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ショートショート4月~

言葉が出ない出てこない

作者: たかさば
掲載日:2020/04/09

私めっちゃ伝えたいことがあるんです。


常に伝えたいこと考えてるんです。

面白いこと言おうと思ってるんです。

感動すること発表したいんです。


私の話を聞いてください。

私の物語を知ってください。


私すごいんです。

私いろいろ考えてるんです。

とにかくすごいから気になるはずです。


私自信あるんです。


私の話はすごく面白いの。


でも。


残念ながら。


言葉を知らないんです。


文章にならない私の気持ちがたくさんあります。

物語になれない私の思いがたくさんあります。


書きたいものが、かけません。


書きたいと思うのに、文字列がふえていきません。


目の前のパソコン画面の空白を前に、視線はうろうろ。


ただ漠然と、私の中にある想像力をもて余しているんです。


「なるほど、なるほど」

「では、まず書いてみることだ」

「書きたい事があるならば、書きたいと思うのではなく、書くのですよ」

「思うだけでは、君の世界は君の中でしか広がっていかないからね」

「言葉がなくても、伝わるようになっていく」

「まずはとにかく、君の物語を、君自身が、書きあげなければならないんだよ」

「書いてあげないと、君の中の物語がかわいそうだ」

「世界中に感動を齎すはずの物語を、君一人で独占してはいけないよ」


私、書いてみます。

私の物語を書きます。

書けないふりして何もしてこなかったんですね、私。

ただ妄想にふけっていたんですね。



私、書いてみた。

私の中の、私が生み出した世界。

誰もが感動する、素晴らしい作品。



きょうのわたし、とってももやもやする。

だからちょっと、うきうきしたくなって、いろいろかんがえたの。

ああ、そっか、なやまなくていいんだ。

わたし、すごくしあわせ。

ねえねえ、こっちおいで。

わたしといっしょにせかいをすくおう。

たびだったよ!

すごくおもしろいたびになったので、おおよろこび!

わたしすごくたのしいから、つよいひとたおしちゃった。

だいすきなひとがとなりにいるのに、なみだがでるの。

えーんえーん。




この物語が、十年後に映画化されるとは、まだ、誰も知らない。

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