第九話「ギルドを探そう」
「ーーこれでよしと、それじゃギルドの受付でこの書類を提出してくれ。あとはむこうがやってくれる。」
「お手数お掛けしました。ありがとうございます。」
「いや、これも仕事だ、構わんよ。それじゃ俺はこれで。」
門番の人は完成した書類を俺に渡し、去っていった。
「ふぅ、意外と早く終わったなぁ。」
「えーそうですか?私としては、かなりかかった気がします。」
「いっても三十分だからなぁ、俺は一時間覚悟してたし。」
「そ、そんなにですか…な、ならはやかったんですね。」
俺たちはとりあえず言われた通りギルドを探すことにした。
「うーむ、全くわからんなぁ」
「あはは、門番さんに道を聞けばよかったですね。」
「だなぁ、しかし腹へったな。こっち来てから何も食ってねーし。」
「そうですねぇ、ご飯食べたいです。」
そういいながら歩くことしばし、何やらいい臭いが漂っていた。臭いの発生源を探ってみると、一際大きな建物があった。フォークとスプーンを交差させてある看板からして、飯屋なのだろう。
「とりあえず入るか。」
「そうですね。」
即答であった。空腹には勝てない。
なかにはいるとすぐ、二つのカウンターがみえた。
片方は何らかの窓口のようだ、もう片方にカウンター席のようなものがあることから、こっちが飯屋だろう。取り敢えず飯屋の方へいってみると、
「いらっしゃい、ご注文は?」
と、カウンターの奥にいた店員らしき女性に声をかけられた。注文といわれてもメニューがわからんがな。こんなときはあれだな。
「おすすめとかあります?」
「そうだねぇ、今日は若鶏の香草焼きだね。」
「じゃあそれ二人分お願いします。」
「はいよ、そこらの席に座ってて」
と言われたので、近くの空いていたテーブルに着いた。
周りにも何人か、飯を食べている人がいた。
しばらくして、さっきのひとが注文したものを持ってきてくれた。
ついでに質問をすることにした。
「すいません、俺たちは今日ここにきて、ギルドを探しているんですが、ギルドはどこかわかりますか?」
それを聞くと、彼女は笑いながらこういった。
「それならちょうどよかったね、あの隣のカウンターがギルドとしての受付になってるよ。」
「はい?」
店員さん、クレアさんの説明によると、ここは王都のギルドとなっているが、さすがに広すぎるので宿屋もやっているとのこと。
つまり、ギルド+宿屋+飯屋ということだ。なるほどちょうどいい、後で宿屋を探そうとしてたので手間が省けた。
これを食べ終わったら登録させてもらおうか。
「ふぅ、おいしかった。ごちそうさまでした。」
はっや!?もう食い終わってやがるこいつ!?




