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SOSブラックホール

作者: UROSHITOK

宇宙に於けるブラックホールは、人間にとって如何なる存在であるのか?

 子供の頃、少年雑誌で、小松崎茂さんの、絵物語”地球SOS"を愛読した。宇宙から現れた”バグア彗星人”に攻められる連載絵物語であった。

 銀河の中心、ブラックホールを攻めるものは?いるのだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 パート1

 天の川銀河、巨大な渦巻き星雲である。

 渦巻は、回転をつづける

 星には遠心力がはたらき、外へ飛び去ろうとする。銀河は拡がり、膨張をつづける。

 しかし、中心にも、引きつける力がある。

 求心力である。

 銀河の中心には、ブラックホールがある。

 ブラックホールに起きている、奇想天外の出来事を、あなたは想像してみませんか。

 空想は、自由。

 読むのも、自由。


 空想が、想像を呼び、想像が創造を呼ぶ。

 創造が、また空想を呼ぶ。


 我々地球人が感知し得る、宇宙の範囲内で、且つ脳で想像し得る範囲内ではあるが。


 2xxx年、地球は病んでいた。

 資源の枯渇が進み、環境の汚染が深刻であった。

 それでも、科学は進歩をつづけていた。


 ブラックホール、それは、光をも吸い込む存在である。

 それ自体を見ることは、不可能である。

 しかし、その周辺を観察することで、本体の存在を知ることが可能である。

 その限界空間を、事象の地平線と呼ぶ。ここは周囲空間との境界である。

 事象の地平線では、強いX線が観測される。

 このX線は、物質がブラックホール(BK)に吸い込まれるときに発する信号でもある。

 銀河の中心のBKの質量は、太陽の約300万倍と考えられている。

 ちなみに、太陽の質量は、地球の約33.3万倍に相当する。

 地球の質量は、約5.974x10の24乗kgだから、銀河中心のBKの質量は5.974x10の34乗kgである。

 想像できない巨大な質量である。

 しかしながら、体積は小さい。

 BKに成るには、太陽の30倍以上の質量が必要である、と言われている。

 この様な星の場合は、自らの重力で無限に縮み始める。

 縮み続けて、直径が180kmまで達すると、忽然と姿が消える(シュバルト半径x2)。

 この時、この星の表面の引力が、光や電波も外へ出さないほど強くなるからである。

 太陽の30倍の質量を持つ星、その直径が、たったの180kmである。


 BKは、重力崩壊の場を除けば、暗い低密度の空間であろう。

 重力崩壊の場とは、重力を支えていた中性子の反発力が限界を越えた結果、重力の重さで、際限なく潰れてゆく場のことである。


 BKは渦を巻いて回転している。

 一般的に、渦巻には、入口もあれば出口もある。

 我々は、BKの出口をホワイトホール(WH)と呼ぼう。

 竜巻は、地表から、物を吸い込み、空へと放出する。

 渦潮は、海表から、海底にへと物を巻き込む。

 BKの入口は、我々の理解し得る宇宙の中にある。

 ではWHはどこにあるのか。

 以下のパターンが考えられる。

 ① 同じ宇宙にある。

 ② 別の宇宙にある。

 ③ WH(出口)はない。

 ④ 上記以外のパターン。

 次いで、

 ①の場合

 BKはWHと遭遇したならば、互いに相殺仕合い、それぞれのエネルギーは減少する。両者共に消滅することも考えられる。互いからみて、逆渦巻と仮定する。

 ②の場合

 別の宇宙とは異次元宇宙である。

 これはSFサイエンス・フィクションによく用いられる。

 BKは異次元空間に通ずる、一つのワームホールか。

 ③の場合

 天文学者などが解答を探している。ビッグバーン、超新星爆発などが提起されている。


 地球上の生物は、有機物を作り出す。

 有機物を食べて生きる。

 食べて成長し、次世代へと受け継ぐ。

 活動力源は、化学変化に伴って発生するエネルギーである。

 エネルギーは、宇宙の至る所に存在する。


 ㈡

 2xxx年、天の川銀河の中心BK付近で、これまでに観測されていなかった現象が発見されていた。

 ある場合において、X線その他電磁波が、少し減少していたのである。

 事象の地平線付近の位置を、横切る微小な黒体がある。

 どうやらこの黒体は、X線や電磁波を吸収しているらしい。

 この黒点の周囲では、X線や電磁波は消える。

 ガスや星を吸い込み、X線などを放出し続けるBKとは根本的に異なる。

 

 謎の小物体は、まず天文関係者達にセンセーションを巻き起こした。

 ノンブラックホールと名付けられ、略称のNBが採用された。

 地球からの観測は続けられる。

 NBには、変化が認められる。大きさを変えている可能性がある。

 NBが発見されてから約10年、劇的な変化が現れた。

 数個の、より小型のNBが、周囲に見いだされたのである。

 母体のNBから放出されたと推察された。

 母体と見られるNBを、マザーNB(mNB)と名付けた。

 小型NBを放出した後のmNBは、何処へともなく消えていった。彼女らは自らの光は発しない。

 さらに約十年が経過する。

 小型NBもmNBへの変化が見られる。そうしてmNBはBKを離れてゆく。


 地球は、さらに放射能汚染の影響が顕著になる。

 地下居住区域が増えていった。

 ガン・白血病が著しく増えてゆく。

 温暖化は進み、陸地は減少していた。

 気候の変動が、生活のリズムを破壊する。


 それでも進歩を続ける天文学、天文台が、太陽系に向かっている遊星らしき物体をキャッチしていた。

 小さな遊星である。彗星とも異なる。

 恒星間を凄いスピードで、スイングバイしながら、ケンタウルス座α星A・Bを経て、太陽に最も近い恒星プロキシマを通過した。

 そのスピードは、なんと、およそ秒速15万kmと計算された。光速の半分である。

 スイングバイとは、星の重力を利用しながら進む航法。

 プロキシマから太陽までは4.24光年、およそ8年後には太陽系に突入する可能性もある。

 過去にも彗星が太陽や木星に衝突した例は、もちろんある。

 その場合に、当時の地球への影響は対処出来ないものでは無かったのか。


 この遊星らしき物体の直径は約100mで、多種類の金属を含む物体と推定された。

 ここにきて、最大の問題は地球への衝突にあった。

 この遊星らしき物体のサイズは、前世紀にあって、恐竜を絶滅させたと考えられている巨大隕石の、およそ160分の1である。

 しかしながら、その影響は大きいと考えられる。

 大都会や人口密集地を直撃すれば、あるいは核施設等に当たれば、大悲劇となる。


 一方、天の川中心のブラックホールの、事象の地平線におけるNBは、さらに数を増している。

 mNBも宇宙へ拡散し続ける。

 

 時を経て、

 遊星らしき物体は、太陽系に接近してきた。

 その物体の名は、Uと名付けられた。unknownのUである。

 太陽系の遠くを回る冥王星に近づく頃、急激にスピードを落とした。

 スピードを落とし、衛星のごとく軌道を回りはじめた。

 衝突による地球の悲劇は回避されるのか。


 「不思議な星だ・・」

 各地の天文台を中心に、この星の話題は沸騰していた。

 その矢先に、またもや新たな情報が飛びこんで来た。

 「Uがパルスを発している」

 この場合のパルスとは、定期的に発する電波の脈動である。

 「パルスを発しだしたのは、冥王星軌道に乗ってからだ。パルスはリズムをもって発している」


 数日後、パルスを発しつつ、海王星軌道へ移る。

 逆行して回る海王星の衛星トリトンの外側を、悠然と廻り始めた。

 「まるで、生き物だ」

 関係する、ほとんど全ての人達が、その様に思った。

 「生き物ならば、あのパルスは、言葉ではないのか」

 「すでに、解読に動いている」


 ここにきて、更にメディアは色めきたち、スーパーコンピュータが活躍する。

 ”生きている物体か?”

 Uの話題が、人類のなかで沸騰していった。


 パルスに関して、色々な言葉が解釈され、マスコミに流れる。

 それらしい返答が、Uに向かって送られる。

 次いで、Uは天王星の軌道に移った。

 Uの発するパルスは、同じリズムを続けている。


 ある日、ある天文台に電話がかかってきた。

 「自分は日本人です。謎解きに興味がある」と、前置きしたあと、電話主は言った。

 「Uが発するパルスの意味は、数の13です。極めて単純な値です。13の意味するところは、アルミニュウムの原子番号です。ーーパイオニア10号に搭載されたアルミニュウム金属板に描かれた宇宙人への手紙ーーを見た。と言うメッセージであると、推理します」と。

 

 パイオニア10号は、1972年3月3日に打ち上げられた。

 1973年12月3日に木星軌道上にのった後、1983年6月13日に太陽系から脱出して、宇宙の彼方へと向かっていった。高い知能を有する宇宙人との遭遇を意図して。通信は途絶えた。


 国際宇宙機関は、直ちに、このパルスを数値として解析した。

 そうした後、13をアルミニュウムとしてアルファベット化して、Uに送信した。

 即、Uから返信があった。それは、13とアルミニュウムであった。

 地球世界は俄然色めき立った。

 Uとの交信が可能となったのである。

 まず、各元素の原子量に相当する原子番号と、相応する原子名のアルファベットの全てを送信した。

 Uは、これら全てに対応した。

 すぐれた頭脳を有していた。


 Uは呼応するように、木星軌道に入ってきた。

 「地球のテレビ放送を送信して見よう。彼は地球を理解し、我々も理解するかもしれない」

 Uの意図は何処にあるのだろうか。不安や好奇心や期待が入り交じる。

 地球上の関心は留まるところを知らない。

 防衛面でも不安や関心は消せない。

 月基地や人工衛星でも、急きょ、防衛体制が構築され、世界中が防衛体制に入った。

 

 ㈢

 木星軌道に入ってから2週間、Uから新たなメッセージが送られてきた。

 「私は、安住の地を求めてやってきた。地上に降りたい。許可していただきたい。害を与えないことを約束する」

 国際統一機関は、その判断も冷静化しつつあった。

 取り合えず、返答を送った。

 「希望の場所は?」

 これに対するUの返答は 

 「私からのメッセージを、最初に理解した人間の住む場所を希望する」であった。

 その場所とは、日本であった。

 地球機関はメッセージを送る。

 「安住の意味が不明確である。あなたの生活形態も不明確である。あなたの実態を、もっと正確に我々に、明らかにして下さい」

 Uからの返答は簡潔であった。

 「私は老年である。このままでは数か月で命を終える。私はアンドロメダ星雲のブラックホールで育った。我々には放射線エネルギーを含む素粒子が食料である。我々の身体は、あらゆる元素を作り出すことが出来る。我々の種族は、最後の在り方を自ら選ぶ。私はパイオニア10号を放った地球を選んだ。最初に私のメッセージを理解してくれた日本人と話したい」


 Uはアンドロメダ星雲のブラックホールで育ったmNBらしい。。

 Uの直径100mにおよぶ無機生命体は、X線を含む多様の電磁波を栄養源として育ったらしい。

 さらに新たな衝撃が地球世界に走ったのだ。

 「まるで核融合炉のような生物だ」

 「否、素粒子融合炉のような生物だ」


 情報を伝えられて、その日本人が現れた。

 彼は、中国地方の山地に住んでいた。

 名前は机化一つくえけいち、年齢は55歳。

 国際機関は、慎重に打ち合わせて、彼の対話を許可した。


 机化一は、Uに言った。

 「あなたが地球を安住の地として、はるばる飛来されたことを歓迎したい。しかし、地球の生物は今病んでいます。病みの大きな原因の一つは、放射能汚染です。あなたは、放射線を食して育ったと聞いています。地球上に溢れている、地球人にとって有害な放射能汚染を、あなたは消すことが出来ますか」と。

 Uからは、すぐさま返事が返ってきた。

 「私は、あなた方にとっては、有害な放射能を含めて、あらゆる電磁波を食することが出来る。しかし、現状では、身につけることが出来ない。食しても排出せねばならないからである」

 「あなたは、我々にとって有害な放射線を、無害な金属に変えて排出することも可能なわけですね」

 と机化一が聞く。

 Uが応える。

 「その通りです」

 「金属の種類は?」と机化一。

 「必要なもの、金属以外でも、如何なる種類でも、あなたがたの希望するものを排出可能です」とU。


 交信を傍聴する人々の中では、色々な思惑がは走る。


 Uと机化一の会話はつづく。

 「あなたの降りたいと希望する場所は?」

 「有機生物体が多く生息する場所で、海に近い場所です。日本の海岸を希望します」

 「了解しました。返答を待ってください」

 机化一との交信は、一旦終えた。


 Uに気に入られているらしい日本人、机化一も交えて、国際機関で対応が検討された。

 「レアアースが欲しい」

 「ゴールドを造ってもらいたい」

 「合金は造れないのか?」

 種々様々な意見が出される。

 「住民に危険性はないのか」

 「砂漠の真ん中に降りろ」

 「放射能汚染が進んでいる場所がいい」

 「Uに、仲間のmNB達を呼びよせてもらって、地球を豊かにしようじゃないか」

 思惑や意見は止まることがない。


 机化一が言った。

 「まず、Uの言葉を尊重すべきだ。その後で、彼と話し合おう」

 Uの残り寿命は数か月、放射能汚染を除去してもらうのが先決である。

 机化一が交信を再開した。

 「こちらは机化一である。あなたの条件を受け入れます。あなたもこちらの条件を受け入れてください。あなたの着地点は、日本の鳥取砂丘です。あなたの望んだ条件に合う場所です。

 こちらの条件を述べます。地球上での通信等に使用している有用な電波を損なう事無く、地球生物の生存に有害な放射能汚染を食し、取り除いてください」

 Uから、即返答がきた。

 「ありがとう、机化一。これから鳥取砂丘に向かう。地球周回軌道に入り、高度を下げつつ、有害放射線を吸収してゆく。ところで、望みの金属は何か?」

 机化一は、ためらうこと無く応えた。

 「アルミニュウム。あなたと地球を結んだ金属です」

 会話を傍受する者の中には、不満の声もある。

 「金だ、ゴールドをの望むんだ」

 机化一は対話を続ける。

 「有害放射線への対策は?」

 「有る。取り合えず、有害放射線を吸収しつつ鳥取砂丘へ向かう」


 Uは地球の周回軌道に入った。

 地表に近づいてくる。

 放射線汚染の多い地域を、緩やかな速さで巡行する。

 直径100m位か、外見円盤状の鉱物に見える生物が、有害な放射能を吸収してゆく。

 「すごい!」

 検知カウンターの、数値の変化に驚きの声が上がる。

 さらに、Uから、一見砂状の物体が、停止したままの汚染原発や、その周辺に発射される。

 汚染源に砂上の物質が取り付くと、やがて

 「汚染源からの、放射能漏れが停止している!」と、

 計器を見据える担当者が唸った。

 喜びの声が上がる。


 地球を周回し、有害な放射能を消去して、Uは警戒態勢の鳥取砂丘へ着陸した。

 

 Uへの感謝と歓迎のメッセージが送られる。

 Uからの返事が来る。

 「この様な珍しい星である地球に来れて嬉しい。感謝しています」

 季節は3月初旬、日本海の荒波が飛沫となって、ときおり彼を洗う。

 彼、Uは、地球の自然を楽しみ味わうがごとく、動かない。

 鈍い光を放つ鉄灰色の、巨大な碁石状のUが下方の一部を砂に埋めて、そこにある。

 「アルミニュウムを排出する」

 側に丸いアルミニュウム塊が落とされた。

 

 「なぜ金塊を要求しなかったんだ」

 「チタンが欲しかった」

 「レアメタルが欲しかったのだ」

 巷に不満の声が上がっていた。


 その後Uは、なぜか対話を閉ざした。

 放射能汚染は消えた。

 最早、Uに食してもらう物は,ほとんど無い。

 Uの寿命は、彼の言ったように、尽きてゆくのだろう。

 時は経過して行く。


 そんなある日、鳥取砂丘を訪れた机化一は、Uの側らの砂浜に腰を下ろして、波の飛沫に濡れるUを眺めていた。

 飛び散った桜の花びらが、波に乗り、Uに付着する。

 「机化一、君と話したい」

 化一に、声が聞こえてきた。

 音声にはならない、Uからの静かなテレパシーであった。

 机は驚いたが、動揺は軽かった。

 彼は、親しみを込めて返事をした。

 「どうぞ、何ですか?」

 自然に、テレパシー会話が始まった。

 U 「地球は美しい。私の知る限り、宇宙で最も美しい星だ。この美しさをもたらしている者は、地球の生命だ」

 机 「私も、その様に思っている」

 U 「その地球で最もおぞましい存在がある。それも、地球の生命体だ」

 机 「とりわけ、人間がそうでしょう」

 U 「そうだ。地球の生命体は、生命を食して生きる。問題の一つは、そこにある」

 机 「他にも?」

 U 「欲望だ。地球生命体は、欲望を無くして生きられない」

 机 「欲望の中、欲望を求めて、人間達は永遠に彷徨っている」

 U 「そのとうりだ、地球人は永遠の探究者なのだ。

 地球人は、目を外に向けて、冒険をしなさい。それが美しい地球を保つ方法だ」

 机 「地球人には、あなたの様な能力はない。宇宙への進出は遅々として進まない」

 U 「私が援助する」

 突然、すっと、机化一の姿が砂浜から消えた。


 時を経過し、机化一が姿を現した。

 「Uは死んだ」と言った。

 残骸は残った。

 破壊が困難な強固な、強固な残骸であった。


 Uの残したアルミニュウムは、机化一の進言によって、多くの平板に加工されて、宇宙人へのメッセージとなって、広角に宇宙の彼方へ向かって発射された。

 新たなUとの遭遇をも期待して。

 「今度こそは、金塊を生み出してくれるUの飛来を望む」人々も。


                   (パート1 完  2020.05.28)

 パート2

 ㈠

 机化一は夢を見ていた。

 深い眠りの闇みの中から、かるい夢意識が生まれてきた。


 遠い記憶の下り道、小学校時代の下校路であった。

 直交する幅広の道路を越えて、より急な下り坂となる。

 道には雪が降り積もり、道は盛り上がり、道の両側は広く低い。

 化一は雪上に尻を下ろし、両足を前に伸ばして、盛り上がった道の中央を滑る。

 中央から横へずれぬように、短い道を滑り下る。

 ふいに、黒人少年が現れ、化一の後を滑ってくる。

 化一は下り坂を終える。後方の少年は、深雪を越えて、左へと滑って行った。

 化一は、坂の終点と交差する村道を、東へと進む。


 村道の角、南側に建築中の家がある。土壁の竹格子が組まれている。

 道の中央で、子供が二人、固めた富士山形状の雪に乗って遊んでいる。

 細い溝が、道沿いを流れている。

 その、狭まった道沿いを化一は通る。

 突然、雪は消え、畑が現れる。

 畝が三筋、溝の北側にある。

 田舎風体の男達が数人いる。

 溝には石橋が有り、人家への通路がある。

 通路には、真新しい新聞が落ちている。

 「誰だ、こんな事をしたのは」化一の意識が変化してゆく。

 新聞を拾おうとしたが、一部分土に埋もれている。

 拾うのをやめる。

 横に自転車が有る。

 通路を進む。

 左側に、立木の庭が現れる。前栽である。

 化一の意識が、ふわっと膨らんだ。

 「ここは古里、自分が育った家だ」玄関と、その周辺が、一挙に視界に飛び込んできた。

 思いがけず、夢の中に登場して来た生家、30年以上前に解体されて消えた家が、目前に現れた。

 その感動で、化一は目覚めた。


 確かに目覚めた。

 クリアな意識がある。

 しかし、自分の実体がない。

 周りを見る。何も見えない、色も無い。

 だが、不思議に戸惑いもない。

 化一の中で、冷静に判断力が動き出す。

 自分は、砂丘にいた。波打ち際でUを眺めていた。それ以後の記憶は消えていた。

 突如、彼の脳裏に、言葉が入ってきた。

 「化一、君は再生した。君の身体の全機能はベストである。君の脳細胞も全機能する」

 Uの声であった。Uはまだ生きていた。

 「U,私は今、何もない。手足も身体も見えないよ」化一が説明を求めた。

 「今、まだ、君の身体は、私の体内で気晶化している」

 「キショウカ?」化一は聞き返す。

 「気体の結晶化のことだ。液晶という言葉は聞きなれているだろう」

 「私が気晶に?」

 「そうだ。君は今、気体生物だ。君の体細胞は霧状に分離しているが、同時に君自身の個体終結パワーによって極めて安定している」

 「なぜ、そんな事をしたのだ」

 「それに答える前に、先ず言っておきたい。君は心配しなくてもいい。君は何時でも、元の人間の姿に戻れる。君が望まないのであれば、再び気晶体に戻る必要もない」

 「私は地球の人間だ。人間の姿が良いのに決まっているだろう」

 そう言ったあとで、化一の内部に、好奇心が強く湧き出てきた。

 「私を気晶体にして、どうしょうと言うのだ」

 その理由が知りたい。

 「私を生かしてほしいのだ。君がその状態で、私の中枢に居れば、その間私は生きている。君の協力者として私は生きられるのだ」

 「U,君と共に、宇宙を航行できるのか?」

 「そうだ。地球人の机化一、君が興味を持たないはずがない。私の中枢に来たまえ」

 化一の前方が灯黄色に明るくなった。

 白い霧体の景一は、明かりの中へ入った。

 ミネラルの霧が、霧体の化一を包み、黄金色に輝いた。

 「素晴らしい。予想以上だ」

 Uが呟いている。

 化一は自分がUになったかの様に感じた。

 そして言った。

 「U、私と共に生きてくれ」

 「うん、我々はネオUとして生きよう」とUが言った。


 真夏の日本海、水泳客で賑わう砂丘海岸、Uは観光名所にも成っている。

 波しぶきの間から、机化一が現れた。

 突然の出現だったが、海中からと理解してか、疑問に思う人は少なかった。

 化一は、水着姿で砂浜を歩く。

 甦った自分の身体を味わうように歩いた。

 極めて快調だった。

 砂浜の風紋が、さやっと動き、彼の歩みを歓迎した。

 

 化一は砂浜を横切り、人知れずに、木陰に消えた。

 化一には、行きたい場所があった。

 Uの体内で見た、夢の中の生家であった。

 Uと化一の合体した、ネオUには、Uを越える新たな能力が加わった。

 その一つは、有機体を合成する能力であった。

 ネオUは、鮮明な化一の夢と記憶に基づいて、彼の生家を再現した。

 場所は山村、山麓の更地、かっては化一の生家があったところである。


 鄙びた山村、過疎は進み、疎らな集落内に、住民はさらに少ない。

 子供の頃に遊んだ仲間も、今はほとんどいないと言っていい。

 隣家も無くなっている。

 化一は、そこに現れた。

 そこに、故郷の我が家は在った。

 畑と道を挟んで、小川が流れていた。

 狭い小川を、雑草が蓋っている。

 再現されたばかりの家、まだ廃家ではない。

 「ネオUは、こんなことも出来るんだ」化一のこころに感動が走った。

 雑草に交じって、雑草化したかの様な、野菜も幾種か見られる。

 化一は、もう一度ここで暮らしたいと思った。

 「この様なことを、やってのけるネオUは素晴らしい。私はネオUで、何かをするべきだ」


(二)


 化一はUに戻った。

 Uの中枢は黄金色に輝き、ネオUは甦った。

 再現した家を消した。

 「化一、ブラックホールへ行こう」Uが言う。

 ネオUの能力を十分に発揮するには、豊富な栄養(電磁波、放射線、宇宙線等)が必要なのだ。

 「その前に、私の寿命が尽きちゃうよ」と化一が返答する。

 「大丈夫だ。きみの脳細胞が、それを可能にする。我々には無かった能力だ。例えばそれは、ネオUのワープ能力だ」

 「ワープ、あれはSFの話だろう」

 「いや、SFでは無い。光も空間も、それらを創り上げている物は、人間達が言っている素粒子だ。ネオUは、光の層を手繰り寄せて、その膜を一挙に超える」

 「光層だって、光は膜なのか」

 「押しつぶせば、薄い膜になる。通り抜けるのに必要な空間だけでよい」

 「なるほど、SFでも、私には未知の発想だ。ネオUは壊れないか」

 「大丈夫」とUはこたえる。


 「ところで」と化一が聞く。

 「アルミ板による、宇宙人への手紙だが。これからも宇宙に向けて発信すれば、君のような生物に遭遇する可能性があるわけだろう」

 「ある。私は、これまで、地球人以外の知的生命体に、出遭ったことは無いが、アルミ板のような”宇宙人へのメッセージを発信すれば、少なくとも宇宙に散らばっている私の仲間達に遭遇する可能性もある」

 「他の知的生命体に出遭う可能性はあるのかな」

 「無いとは言えない。ネオUならば、その可能性も増す。Uに比し、ネオUの航行範囲は広い」と、Uは言う。

 「君に造ってもらったアルミ塊を、板に変えて、新たに”宇宙人へのメッセージとして発信しよう」

 と、化一は言って、Uの反応を待つ。

 「私もメッセージを送ろう」と、Uも賛成した。


 人間に戻った机化一は、天田六助あまだろくすけと連絡をとった。

 天田六助は45才、政府の研究機関に属する。通称はテンロクと呼ばれている化学者でもある。

 景一が、Uの発するパルス信号の意味を解いた時以来の、政府窓口であった。その後、友人としての交際もある。

 化一の話を聞いたテンロクは、このアルミ板メッセージを、宇宙機関に提案し、承認された。

 十数枚のメッセージが、多方面の宇宙へ打ち出された。Uのメッセージも含まれていた。


 化一はテンロクに、ネオUについても話していた。

 Uは単独での生命を終えた。

 巨大なUの碁石は、そのままに砂丘海岸にある。

 気晶体の化一がUの中に居る事によって、ネオUとして蘇える。

 より強固な新生命体として。

 化一がUから離れると、ネオUは短時間で停止する。

 

 ある日Uの巨大な碁石が、鳥取砂丘から飛び立った。

 そして、オゾン層を修復した後、太陽圏をも抜けて姿を消した。

 地球には、彼の軌跡をとらえる設備は無かった。

                        (パート2 完 2020.08)

 

 パート3


 (一)

 深刻な放射能汚染も消えた。

 オゾン層も再現した。

 長年に亘る人々の、暗い思いからも解放された。

 世界が背伸びを始めた。

 人々は宇宙生命体Uの底知れぬ能力に驚いた。

 

 エネルギーの存在するところ、そのエネルギーに適合する生命体が存在する。

 テンロクは、この様な法則じみた格言を提唱したくなった。

 UはmNBマザーノンブラックホールである。

 その仲間達と共に、宇宙線エネルギーの極めて豊富なブラックホール近辺で育った。

 成長し、子供を産む。

 子供は、ブラックホール近辺で、豊富な宇宙線を吸収して育つ。

 その身体には、素粒子融合炉を有している。

 豊富な宇宙線の存在する場所で、子供を産んだmNB達は、宇宙を彷徨い、やがてそれぞれの域で生涯を終える。

 Uと名付けられたmNBは地球で生涯を終えた。

 しかしながら、その体内中枢で、気晶化した地球人机化一と、共鳴することによって、ネオUとして甦った。

 そして地球を去った。

 いつ帰るともなく。

 彼らの行方は、地球人には分からない。

 

 ネオUが去って、数年が過ぎた。

 世界中で、ある共通の現象が起きていた。

 それは、かって、Uが吹き付けた砂状の物質(ブラックサンド・BS)に関してである。

 BSは大きさを増し、人間のこぶし大へと成長していた。

 ”放射能を吸収して成長した”

 地球人はその様に推測した。

 ”Uの放出したBSはUの子供では無いのか。彼等はNBだろう”

 そして、さらに一年後、彼らは次々と宇宙へ飛びたった。

 より栄養に満ちた宇宙空間を目指して。ブラックホールを目指して。

 彼等は巨大に成長せねばならないのだ。


 驚きの中で、テンロクはこの現象を考えていた。

 そこには想像を絶する内容もあった。

 だが、想像にすぎなかった。


 宇宙は無限の広がりをもっている。

 無数の銀河がある。

 銀河はそれぞれが巨大であり、且つ遥かな距離をおいて、無限の空間に浮かぶ。

 地球からの観測では、一つ一つの銀河は猛スピードで間隔を広げ遠のいて行っている。

 つまり、無限の宇宙が、無限に広がっているのだ。

 天の川は、中程度の大きさの銀河らしい。

 天の川の中にある、推定2千億の星の中の一つが、地球である。

 想像すら困難な世界である。


 2xxx年秋、ネオUは地球を飛び立った。

 光速の半分のスピードに達した後、ワープした。

 到達した最初の場所は、天の川銀河中心の、ブラックホール入口付近である。

 ここで、豊富な宇宙線を吸収し、エネルギーを貯めた。

 ネオUは、先ず、天の川銀河の探索を始めた。

 地球人の住めるか否かの可否も。

 時にはゆっくりと、あるいは猛スピードで、ワープを繰り返して移動する。

 化一は、より遠くを目指したい。

 可能ならば、宇宙の果てを目指したい。

 天の川銀河の次はアンドロメダ星雲である。

 さらに、遠い星雲へと、ブラックホール近辺でエネルギーを補充しつつ、さらに遠くへと離れていった。

 化一の星雲間飛行は、地球人の誰一人として知られることも無く、続いていった。


 (二)

 ブラックサンドが地球をさってから15年が経過した。

 ネオUが地球を飛び去ってから26年後のことである。

 一個のmNBが、地球上空に、飛来した。

 そして、地球にパルス信号を送った。

 「自分はUの子供である。地球で生まれた。机化一のメッセージを預かってきた。テンロクと話したい」と。

 テンロクこと、天田六助は、すでに第一線を退いていた。

 だが、常に脳裏を離れることのなかった机化一からのメッセージに、心が躍った。

 「Uの子を、鳥取砂丘へ」

 そして、机化一が、かってしたように、テンロクもUの子の側らに立った。

 秋であった。

 波が飛沫を散らしている。

 Uの子が、テレパシーで、テンロクと会話する。


 「机化一は、地球から2000万光年離れた、おとめ座の、楕円形銀河の、或る惑星にいる。そこは地球に似た環境である」

 「彼は元気か」

 「彼は元気である。机化一は、自分の生家とそっくりな家を作り、少年時代とそっくりな環境の中で暮らしている」

 「宇宙の探索や航行はしないのか」

 「現状、その気はない」

 「宇宙で何かを発見しましたか」

 「地球で推測されていた多くの現象に遭遇した。地球人の居住可能な天体も多くあった」

 「地球生物の住める星が多くあるのか」

 「ある」

 「宇宙の探索を中止した理由は」

 「いくつかある。

 最大の理由は、少年時代に過ごしたのと同様な環境で、静かに暮らしたいである。

 次の理由は、宇宙を飛び回ることに飽きたからである。

 さらに、宇宙の壁に到達し、探索の無限さに気づいた為である。 

 彼は、自らの限界を知ったのである」


 宇宙の壁とは何か。

 テンロクは、これに心を止めた。

 「宇宙の壁とは」

 「この宇宙全体を取り巻いている壁のことである。この宇宙は閉鎖された空間だった。ネオUはそこに到達した」

 「君も、そこに到達したのか」

 「そうだ。ネオUと私の2体が宇宙の壁に到達した」

 「君はUの子供であって、ネオUではない。君もワープが出来るのか」

 「出来る。ネオUから学んだ」

 彼は、特別なネオUの子供かも知れぬ。とテンロクは思った。

 「宇宙の壁のことを話してほしい」

 彼は、机化一からのメッセンジャーである。


 「宇宙の壁は、ゴムボールに似て柔軟性がある。果てしなく膨張を続けた結果、すでに多くの部分に穴が開いている」

 「この宇宙が、ゴムボールの中と同様だと言うのか」

 「ゴムボールと言うよりも風船に似ている」事も無げにUの子は応える。

 「すでにこの風船には、孔が空いている」と、驚天動地の事柄をUの子は話す。

 「しかし、この現象が、地球に感知されるのは、まだまだ遠い先の事である」と。

 「地球や太陽や銀河は、どうなるのだ」恐るべき突然の情報、テンロクは我を忘れて声を発した。

 「全て崩壊し、新たな宇宙が形成されるだろう。すでに、その過程に入っている」

 Uの子は語る。常に冷静である。

 無限と考えられていた、この宇宙。その宇宙にも、果てがある。

 そして、そこには壁がある。

 その壁は、宇宙の膨張に伴い、ゴム風船のごとく、膨らみ続け、ついには孔があいた。

 ゴム風船が破裂するように、やがて宇宙は破裂するだろう。

 この宇宙に存在するすべてのものが、激しく吹き飛ぶ。

 「この世の終わりである」と、テンロクは結論づけた。咄嗟のこと、他に考えようが無かったのである。

 「机化一からのメッセージを続ける」

 憂鬱に支配されたテンロクに、Uの子は語りかけた。

 「ネオUは、この危機を乗り切れる」


 NBであるUは、知的無機生命体である。

 彼らは、宇宙線エネルギーを吸収して、宇宙空間を生活フィールドとして生きてきた。

 Uはその生涯の終わりに、知的有機生命体である人間の、机化一と自己の体内中枢で共鳴することによって、ネオUとして生き延びた。

 その能力はNBの能力を凌駕する。


 ゴム風船の中のようなこの宇宙、その宇宙が破裂する。

 この宇宙が、はるかに大きな外部宇宙に同化する。

 この宇宙は消滅する。

 

 だが、ネオUは生き延びて、新たな巨大宇宙の中でも生存場所を確保できるのである、と言う。

 「人間をネオUに、成れと言うのか」テンロクは唸った。

 「地球上の全生命体も、不可能ではない」と、Uの子は言う。

 「我々の仲間は、地球を視野に入れて行動している。地球人や地球の生命体を助けたいのだ。と同時に我々も」

 「ネオUは不死か」と、テンロク。

 「人間の寿命と共に死ぬ」と、Uの子は答える。

 「人間の寿命は、病気や事故に遭わなければ、約130才である。我々は、人体を、完璧な健康状態にコントロールし得る。人間は、ネオUから分離独立して活動できる」

 「人間を気晶化するのか」

 「我々と共鳴するためには、気晶化しなければならない。しかし、人間自らの意思で、必要に応じて、元の姿に戻れる」

 「他の動物や植物や微生物などを運ぶ方法は」

 「我々の体内で運ぶ」Uの子のの応答に、よどみはない。

 「机化一からのメッセージは、君たちからのメッセージでもあるようだ」

 テンロクは思考した。

「一か月後に、返答しましょう」

 Uの子は地球を離れた。


 Uの子が、テンロクにもたらした情報は、地球人を文字どうりに、仰天させるに、十分であった。

 あらゆる地球上での紛争が、かき消されてゆくかの様であった。

 地球は、この宇宙的な破滅に対応しなければならない。

 Uの子を介しての、机化一の提案を受け入れる事が、地球生命を救う唯一の方法か。

 この提案は、何も解からない地球人にとっては、朗報と思われた。

 しかしながら、大問題であった。

 テンロクとUの子の交わした、一か月での返答は、あまりにも正当性に無理があった。

 テンロクは、それをUの子に告げた。

 「我々は、いずれにせよ、この地球を脱出する方向に進むことになるでしょう。あなたは、この宇宙の破滅状況を逐一報告してください」

 「承知しました。地球に、顕著に影響を及ぼすのは、まだ何百年も先のことでしょう」


 (三)

 時は経過していった。

 地球人とmNBは共鳴化して、次々と、ネオU化してゆく。

 彼ら共鳴体は、宇宙に散らばってゆく。

 この宇宙の、多くの、地球型の惑星に、地球生命のコロニーが生まれてゆく。

 彼らは、この宇宙の破滅状況の監視者になり、この宇宙の探検者であり、冒険者となっていった。

 彼等の主たるエネルギー源は、豊富なX線などの放射線である。これらの素粒子線は、ブラックホール付近に多い。

 ブラックホールは、彼らにとって、砂漠に於けるオアシスの如きものである。

 地球におけるガソリンスタンド等と同等の、エネルギー補給場所でもある。

 ブラックホール(BK)とmNBは地球生命体を救った。

 来るべき、この宇宙の消滅と、より大宇宙への同化現象、それ以上未来の事は分からない。


 この出来事が、例えば、

 大宇宙の、大天の川の、大太陽系の、大地球の、大人間の子供の、子供の膨らませたゴム風船に孔が空き、大空気が漏れて、破裂する。

 唯それだけで、あったとしても。


 宇宙は、どこまでも無限で。神秘である。

 無限大であり、無限小である。


                  (完) 2020.10.12

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