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神に向かってI want you !  作者: 真田 蒼生
第一章「まずは安定を」
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第七話「盗賊撃退」

「てめぇら!動くんじゃねぇぞ!」


盗賊の親玉が、声を張り上げ、言ってくる。言われんでも動かねぇっつの。さて、どうしたもんか。下手に動いたら危ないよなぁ。

いま、俺たちの隣に馬車、それを複数の盗賊に囲まれている状況だ。

んで、下手に動くと奥に控えてる弓持ってるやつにズドン…詰んだかな?うぅむ、どうしたもんか…


「へへへ、手こずらせやがって、どうしてやろうか。」


そうこう考えてるうちにも、盗賊たちは囲んだまま距離を詰めてくる。

ん?囲む?……あぁこうすりゃいいか。


「″囲め″″氷壁″」

「うおっ!?なんだぁ!?」


俺は、スライム戦でも使用した氷壁を、馬車と俺たちを囲むように配置した。高さは三メートル位なので、これで盗賊たちは近づけない。弓を射ってるやつがいるが無駄無駄、矢なんぞで傷つくかっつの、意外と頑丈なんだよな、この氷。


「くっそ、どうなってやがる!」

「これでよしっと。さて、それじゃお頭さん?ちょっと話しねぇか?」

「あぁ!?」


おおこわ、まぁ手出しは出来ないからな、ビビるようなことはない。

ここからは俺のステーz…やめておこう。さて、交渉だ交渉。


「こっちとしては争うつもりとかないから見逃してくれないかな?」

「はぁ!?なにいってやがる!?確かに手出しはできなくなったがそりゃぁてめぇらも一緒だ!こっちが引く理由はねぇ!」


ふむ、まぁ確かに普通はそう考えるよな。だったら…


「"落ちろ""氷塊"」

「うおっ!?なんだ!?」


盗賊たちの頭上に氷の塊を作って落とす。あてる気はなかったから簡単によけられたけど。見事にビビったなぁお前ら…

まぁそれはいい、話を続けようか。


「これでわかったか?」

「な、なにがだ!」

「別にやろうと思えばお前ら殺せるんだぞ?それでもまだ俺たちを諦めてくれないのか?」

「ぐっ。」


今だ強気を保とうとする盗賊に、俺は脅しをかける。

まぁプラフだけどな、人死になんて見たくもない。ていうかエリーがやらせんだろう。これでやけになってきたらめんどくさいわけなんだが。


「…行くぞてめぇら」

「へ、へい!」


うっし、帰ってくれるみたいだな。あぶねぇあぶねぇ。

盗賊たちはそのまま姿を消した。


「あ、ありがとうございました。盗賊に追われてもうだめかと…」

「いえ!困ったときはお互い様です!」


馬車の所有者であろう商人風の男が礼を言ってくる。それに応対するエリー…お前何もしてねぇだろ。

どうやら商人は隣町から荷物を運ぶ途中で襲われたらしい。普通護衛をつけるんじゃないかともおもったが、どうやら近頃平和だったので、けちったらしい。それは運の悪いことで。


「そ、それでですね?ここで出会ったのも何かの縁。王都まで護衛してはいただけませんでしょうか?もちろんお礼はさせていただきますので。」

「あぁ、いいですよ。こちらとしてもありがたいですし。」


これ以上歩くのはあれだからな、それにお礼をくれるって言うし、悩む必要はない。ちなみにエリーは物珍しそうに馬車を引いていた馬を見ていた。


「では出発いたしましょうか。」


そして、俺たちをのせた馬車は王都とやらへむけて、動き出した。


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