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物語の焦燥  作者: 彼方
2/5


 日記を書いていた。


事実は小説よりも奇なりという小説について


物語が面白くないのは他人事だから

現実を自分の感情が動く事で

物語と錯覚する


まだ春は来ない




 同じ内容のメールを書いては消した。何度も、書いては消した。送るか、送らないか、迷って、迷って、迷った挙句、送って後悔する。送らなかったとしても後悔する。何度繰り返しても同じ事で、どうすれば、迷う事もなく、後悔する事もないのか、そんな方法は思いつきもしない。

 送ったメールの返信が全く返ってこなくなった。それまでも、よく考えれば返信はそっけなかった。それでも返ってきていた返信がなくなった。3ヶ月、たった3ヶ月。もう終わりだと思った。耐えられなかった。




 その言葉が僕を焦らせた。

 明日は確実ではない。未来が確実にある保証はどこにもない。振り向かないこころを、振り向かせるための焦りが、それを叶わせない。

 どこにでもあるそんな言葉が、明日があるのかわからない言葉が、僕を焦らせた。きっといつか。きっといつか、と言い続けては、その虚しさに胸が強張る。いつか。いつだろう。いつかその時が来るなら、それは何故今じゃないのだろう。今じゃないなら確実ではない。それは叶わない?


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