、俺とガフが使ってんの見ただろ?このスキルかなり使える。俺らのパーティメンバーは全員取得してるぞ」


ゴブリン討伐の時に気になっていたスキルの事についてギースさんから話を振ってくれた。


「やっぱり、そうなんですね。二人とも使えるって聞いた時は俺も覚えたいって思ったので丁度良かったです。確か銀貨1枚でギルド職員に教えて貰えるんでしたよね」


確か最初の頃に師匠から教えてもらったので覚えている。ただ覚えられない場合もあるってのが引っかかるんだよな。


「ああ、そいつが一般的だけど『投擲』スキルについてだけはそれはやめとけ。もうすぐしたらケインの奴等が帰ってくるからその時にエステラに教えて貰った方がいい」

「エステラ?・・・って誰ですか?」

「あれ?ギンに言ってなかったか?俺とギースの他にあと3人メンバーがいて、今、火の国に遠征行ってんだよ」


そう言えばそんな事言ってた気がする。


「へえ~。軽くは聞いてましたけど名前は知らなかったですね。でも何でそのエステラって人に教えて貰った方がいいんですか?」

「エステラは『投擲』スキル教えるのが無茶苦茶うめえんだ。理由は良く分からねえが、それで俺ら全員取得できた。たまに教えてくれって奴もいるけど、普通簡単なスキルでも取得に半年~1年はかかるんだぞ、それを大体1~2ヶ月で取得させてくからあいつはオカシイ」


「だ~れがおかしいって?やっほー。ただいま、ギース、ガフ」

「ただいま」

「よお帰ったぜ」


こちらに見た事無い3人組が向かってきているのは気付いていたがまさか師匠達の知り合いだとは思わなかった。二人は驚いて後ろを振り返り3人を確認すると、思わず安心したような笑顔になる。


「おお。ケイン、エステラ、ターニャやっと戻ってきやがったか」

「悪かったな。もう腕も治ったから依頼受けれるぞ。」


5人で仲良さそうに話を始めるので少し寂しい。寂しいけど何となく分かるこの人達は師匠とギースさんのパーティメンバーだ。最初に声を掛けてきたのが話の流れから多分エステラさんだろう。金髪の髪をまとめて結い上げて顔もエレナ並みに整っている。更にスタイルもエレナ並みだ、服はエレナの仕事着ではないけどそれでも普通の服より露出が高いくて目のやり場に困る。


次に3人の中で唯一の男。この人がケインさんだろう。ギースさんよりは背は低いが180㎝は超えてる茶髪で高身長、更に極悪人顔の師匠達と違ってかなりのイケメンだ。体つきもごついってよりスレンダーな感じなので多分細マッチョって部類だろう


最後は緑髪ロングで少し師匠達より幼い感じだが俺よりは多分年上の女性この人がターニャさんだと思う。師匠達と話しているがあんまり表情は変わらないタイプだ。身長はエステラさんと変わらないぐらいだが体系は・・・・スレンダーだな。


「俺ら昨日戻って来たら、お前ら遠征だって話じゃねえか。何で俺ら抜きで依頼受けてんだって思ったけど、話聞いたらガフが指導員になってるって聞いてマジで笑ったぜ」

「そうそう、ガフに指導員出来るのか?って絶対無理って私達笑ってたわよ。アハハハ」

「うん、ガフには無理、フフフ」


遠征から戻ってきた3人は師匠が指導員制度をしていた事を笑い始める。俺は師匠が笑われてあんまりいい気分はしないが、当の本人が全く気にした感じなく楽しく笑っているので、俺は何も言えなくなった。


「そんで、こいつが噂の『最長』か?へえ~。若えな。まさかお前ら脅してねえよな?」


ケインさんが言った途端師匠とギースさんから頭を叩かれた。あれマジで手加減無しだから痛いんだよな~。


「そんな訳ねえだろ!ちゃんとギルドの依頼だ!しかも今日でギンは新人卒業してFランクにあがったぞ。俺のおかげで最速更新する所だったわ!ガハハハッ」


目立たないように最速目指すなって言ったの師匠なのに何で大声でバラすかな?ほら、また周りが騒ぎ出した。


「痛えな。クソ!お前ら少しは手加減しろ!まあいい、で?お前が指導員制度『最長』で依頼したって奴か?名前は?」

「ギンって言います。師匠とギースさんにはお世話になりっぱなしです」


俺が答えると3人とも固まってしまった。なんで?可笑しなこといったか?自己紹介しただけだよな?俺も意味が分からないので固まっていると、


「・・・プ」

「・・・・クク」

「・・・し、し、師匠?ガフが?アハハハ!」


俺の師匠呼びが面白かったみたいで3人とも腹を抱えて笑いだした。師匠はそんな3人を冷たい目で見ながらビールを飲んでいる。


「アハハ、はぁ、はぁ、ガフが師匠ってタマか。『お頭』って方がしっくりくるぞ」

「いや~久しぶりに笑ったな~。ギンだっけ?面白いよキミ!」

「ガフが師匠。合ってない。ククク」

「うるせえな、ギンがそう呼ぶって言うんだから仕方ねえだろ」

「おい、もういいか、そろそろ報告が聞きたい。こっちも報告しなくちゃならない事がある。だがその前にギンに自己紹介だ、ギンには俺も世話になってるからなメンバー紹介はしっかりして覚えておけ」


笑う3人に怒り出す師匠だが、リーダーのギースさんが自己紹介をするように指示すると3人はまたまた驚いた顔をする。


「ギンって言ったな?お前こいつらにこの短期間で何した?」

「普通新人はこいつらの顔が怖くて近寄らないはずなんだけど、何でこんなに仲良くなってるの?」

「ギンは美意識が人と違う人?」

「ほら、そんな事は後で聞け、さっさと自己紹介しろ、こういう場合はランクの低いほうから、ギンお前からだ」


何かさっきからギースさんが仕切ってるな。こういうのは師匠のイメージだったけど全員揃うとこういう風になるのかな?


「ギンです。聞いてるかもしれませんが指導員制度最長で依頼して師匠に指導員してもらいました。それで今日からFランク冒険者です」


「ケインだ。こいつらとは腐れ縁だ。このパーティのアタッカー担当だ」

「エステラよ。弓とか投げナイフの遠距離アタッカーよ」

「ターニャ。弓専門。遠距離アタッカーだけど、補給とか回復の支援が多い」




「ギン。言っとくけどな。エステラとターニャは俺の女だからな」


自己紹介の後、ケインさんから謎のアピールされるが、さっきから二人の腰に手を回してるからそうだろうなとは思ったがどっちも彼女なのか?二股とかってこの世界は問題ないのか?


「はあ。分かりました」


別に人の女、まして師匠と同じパーティメンバーに手を出すつもりはない。寂しくなったら『猫宿』いけばいいしな。


「分かったな?俺の女に手を出すなよ」


何かケインさんがしつこいぐらいアピールしてくるな。俺ってそんな風に見えてんのか?だったらちょっとショックなんだけど・・・


「ガハハハッ。ケイン、ギンの野郎お前が言ってる事よく分かってねえからな。まあこいつは『生活魔法』も知らなかった田舎者だ。お前が今、何でそんなアピールしてんのか分かってねえよ」

「は?『生活魔法』使えなかったってマジかよ」

「まあ、その話はギースに聞け。ギン、ケインの今のしつこいぐらいのアピールは冒険者なら当たり前だからな。女冒険者ってのはうんざりするぐらいナンパされんだって、だからケインもお前の事を警戒してあれだけアピールしてたってわけよ。まあこの街だとエステラとターニャはケインの女って知れ渡ってるからナンパしてくる奴はほとんどいねえけどな。でもたまに一人で歩いてるとナンパされる事もあるから、そういう時は・・・エステラちょっとこっち来い・・・『俺の女に何か用か?』ってパーティメンバーとか仲が良い奴だったら助けてやれよ」


師匠はエステラさんを呼ぶと馴れ馴れしく腰に手を回しナンパの対処を教えてくれたけど、ケインさんの前でそんな事していいのか?・・・ケインさん全く気にせずギースさんと話してるな。エステラさんも師匠に腰に手を回されても表情変えないな


「男がいるのにしつこくナンパする奴は馬鹿にされるからな。そんな事すんじゃねえぞ」

「しませんよ。そもそもナンパでさえ俺にはハードルが高すぎますよ」


日本で女子とほとんど会話なんてしてなかったのにナンパなんて出来るわけない。何で知らない奴に簡単に声を掛けられるか不思議だ。





「よし、自己紹介は粗方終わったか。それじゃあケイン、お前らの報告だ」


師匠が話を進めるので俺は少し席をずらして6人で席に着く。


「俺らの方か?赤字も赤字だよ。火の国の都付近に出たっていう『黄虎男』を探しに出発しただろ?どこで聞いてきたのかその依頼受けてる奴多くてな、結構な人数探してたと思うんだけど、それでも見つかんねんだよ。依頼元は火の国だから絶対いるって確信してたんだけどな、手がかりが一つも見つかんねえ。それでいい加減資金もヤバくなる前に撤退してきた」

「手がかりが一つもねえってのやっぱりいねえんじゃねえか?」

「いや、最初の目撃者はあの国の第1騎士団だって話だ。これは確かな筋から手に入れたから間違いない」


あの国の第1騎士団と聞こえてドキリとした。しかも『黄虎男』って・・・ま、まさか違うよな?


「第1騎士団!精鋭中の精鋭じゃねえか!それがホントならマジでいるな」


ケインさんの言葉に驚く師匠。あいつら精鋭中の精鋭だったのか?あんまり強いイメージ無いけどな。


「だろ?更にその第1騎士団よ。俺らが火の国の都に向かう途中街道沿いで何かしてたんだよ。演習って話だけど凄く殺気だってたから演習じゃなくて、あいつらも『黄虎男』探してたんじゃないかと俺は睨んでる」

「第2、3騎士団じゃなくて第1が動くって国家規模の何かがあったって事だろ。ケインの話だとその『黄虎男』は暗殺者の可能性が高いな。いや、魔物かも知れねえから結論は出ねえか」


俺じゃん!その『黄虎男』って虎のマスクの格好した俺の事じゃん!そんな大ごとになってんのか。いや、それよりもオッサン達そんなヤバい連中だったのか。最後の方は結構余裕でこっちは遊んでたつもりだったんだけど、オッサンが泣いて悔しがるはずだよ、精鋭中の精鋭が子供一人に身ぐるみ剝がされていってるんだもんな。そう考えると少し可哀そう・・・じゃねえな。俺を殺しに来てたからざまあって感じだな。


「ああ、あと帰りに面白い話聞いたぞ。あの『追跡』が依頼失敗したらしい」


「な!」

「マジか!」

「あいつら『ノーミス』だったはずだろ?」

「ついにあいつらも失敗したのか」



ケインさんの言葉に師匠達が驚いて立ち上がる。周りの連中も一斉にこちらを振り返るので何か凄い事をケインさんが言ったらしいが、俺にはさっぱりわかんねえ。


「ギンは驚かないんだね」

「意外に大物?」


俺の無反応にエステラさんとターニャさんが少し驚いて声を掛けてくる。


「いや、ケインさんが何言ったか分かってないだけです。多分みんなが驚く事を口にしたって事は分かるんですが」

「ケインが言った『追跡』ってのはパーティに二つ名がついてる変わったBランクパーティでね。まあ二つ名の通り追跡が専門の3人組で、全員『罠師』のスキル持ってるらしくて、獲物を追いかけて罠で殺すのが得意なのよ。それでそいつら今まで依頼を失敗した事がなくて『ノーミス』だったんだけど、それが今回どんな依頼か分かんないけど初めて依頼を失敗したって話だからみんな驚いているの。分かった?」


エステラさんの説明にコクリと頷く。う~ん。こっちも嫌な予感がするなあ。


「失敗したってのはホントかどうかまで分からなかったが、あいつら3人とも装備全部取られて帰ってきたって話なんだよ。こっちは確かな所から聞いたからマジだ」


心当たりがありすぎる。多分その『追跡』ってパーティは俺を追っかけていたハンターさん達の事だ。あいつらの装備まだ持ってんだよな。使わない奴はさっさと売り払っておくか。鞄は孤児院に寄付したけどまさか孤児が使ってるなんて思わないだろうし、バレる事はないだろ。




「それでお前らの方がどうなんだ?最近『猫宿』しょっちゅう行ってるらしいじゃねえか?ガフは指導員の仕事してるから分かるがギースも何でそんな金あるんだよ」


ケインさん達の報告が終わると今度は師匠達が質問される。ただ、少しは話を聞いてるみたいだ。師匠達は質問されると物凄い笑顔になるが、悪人顔なので不気味だ。


「ここでは話せないから、家で教える。ギン、お前もついてこい」


ギースさんが話を切り上げて俺も師匠達の家についていく。






「「「・・・・・」」」


師匠とギースさんから今までの話を聞いた3人は言葉が出ずに固まっている。


「ま、マジか?ガフ!ギース!ちょっとその見つけたっていう酒飲ませてみろ」


ようやく正気に戻ったケインさんだったが、


「金貨2枚だ」


ギースさんが前の師匠と同じ事を言う。・・・いや前は金貨1枚だったから倍になってるな。


「はあ?ふざけんな!」

「酒に金貨2枚ってぼったくりでしょ」

「銀貨1枚にして」


3人から詰め寄られて文句を言われるが、ギースさんと師匠は表情を変えない。一人だけ交渉とも言えないような値下げをお願いしているけど・・・


「俺はこれを金2、銀1でギルドに売ったぞ。これでも銀1枚まけてるんだけどな」


うわ~ギースさん師匠にやられた事と同じ事やってドヤ顔してるよ。あの時の事まだ根に持ってそうだな。師匠は気にせずゲラゲラ笑ってるけど。


「チッ、さすがに金2枚は高え」

「でも金貨2枚の酒か。いいなあ」

「ケイン、エステラ、待って。まだ諦めるのは早い。ここにギンが居るって事はこのお酒ギンも持ってる?」


あっ、バレた。師匠とギースさんがうまい事言って俺がお酒持ってる事を話さなかったのに、ターニャさんは鋭いな。


ターニャさんが言った途端3人がギラ付いた目で俺を見て詰め寄ってくる。イケメン、美女の3人だが顔が怖い。


「はあ~」


顔が怖い3人から距離をとりカバンからワインを3本取り出して机に置く。


「い、いくらだ?ギン!エステラまだ開けるな」

「胸までならOKよ」

「銅貨5枚までなら何とか」


エステラさんがアホな事言ってるけどケインさん怒らないのかな。ターニャさんはさっきより値段下がってるのは何でだ?


「それじゃあ、エステラさんがお願いを聞いてくれるならタダであげますよ」


エステラさんにお願いしたい事があるから、それでいいかなと思い提案してみる。


「へ?私?駄目よ。今はケインのものだから出来ても胸ぐらいよ。それでいい?」

「いや、違いますよ。ケインさんがいるのに何アホな事言ってるんですか。さっき師匠達と話してて『投擲』スキルはエステラさんに教えてもらうのがいいって聞いたんで、俺に教えて下さい」


「え?そんな事でいいの?」

「ギンそれで金貨2枚の酒3本はおかしいぞ」

「もしかしてこれ偽物?」


3人とも怪しんでいる。さっきからターニャさんがフリーダムだな


「ギンは馬鹿だからな。最初は俺も見返りなしでタダで飲ませてもらったぞ」

「誰が馬鹿ですか!あの時は師匠とギースさんが殴り合いの喧嘩始めそうで怖かったからですよ。酒1本で二人が止まるならいいかと思ったんですよ」


俺の事を馬鹿だというギースさんに文句は言っておく。ただあそこで酒をあげてギースさんに気に入られたのはその後を考えるとあの時の俺ナイスって言いたくなる。


「ターニャ、そいつは偽物じゃねえぞ。ギンは腹芸できねえからな。それにこいつ要求してくる対価がおかしいんだよ。金貨1枚で俺とたまに訓練しろとか俺らの失敗談聞かせろとか言ってくるんだ。だから多分ギンの中では『投擲』スキル覚えるのはそれ以上の価値があるって事だ。変に裏はないから気にしなくていいぞ」

「師匠それだと何か俺がおかしい奴みたいじゃないですか」

「実際、お前はおかしい所だらけだ。もうちょっと常識を身に付けろ」


ぐ・・・確かにこの世界の常識は無いからそう言われると返せない。


「ホントにそれでいいんだな?エステラいいか?」

「いいに決まってるでしょ。ターニャ!あんた何でもう飲んでんのよ」

「うま~!何これもっと欲しい、銀貨3枚」


あっ値段上がった。だけどその値段じゃさすがに売らない。っていうか3人ともラッパで飲んでるし・・・師匠もギースさんも自分達の分飲んでるし、俺も飲むか


「うま!うめえ!なんだコレ?」

「ちょっと、こんな美味しい酒、店で働いていた時でも飲んだ事ないわよ」


ケインさんとエステラさんもラッパで飲むと美味しさに驚きの声を上げる。酒飲める人は飲んだらみんな美味しいって言うけどそんなにコレ美味しいのかな?


「師匠、なんか別のワインってないですか?俺これしか飲んだ事ないから、これが美味しいってよくわかんないです」


「ああ?そう言えばお前これで童貞捨てたんだったな。ほら、ケイン達にタダ同然でやったからこいつはやる。飲んでみろ」


師匠は鞄からワインを取り出しグラスに注ぎ始める。


「はあ?ちょっと待てギン、お前この酒が初めて飲んだ酒なのか?かあ~、俺らはドブ酒だったのに何て贅沢な奴だ」

「だからだよ、ケイン。ギンの奴これがどんだけ美味いか分かってねえ。ギンほら、こいつを飲んでみろ」


師匠にグラスを渡されて酒を飲んでみる。うえ~。何だこれ、マズ


「ガハハハッ。すげえ顔してるぞギン!」

「アハハハ。ホント大人ぶって初めてお酒飲んだ子みたい」

「変な顔、ガフとギースと同じ、イタッ!」


みんなから笑われるぐらい変な顔になったみたいだ。多分自分でもそうなってると自覚はしている。ターニャさんは師匠とギースさんに俺と変わらない勢いでどつかれているけど自業自得だから仕方ない。


「うええ。これ美味しくないですよ。何かの罰ゲーム用ですか?」

「はあ?これでもちょっといい値段のワインだぞ。ギンはホントに味覚がおかしいな」






「それで、明日はどうするんだ?」

「明日からは久しぶりのパーティーでの活動になるからな。なるべく簡単な依頼受けて連携の確認をしておきてえな。だから依頼受けた後は各自準備して明後日出発って予定でいいか?ギンは明日はエステラから『投擲』スキル教えて貰え」


師匠が明日のパーティの予定について決めるついでに、俺の予定も決めていく。まあ、いつもの事だからいいんだけど、指導期間も終わった事だし、そろそろ自分でも予定を決めて動くようにしないといけない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ