表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影魔法使いの冒険者  作者: 日没です
2章 水の国境都市の新人冒険者
15/163

14話 大鼠討伐

評価、いいね、ありがとうございます。



昨日は初めての依頼なのか、師匠との稽古が理由なのか分からないが思っていた以上に疲れていて夕飯を食べて『自室』でシャワーを浴び終わるとすぐに眠気が襲ってきて、そのまま寝てしまった。寝たのはかなり早い時間だったので朝は日が昇ると目が覚めてしまった。時間は5時。まだ約束の時間に早すぎる、もう一眠りも考えたがこれだけ寝たらさすがにもう眠れる訳もないので、何かやる事無いか考えてると、魔力量を調べて無かった事に気付いた。『火』、『水』、『風』、『砂』、『光』、『闇』、『洗浄』の7つ1セットで順番に発動してみる。


『水』、と『砂』は部屋が汚れるな。風呂でやるか。砂はビニールに集めておけばいいか。


そう考えて風呂で魔力量調査を始めたのだが、


・・・今何セット目だ?たしか30セットまでははちゃんと数えてたよな。今40セットぐらいか?全然魔力切れっぽい感じにならないけど、まあいいかそろそろ出かける準備しよう。


結局自分の魔力量がどれぐらいか分からないまま、出かける準備を始めて時間通りに南門の外で師匠を待つ。しばらくすると師匠が門から出てきたので、俺は師匠に歩み寄り挨拶をすると今日は二日酔いではないらしく普通に挨拶を返してくれた。


「よし、ほんじゃあ昨日も言ったけど今日は大鼠の討伐するからな。納品依頼みたいに討伐の証を最初から持っていてそれを見せて依頼達成ってのは本当は駄目だけどな。まあ新人は依頼を受けているようなもんだし先に討伐の証集めていても問題ないだろ。って事で今日は大鼠30匹討伐するぞ」

「師匠、ギルドのルールに違反するなら俺は10匹討伐してからその後依頼受けて20匹討伐に来る、でいいですよ。」


ギルドから目を付けられたくないので、真面目にやろうと提案するが、


「真面目なのは結構だが、この依頼っていうかこの場所の依頼だけはギルドもルール違反しても文句言わねえんだよ。それがここだ!」


門から少しだけ歩きながら話していたらすぐに目的の場所に着いたらしく、師匠が指差して教えてくれる」

「こ、ここは・・・なんというか・・・ギルドが許してくれる理由も分かりますね」

「だろ?ほんじゃあ準備していくぞ、2回も来たくねえからな絶対今日1日で終わらせるぞ」


師匠が気合を込めるので、俺も気合を入れて今日中に大鼠30匹狩ろうと心に決めた。





◇◇◇

「臭いです!師匠!どうにかならないですか?」

「わーってるよ。文句言ってもどうにもなんねえから我慢しろ!・・・それにしても臭えな」


師匠と臭い臭い言いながら俺が『光』を使って下水道を奥に進んでいく。下水道は真ん中を汚水が流れていて両脇が通路になっているが、汚水が流れている場所はどのぐらいの深さがあるか見た目からでは分からないし、確かめたくない。更に今歩いている通路も濡れて滑りやすい箇所やベタつく場所があったりして靴を履いていても気持ちが悪い。一応師匠から貰った鼻栓をしてその上から布を2重で巻いているが、それでも匂いがきつ過ぎて、我慢できずに口に出てしまう。


ちなみに今日の装備は師匠から借りた木の板に持ち手を付けただけの盾とは呼べないような代物とこん棒とは名ばかりの唯の木の棒である。大鼠は毛が厚いので斬撃より殴る方が討伐するのに効率がいいらしい。あと下水に装備を落とした時に、諦める事に躊躇う事が無いように安い装備で挑むらしく、この装備も師匠のパーティメンバーの物らしい。師匠からは盾と棒二つとも無くしても銅貨1枚と言われたので、どれだけこの装備が安いかわかる。


で、何でDランクの師匠とそのパーティメンバーがこんな装備を未だに所持しているかというと、どんな街でもDランク以下の冒険者は年に1回強制的に拠点の街の下水道の大鼠狩りに駆り出されるからだ。そうしないと下水から鼠が街中に溢れ疫病等の流行に繋がるので、必ず参加させられるらしい。Cランク以上は高難度依頼を強制で依頼される事が多いので免除される。


そんな話を聞き、師匠に臭い臭い愚痴りながら下水道を進んでいくと、目的の大鼠が目に入った。『探索』では大鼠は白丸だがこっちに気付くと赤丸に変わる。何で三角じゃないのか不思議だったが、どうやら大鼠は魔物ではなく獣に分類されるらしい。だから人と同じ表示になっている事が分かった。魔物と獣の大きな違いは魔石の有無で、有れば魔物、無ければ獣となっている。


大鼠は名前の通り見た目は鼠だが、俺が思っている以上にでかい。『光』を投げつけると、キュー、キューと可愛い鳴き声を上げるが、可愛いのは声だけでその毛は泥に塗れたみたいに黒に近い灰色で当然毛並みも見るからにゴワゴワしてる。何よりその大きさは中型犬ぐらいはあり、そんなのがこっちに気付くと可愛い声を上げてこちらに向かってくるが、餌だと思って襲いかかってきているのだ。


そうして襲い掛かってきた大鼠を最初は師匠が実演して討伐方法を教えてくれたので、俺も挑戦してみる。っていうか俺の依頼なので俺がやらなければならない。


師匠と同じ様にこちらに向かってくる大鼠を手に持った盾で一度受け止める。かなりの衝撃が腕にかかるが、来る事が分かっていれば耐えきれる。耐えると必ず大鼠は一度動きを止めるので、そこをこん棒で殴りつける。手に今まで感じた事の無い感触が伝わり、気持ち悪くなってくるがもう一度こん棒で殴りつける。この手に伝わる感触は命を奪っている感触だ。そう思うと更に気持ちが悪くなってくる。動かなくなったのでこれで終わりのはずだが、師匠から情け容赦ない言葉が飛んでくる。


「ギン!足見てみろ!動いているからまだ死んでねえぞ!もう1回殴れ!さっきも言ったけどこいつらに噛まれると変な病気になって死ぬからな!確実に死んだの確認してからじゃねえと尻尾切るなよ!ほら早くしろ!血の匂いに釣られて群れでこられたら厄介だ!」


師匠に言われて俺は思い切りこん棒を振り上げて、大鼠の頭を殴りつける。かなりの衝撃が腕にかかる。確実に死んだ、俺が殺した・・・。





「・・・い!・・・お・・・!ギン!おい!ギン」


ぼーっとしていたのか気づいたら師匠が俺の頬を叩いている。しかも結構思いっきりなのでかなり痛い。


「痛いです。師匠」


師匠の腕を抑えながら文句を言うが怒ってるというより諭すような言い方になってしまったので、師匠は文句を言われたとは思っていないかもしれない。


「はあ、気付いたか?お前童貞だったのか、いや女のほうじゃなくてな、殺しの方な。って事は、やっぱりゴブリンもきつそうだな。」


殺しもですが女の方も童貞です。


なんて軽口も叩けないぐらい俺は落ち込んでいる。師匠はそんな俺を見て、何か考えているようだ。しばらくすると、考えがまとまったのか後をついてくるように言われた。そしてある場所で足を止める。


「ほら、そこの角見てみろ!次は2匹だ。俺は助けねえからな、お前一人でやってこい。2匹ならさっきと同じやり方で問題ないが、最初の一撃で気絶以上まで持ってく事を意識しろ!じゃないと噛まれて死ぬぞ、それを頭に入れて、ほら行け!」


俺の返事を待たずに師匠は俺を押して角から押し出す、ご丁寧に『光』を投げてくれたので、2匹の大鼠は当然俺の存在に気付き、可愛い声を出しながら2匹ともこちらに向かってくる。盾を持つ手が震えるが、先ほどと同じ様に盾を構えて衝撃に備えるとドンと最初に衝撃が来た後、想像通りすぐに同じような衝撃がもう一度手に響く。突進を盾で止めただけだが何故か呼吸が荒くなる。盾越しに大鼠を見ると、動きが止まっている。さっきは考えつかなかったが、多分盾に頭からぶつかって眩暈を起こしているから大鼠の動きが止まっているんだろう。


そんな事をこんな時に冷静に考えられる自分に驚くが、体の方は考えなくても先ほどと同じように、いやさっきより力強く大きくこん棒を振り上げている。そして振り上げたこん棒を振り下ろす、手にさっきと同じ感触が伝わる。やはり気持ち悪く感じるが、さっきよりはマシかな。そんな事を考えていると体が勝手に動きもう一度こん棒で殴りつける。今度は2発で殺せたな。と思いながらもう1匹の動きを冷静に観察している自分がいる。もう1匹は眩暈が収まったのか再び俺に襲い掛かってきたので、俺は冷静に対処する。




◇◇◇

「ギン、よくやった。2匹目、3匹目と冷静に対処できたじゃねえか。その調子だけど、あんまり調子に乗るなよ。お前の今の実力なら大鼠2匹までだな。それ以上はすぐに逃げろ」


師匠は先程の戦闘を褒めつつ俺の背中をバシバシ叩きながら調子に乗らないように注意をしてくれる。


「よし、それじゃあさっきは説明聞いてなかっただろうから、もう一度説明するぞ、大鼠は尻尾が討伐した証になる。んでこの尻尾を根本から切る。」


師匠はいつの間にか手にしていたナイフを使ってあっさりと尻尾を切り取る。切り取ると大鼠の死骸を下水に蹴り落とした。


「このままここに放置すると大鼠の餌になって余計に繁殖するから死骸は下水に流すんだぞ。下水はスライムがいるからすぐに消化するからな」


俺の抗議の目線に気付いたのか大鼠の死体を下水に落とした理由を説明してくれる。そう言う理由なら納得できる。


「スライムもいるなら一緒に魔石集めもやりますか?」

「いや、道を塞いでいる奴以外は相手にしない方がいい。下水の中に入るとどんなヤベえ病気になるか分かんねえからな」




その後は特に苦戦する事無く5匹目を討伐して再び大鼠を探して歩き出した時、マップに違和感を感じた。マップではこの壁の向こうに6畳ぐらいのスペースが広がっている。


「あれ?師匠!この壁の向こうなんかスペースがあるっぽいんですけどどうやって行くんですかね?」

「ああ?んなもんあるわけ・・・って『探索』か。って事は本当だな、ちょっと待ってろ」


そう言うと師匠は壁をペタペタ触りったり、ナイフの柄でコンコン叩いたりして色々調べている。


「ギンの言う通り、この壁こっからここまで違和感があるな調べた感じ妙な仕掛けもないみたいだし、この下水ができた後に埋められたって所か。そんじゃあ、壁ぶっ壊すからギンは周囲の警戒な」


師匠はそう言って、魔法鞄から少し大きめのハンマーを取り出すと、壁にガンガン打ち付けていく。師匠の出す音に釣られたのか大鼠が3匹程こっちに向かってきたが、1匹ずつだったので、俺は苦戦する事もなく倒していく。手には殴った時の感触が残っていて気持ち悪いが命を奪ったという罪悪感はさっきより薄くなっている。


「よ~し、もういいだろ。ギンちょっとこっちこい。『探索』と『暗視』で何かあるか見てくれ」


師匠の方に行くと半分程壁が壊されていて何とか壁を乗り越えて行けそうなスペースがぽっかり空いている。『探索』のマップには罠も敵も何も無い事が分かっているので、壁の中を覗き込んでみる。


う~ん。木箱が何個かあるぐらいで、他に目ぼしい物はないな。ヤバそうな感じもないし大丈夫かな。


中を確認し終わった俺は『光』を隠し部屋に放り込んで、周囲を警戒してくれていた師匠に報告する。


「木箱が何個かあるぐらいで他には何もないですね。木箱にも罠はないみたいですけど一応中身確認します?」

「ああ、一応見ておくか。こんな壁に隠してあったんだ、何かしら金目のもんだといいんだけどな」


師匠、その言い方まるで泥棒のセリフなんですけど。


「あれ?師匠、これでもし高価な物だったら、誰のものになるんですか?領主とか?持ち主が分かればその人のものとかですか?」


落とし物は警察に届ける。それが日本の法律だけど、この場合は警察ってどこだ?街の兵士とかになるのかな?


「はあ?俺とギンのモンに決まってるだろ。あの壁何年も時間経ってるから、誰も覚えちゃいないだろ。それに落し物は見つけた奴の物だぞ、死体の遺品や盗賊や魔物が持ってるお宝なんかも同じだな。って言っても流石に貴族の家紋とか入ってるヤベえ代物は落ちてても手出しちゃ駄目だけどな。できればこの中の物は家紋とか入ってない奴だといいけどな」


またまた為になる話をしてくれながら、師匠は道具を使って木箱の釘を抜いていく。抜き終わったら俺に隠し部屋から出て下水で待機するように指示する。師匠も下水まで出てくると細長い棒をカバンから取り出した。師匠のカバン色んな物入ってるな。


「罠は無いって言っても警戒は怠らないのが、死なないコツだ。もしかしたらギンの『探索』に引っかからない何かあるかも知れねえしな。」


そう言って師匠は細長い棒で木箱の蓋を押し蓋を床に落とす。俺も師匠も何かあってもすぐに動けるように警戒態勢でしばらくいるが何も起こらない。


「何も起きませんね?もう大丈夫ですかね?」

「そうやって油断させて時間差で発動する罠もあるから、もうちょい待て」


しばらく・・・だいたい5分ぐらい待ってようやく師匠から合図されたので、警戒を解き二人で木箱に近づく。木箱には1本1本が入るような枠がありそこに10本の瓶が入っていた。


「ふむ、ギン何だと思う?中身は入ってるな。見た目は酒かな、でもラベルも何も付いてねえな」


師匠は箱から瓶を取り出すとクルクル回しながら瓶を確認している。俺も見た目からして酒かジュースかなと思っている。


「よし取り合えず飲んでみるか。ギンは俺から少し離れてろよ。で、俺に何かあったらすぐに助けを呼びに行ってくれ」


そう言って師匠は空けていない木箱にドカッと座ると、カバンからコルク栓抜きを取り出す。何でそんな物持って来てんだろ?


俺の疑問も気にした様子もなく師匠は栓を開けて、恐る恐る匂いを嗅いでみる。


「匂いは悪くねえな。味はどうだ」


師匠はそう言いながらカバンから何やら文字が書かれているグラスを取り出した。


「師匠、本当に飲むんですか?毒かもしれないですよ。街に戻ってからにしましょうよ」

「これが唯の水なら持って帰っても無駄手間だろ。匂いから水じゃねえんだけどな。それに毒でも少しは金になるから何かだけは確認しないとな。ギン、このグラスは魔道具だからな、これに入れると死ぬような強い毒ならグラスが割れるらしいから安心して見とけ」


いや、弱い毒ならどうするんだろう。しかも割れるらしいって確かめた事ないのかな不安だ。そうだ、影収納って簡単な説明出るよな。


「師匠!飲むのはちょっと待ってください!少し俺が調べます」


そう言って瓶を1本取り出してカバンに入れる。説明文は「ウォーターチルラト産のワイン(120年物)」と出ている。取り合えず毒はなさそうで安心した。


俺がカバンから瓶を取り出すと、俺の行動を不思議そうに見ながら手を止めている師匠に説明する。


「ワインみたいで毒はないですね、ああ、俺の『魔法鞄』中に入れると軽く説明が出るんで多分飲んでも大丈夫だと思います」

「お前やっぱりその『魔法鞄』おかしいぞ。普通はそんな説明が出てくる『魔法鞄』なんて聞いた事ねえぞ」


驚いて聞いてくる師匠だが、影魔法の事は話せないので、そういう物としか答えられない俺。架空の爺ちゃんの持ち物だと言ってあるので、師匠も深くは聞いてこなかったが、またしつこいぐらいに持ってる事がバレないように注意をされた。そして試飲を始めるが俺は未成年、お酒は飲めないので師匠だけ飲み始める。念の為魔道具のグラスに入れて割れない事を確認して軽く一口だけ飲んだ師匠は驚きの表情をする。


「何だ、こりゃ?・・・ワインか?美味すぎるぞ、こりゃヤベえ。売れば結構な値段になると思うが、自分でも飲みてえ、あああああ悩む、めっちゃ悩む。ギン俺はどうしたらいいと思う?」


俺に聞かれても困るなあ。


「取り合えず悩むのは1本いくらで売れるか確認してからでも遅くないんじゃないですか?売値が安かったら師匠が飲めばいいだけですし。今は高値が付いたらラッキー、安値でも自分で飲めてラッキーぐらいで考えておけばいいんじゃないですか?」


俺の提案に師匠は顔を輝かせて俺の肩を強めに叩いてきた。


「そうだな。ギンの言う通りだな。悩むのは売値調べてからだな。って事で1本開けちまったからお前も飲め」


そう言ってカバンからもう1個グラスを出して俺に渡してくるが、


「師匠、俺まだ未成年なんで酒は飲めないですよ」

「ああ?お前17歳って言ってたよな?ならもう成人しているじゃねえか。それに成人してるかしてないかなんて酒飲むのに関係ねえよ、冒険者なら酒は飲めるようになっとけ。酒に弱くても馬鹿にされないが、飲まないと場が白けちまうからな、ほらこの酒ならジュースみたいなもんだし飲みやすいぞ」


そう言って師匠は酒を勧めてくる。


これあれだ、アルハラって奴だ、まさか高校生でアルハラされるとは、って言ってもこっちの世界じゃ通用しないよな。師匠の話だと17歳は成人してんのか。まあ法律が無いなら俺も少しは興味あるし飲んでみるか


師匠に勧められるまま、ワインを一口飲んでみる。


・・・変な味だな、これがアルコールの味なのかな。まあ頑張れば飲めるかな。


「どうだ?うめえだろ、最初に飲んだ酒がこれってお前贅沢だな。ガハハハ。まあ最初だし、どれだけ酒に強いか分かんねえからギンは注いだ分だけにしとけ。そうだ!今日はこの依頼終わったら飲みにいくぞ!俺が奢ってやる。金なら昨日の薬草採取で稼がせてもらったから心配すんな。ガハハハ」


酒を飲んでご機嫌な師匠。俺がグラス開ける間に1本全部飲み干してんだけど、一応今依頼中だよな。大鼠あと22匹は討伐しないといけないんだけど大丈夫かな。





結局隠し部屋に木箱は10箱ありその中に10本入っていたので合計100本のワインを手に入れたので二人で山分けにした。飲んだ1本は師匠のものという事で俺が50本、師匠が49本持って帰る事になった。


隠し部屋での出来事で大鼠を殺す罪悪感も大分薄れてきて、その後は作業のように討伐していくが、手に伝わる感触だけがやっぱり慣れない。そうして下水を歩き回り昼までには目標の30匹を討伐し終えたので街に帰る途中で、再びマップに隠し部屋が現れた。


「師匠。またこの壁の向こうにあります」


俺がそう言うと師匠は顔を輝かせる。まあ気持ちは分かるが、そうそうさっきみたいな良い物は無いだろう。


さっきと同じように俺が周囲の警戒をして、師匠が念入りに罠が無いか確認していく。罠が無い事を確認終えるとハンマーを取り出し、壁を壊していく。この時は音に釣られて5匹の大鼠が襲ってきたが、1匹ずつなら俺でも余裕で対処できるので、師匠の手を借りる事はなかった。で、結論を言うと、また同じお酒が同じ数だけ木箱に入れられて隠されていたので、師匠はかなりご機嫌になった。


その後はマップに特に反応もなかったが師匠は終始ご機嫌だった。帰りも大鼠から襲われたが、特に危なげなく討伐でき、結局昼過ぎに下水から出たが、大鼠は合計42匹討伐していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ