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いつか翼になったら、一緒に

作者: 山永

恋人になって五年目。怠惰期もあったけど、結婚を考えるようになった最近。

私は今、一人暮らしの彼のマンションでくつろいでいる。

この場にいるのは私と、飲み物を用意してくれている彼だけ。


「ほい、コーヒー」


「ありがとう」


彼用のブラックコーヒーと、私の少し砂糖を入れたコーヒーを出してくれた彼にお礼を言って受け取る。

定位置のソファーでクッションを抱きしめながら、コーヒーをちびちび飲む。

適当にかけたテレビはバラエティーで、最近出てきた芸人が中堅の芸人に無茶振りされているところだった。


「この芸人最近良く見るな」


「旬だからねー」


何でも無い会話。この会話が好きと言ったら、ヘタレな彼は顔を赤くするかな、なんて妄想すると少し面白い。


「何笑ってんだよ」


「べっつにー」


「隠し事か!?正直に話せ!」


彼はオーバーなリアクションで私にのしかかってくる。

コーヒーをテーブルにおいて、のしかかってきた彼を押し戻そうとする。

しかし、彼は退く気がないのか、私たちの身長差も気にせず、体重を預けてくる。


「もー、重たいよ!!」


「隠し事した罰だー」


クッションと彼にサンドイッチにされている状態で文句を言うも、聞く気は無いようだ。

スキンシップの一環なのだろう、私も嫌ではないので、お互い笑いながらじゃれ付く。

暫くじゃれ付いていると、彼が私の下敷きにしていたクッションを取り払い、私を床に押し倒した。

正面から見つめてくる彼の目は真剣。

私は抵抗せずに目を瞑る。

徐々に近づいてくる雰囲気に、ヘタレな彼の顔が見たいな、なんて少し意地悪なことを考えてしまった。

実行しようものなら暫く自らキスなんてしてくれないから、しないけど。

ふわりと柔らかな感覚が唇に落ちる。

羽毛が触れ合うような、ふわりとしたキス。

甘いなんてのとはちょっと違う、心にあったかい羽みたいなものが降り積もる、不思議な感覚。

他の人では絶対出来ないだろう、彼とのキスが私はとても好きだ。


「何また笑ってるんだよ」


無意識の笑みに彼はキスを止めてしまった。

少し残念。


「ん?いやさ、貴方は私の羽なんだな、って思って」


「は?」


「貴方とキスをすると心に羽が降り積もるみたいで気持ちいの」


思ったことを口にすると、彼の顔が真っ赤になっていく。

それに笑みを浮かべながら、思ったことを続けていく。


「降り積もった羽が翼になったら、私どこまでも飛んでいける気がする」


「あんま飛んでいくなよ?」


「それは貴方次第!」


だからちゃんと繋ぎとめてね。


短編あげてみたかったので、一発書きですが書いてみました。

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