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1話 始まりはイケメンと共にやってくる

初めて投稿します。上手く書けるかなぁの前に、ちゃんと続けてアップ出来るのかが今一番の心配ごとです^^;1週間に1回でいいから、アップ出来ますように(-_-;)そして、読んでくれた方に面白いと思ってもらえますように<m(__)m>


※R15を念の為につけさせてもらいます。申し訳ありませんが、年齢を満たしてからお読み下さい。

「ぐぇっ!まさか本当に?うそでしょ?」

 私は自室の鏡をまじまじと覗き込む。

 気のせいだと思いたいけど、どう見ても・・・

 いや!よく見れば顔だけじゃない。

 腕とか足とか首とか服に隠れていない色々な部分を見回す。

 すべてが明らかに、今までと違って存在していた。

 多分服の中も、もれなく変わっているんだろう。

 こんなことってあるんだろうか。

 いや、それよりも・・・・・やばい!これが本当ならやばい!!



 そもそもの始まりは、1週間前に遡る。



 世の中に、人への呼び方は多数あるだろう。

 女性に対してだと、お嬢ちゃん、お嬢様、奥様など、好意的な呼び方もあるだろう。

 おばちゃん、ならまだしも、おばはん、ババァ、クソババァなどなど。悪意があるのか照れ隠しなのかわからないが、伏せ字にしたいような呼び方もある。

 私はまあ、近所のお子様に「おばちゃん!」と呼ばれるお年頃。 

 口の悪い某ゲームのフレンドは、「ばばぁ!」と呼んだりもする。娘は高校生だし、祖母は最近、介護が必要ぽくなってきたところだし、☓☓歳だし………

 まあ、いいんだけどね?

 その日も、パートの仕事を終えて買い物をすませた夕方。

 祖母が寂しがってるかな、と帰路を歩いていたところに、ふいに後ろから声をかけられた。

「あの、………ちょっとよろしいですか?」


 若そうな男の声が、後ろから聞こえてきた。

 善意ある考え方をすれば、道を聞かれるのかもしれない。

 が、こういうのは大抵、アンケートと言う名のもとに何か物を売りつけようとするキャッチだったり、宗教の勧誘だったり……

 そんなことを一瞬考えながら振り向く。

 若くて、スラッと背が高くて、半端なくイケメンな男が、優しげな笑顔を私に向けながら立っていた。


 うわ!胡散臭!!

 やっぱりキャッチ…………いや、デート商法って線かな………

 古くからの友人に、若いころよく言われたものだ。

「あんたは世間知らずで、お人好しで、間の抜けたところがあるんだから、知らない人にウッカリ騙されたりしないように気をつけないとだめなんだからね?」と。

 おばちゃんになった今は、さすがにうっかり騙される事が無いよう自分で気を付けられるくらいにはなった。

(はずなんだけどね)


 道を尋ねられた線も、1%くらいは残ってるか?

 もしもそうだった場合、無視するのは社会的にダメだろう。

「はい?」

 当たり障りのないうすら笑顔を向ける。

 そのイケメンは、少しほっとした顔で、更に話しかけてきた。

「あの、いきなり声をかけて申し訳ありませんが、貴女、何かお困りな事はありませんか?」

 ん?お困りな事?

うわ、宗教か………やだなぁ。

 営業用うすら笑いはやめる。

 モロ嫌そうな顔をして、イケメンに返事をした。

「困ったことなんてありませんけど…。」

 ちょっと声を低く、きつい声を出す。ここ大事。

 残念だったね、イケメンくん。

 若い頃の私だったら、ついて行きたくなるくらい顔は好みだったけど、宗教の勧誘について行く程おバカじゃないよ。

 ごくごく普通の仏教徒だし。

 

 一応、「困ってない」と返事はしたんだからもういいだろう。

 ぺこりと頭を下げる。

 目を合わせないように気を付けながら、その場を立ち去ろうとすると、

「あ・・・あ、あ、あの・・・」

 イケメンのあわてた感じの声、と同時に目の前に立ちはだかられてしまった。

 背が高い。

 180センチは軽く超えてそうだ。

 いや、そういうことじゃなくて

「なんですか?」

 変に絡まれたら嫌なので、少しきつめに声をあげた。

 イケメンは嫌がられてるのが分かったようだ。

 ピタリと動きを止め、一瞬考えると、

「変な販売とかではありません。話を聞いてくれるだけで結構ですので・・・」

(よくある台詞だね)

「あそこで、お好きな飲み物やスィーツを食べながら、少しお話を聞いてもらえませんか。」

と、すぐそこのファミレスを指さした。

 ぴくっ!(いや、騙されたらいけない)

「お金とか預金とか、余裕ありませんから何も買いませんよ。宗教も、うちは仏教ですから。」

 我ながら変な断り文句だなぁと思う。

 が、ここまではっきり言えば諦めてくれるだろうと期待をもってイケメンを見る。

 イケメンは、まだ諦めていない目で、こちらをじっっと見ていた。

(う・・・・・)

「本当に、話をきいてくれるだけで良いんです。飲み物スィーツ類の代金はもちろんこちらもちですし、実を言いますと、こういう事は初めてなので、私の練習に付き合ってくれるだけでとても助かるんです。本当になにも売ったりしませんから、付き合ってもらえませんでしょうか。」


 イケメンが・・・・・

 芸能人でもここまでのイケメンは滅多にいないんじゃないかというくらいのイケメンが・・・

 熱い眼差しで、ね!ね!と同意を求めて見つめてくる。


(う~~~ん)

 ちらっとイケメンを見て、ちらっとファミレスを見て。

 少し離れたところからこちらに歩いてくる地域の住民らしきおばあちゃんを見て、

(揉めてるみたいに見られるのは嫌だなぁ)

「ほんとに話を聞くだけですよ?」

 と念を押すと、ぱあっ、とイケメンは顔を輝かせた。

「ありがとうございます!いくら食べても飲んでも構いませんから!30分くらいで話は終わりますから!」

 そうして私は、イケメンの話を聞くことになった。


(随分後で知ったことだけど、「初めてなので」「練習代わりに」とかいう台詞も、勧誘とか詐欺とかによく使われる“手”らしい。え?知るのが遅いって?いやwまあ、そうですね。)




 







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