表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

9、秘密の部屋

「わ、わかったよ東雲くん」

何度も頭を下げてくるその少年に、私はおどおどしてばかりいた。

「でも、お前を撃った...」

「で、でもほら! 私もう元気だよ? 傷だって塞がってるし」

「濡れ衣を着せた...」

「人違いくらい誰にだってあるよ! 大丈夫だって」

ど、どうしよ。これ以上なんて言えば...

あ! ていうか、

「そもそも、どこで銃を手に入れたの? Japanって銃は持っちゃダメって聞いたわよ」

「は? ああ、銃?」

はっと顔をあげると、東雲くんは困ったように髪をかきあげた。

「いやぁ...まあ、あれは...」

あれ、これ、聞いちゃダメだったのかな...?

「ご、ごめん! やっぱりいいよ」

「いや、いいよ。この音楽室も教えたし...って、まだなんも教えてねーな。よし」

パタンとピアノの蓋を閉じると、「一旦外に出よう」と東雲くんは言った。

「え? どうして?」

「この部屋の仕組みを説明するためだ。いいから出るぞ」

え、う、うん...




「忘れ物とかねーな」

廊下に出ると、当たり前だけど外はもう真っ暗だった。

「うん、大丈夫」

「よし、じゃあよくみてろ」

東雲くんは、音楽室のーーーーーー本来はあるはずのないーーーーーードアに、そっと触れた。


「」


スルスル、スル...

ドアが紐のように変形して、東雲くんの袖の中に収まっていく。

ひ、ひぇ...

「じゃ、Japanって常にこんなことがあるのね...」

「いやねぇから」

口から漏れた呟きを突っ込まれちゃった...

「この部屋は、俺だけが知ってる。いや...もうお前も知ったけどさ」

へ、へぇ...

「ここは、俺の隠し部屋みたいなもんだ。お前以外は誰も知らない。秘密を守ることは出来るか」

東雲くんの鋭い目が、私を見定めるかのように、じっと見ている。

「う、うん...」

「よし、ならいい。それじゃ」




☆☆☆





この学校には、あってはならないモノがある。

いや、あってはならないモノをもつものがいる。

音楽は、あってはならない。

音楽は、この世にはあってはならない。

それを持つものが、ここにいる。


それに関わるものも、ここにいる。





排除せねば。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ