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レベルとステータスとスキル

「ホラーゲームかと思ったらレベルかぁ。夢にしてもゴチャゴチャしてるっスね。まあ迷ってもしょうがないっス! ゲームの世界ならやっぱり……ステータスオープンヌッ!」


 異世界モノの小説やアニメを好んで見ているトウコは、ノリノリでポーズを決めながら叫ぶ。


 トウコの目の前に、半透明の情報ウィンドウが表示される。


「ステータス、キターっ! いいっス! 悪夢より、ゲームのほうがマシっス!」


 そこには予想した通り、ステータスやスキル、職業というような情報が書かれていた。


 トウコはここがゲームの世界だと確信していた。

 ゲームの夢なのだ。そう考えて気分を切り替える。



-------------------------------------------

名前 : アソ トウコ

レベル: 2

筋力 : C

体力 : C

敏捷 : C

知力 : C

魔力 : C

生命力: C


職業 : なし(取得可能)

スキル: なし(残ポイント:10)

-------------------------------------------



「まずは職業を選ぶっス!」


 トウコは迷いなくウィンドウを操作していく。

 スマートフォンのようにタップすることで操作することができる。



-------------------------------------------

<職業を選択してください>

・学生

・給仕人

・シューター

・戦士

-------------------------------------------



「シューター? ……銃で戦うゲームをやりこんでるからっスかね。銃があればゾンビなんか目じゃないっス。これに決めたーっと!」


 トウコは即決する。あまり深く考える性質ではない。

 現実世界では短所ととられることが多いこの性質は、一秒の迷いが死につながる世界では長所となる。



<職業により、ステータスが変動しました!>



-------------------------------------------

名前 : アソ トウコ

レベル: 2

筋力 : C

体力 : C

敏捷 : B(上昇)

知力 : C

魔力 : C

生命力: C


職業 : シューター

スキル: なし(残ポイント:10)

-------------------------------------------



「ふうん、敏捷(びんしょう)が上がったっスね。ちょっと、身体が軽くなったような気がするっス! 次はスキルを選ぶっス!」


 トウコはその場で飛び跳ねてみる。

 いつもより素早く、高く跳ぶことができた。

 ステータスが効果を発揮しているようだ。


 ウィンドウを操作し、スキルを一読する。


「スキルはシューター系ゲームのスキルとかパークに似た感じっスね。なら、選ぶスキルはクイックリロード、クイックドロー、エイムって感じで……」


 トウコは迷わずにスキルを取得していく。


 これがゾンビのはびこるゲーム世界だというのなら迷っている暇はない。

 ゲームのように時間が止まっているわけではないのだから。


 先ほどの戦闘では大きな音を立てた。

 音に引き寄せられ、ゾンビのうめき声が近づいてきている。

 じっくりと準備する猶予はない。


「とにかく今必要なのは生き延びることっス! とにかく銃! ナイフでゾンビと戦うとか縛りプレイは嫌っス!」



-------------------------------------------

スキル:

 【銃創造】1

 【弾薬調達】1

 【応急処置】1

 【緊急回避】1

 【銃器】1

  【照準精度】1

  【装填】1

  【早撃ち】1

  【安定化】1

(残ポイント:1)

-------------------------------------------


「ではさっそく! 【銃創造】! 銃よ、出ろっ!」


 【銃創造】は無から銃を生み出すスキルだ。


 スキルが発動し、トウコの手が光り(かがや)く。

 光が収まるとその手には一丁(いっちょう)のリボルバー拳銃が握られていた。

 物理法則を無視して現れた銃だが、トウコは驚きもせず受け入れた。


「おおー! ソフトクリームは出なかったけど銃は出たっ! でもリボルバーか……。どうせならオートマチックがよかったっス。これは【銃創造】のスキルレベルを上げれば自由になるんスかね?」


 トウコは手の中の銃を確認する。西部劇でおなじみの回転式(リボルバー)拳銃だ。


 トウコがゲームや映画で見たことのある実銃に似ている。

 それを()してスキルが作り出した架空の銃だ。

 構造や仕組みも似たものだが、現実と同じ動作とは限らない。


「見た感じ、世界で最も高貴(こうき)な銃……シングル(S)アクション(A)アーミー(A)っスね!」


 西部劇の時代から現代に至るまでガンマンに愛されている名銃だ。

 シリンダーは固定式(ソリッドフレーム)で、弾は一発ずつ装填(そうてん)する。


 トウコは弾倉(だんそう)を確認する。弾は6発装填されている。

 シリンダーを手ではじく。

 小気味いい音を立てて、弾倉が回転する。


「おお、コレやってみたかったっス! やっぱ実物はカッケエっスね!」


 意味のない動作でテンションを上げ、トウコはにんまりと笑みを浮かべる。

 そこへ二階の奥からゾンビが姿を現す。


「ウウァ……オオォ」

「お、さっそくお客さんのお出ましっス! ……なんてセリフも言ってみたかったっス!」


 トウコは銃をゾンビへと向けて構えた。

没タイトルシリーズ

■悪夢の世界かと思ったらロールプレイング風システムな件

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― 新着の感想 ―
[一言] 連射力は練習次第なやつですね
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