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出会いは突然だった。から始まる物語の多さときたら…。
出会いが突然?…ないな。そんな出会いに巡り合ってみたいものだ。世の中は往々にして繰り返しの中にある。日々の繰り返し、時代の繰り返し、似たようなことを繰り返しながら進んでいく。そこに突然の出会いなんて物は、なかなか存在しないのではないだろうか…。
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微笑みが僕に向いていた。
視線を感じるけど、気にしない。気にしていないふりをする。それでも感じる視線に耐えられない。チラッと見る。バッチリ視線が合う。やはり見られていた。恥ずかしいのか、そうでもないのか、自分でもよくわからない。とりあえず、微笑みを返してまた気にしていないふりを続ける。外した視線を追われている。あぁ…もう…そんなに見るな…。意識してしまう…。
意を決して、顔を向ける。やはり、見てる…。何故かは、わからない…。怪訝そうではない…。とりあえず見つめたまま首を傾けてみる。そうすると、首を傾けて微笑みをくれた。思わず笑い返していた。かわいい…。あー、視線が外れた…。なんだったんだろう。なんかさみしいじゃないか。…とりあえず話しかけてみるか?…そんな勇気はないな。