最終話「後悔先に立たず?」
…あれから俺は王都へ帰り、エリーたちと合流した後、まっすぐにギルドへ帰った。アーサー?しらんよそんなやつ。ギルドには村に残った先輩方もいた。全員無事だったらしい。エリーたちには右手の指輪について聞かれたが、ごまかした。前からあったとか言ったら、簡単に騙されてくれたわ。
そして俺はベッドに入って、就寝した。
「おはようございます」
「…おはようございます。」
そして女神さんが夢の中で話しかけてきた。何度目だろうなこれ。
「無事試練の合格、おめでとうございます。」
「試練?」
「えぇ、前も言った通り、あのままのあなたにエリーを任せるのはすこし不安だったので。」
前っていつだ。聞いてないぞそんなの。
そう問いかけたら、言ったはずですと返された。
「え、でもー」
「いいました」
「いやー」
「いいました」
「…」
「いいました」
「わかりました。いいましたねはい。」
押し切られてしまった。まぁ合格っていうんだから問題ないんだろうからいいさ。うん。
「ところで勇者と魔王に選ばれてしまったんですが。」
「はい、そうなるように仕向けました。」
「デスヨネー。」
女神さんいわく、前に渡した魔法だけでは弱いということ。でもこれは過剰戦力じゃありませんか?
「最初はどちらかに選ばせるはずだったんですけどね?」
ちょっと魔力の調整に失敗しちゃって…と女神さんは申し訳なさそうにはなす。
「力は渡しましたが、くれぐれも使い方を間違えないように。」
「それは大丈夫じゃないですかねぇ。まず使いたくありませんから。」
女神さんの忠告に即答で返す。
それから少し雑談をし、別れの時間になる。
「では、これからもエリーをよろしくお願いしますね?」
そういって、女神さんは消えていった…。
…朝
「おい、ほんとうにこれでいいのであろうな?」
「もちろんです。わたしのデータベースによるとこうすれば男性は責任をとるという話を聞きます。」
…なにやらごそごそとうるさいな。
俺は目を覚まし、布団からはい出ようとした。
が
「わわ!」「急に動かないでほしいものです。」
なにやら体が重く、起き上がれなかった。
とりあえず布団をめくってみたところ、
「あ、おきてしもうたか。」
「作戦は失敗ですか。まぁいいでしょう。チャンスはあります。」
「…は?」
金髪と黒髪の少女(幼女?)が俺の体にのしかかっていた。
「おはようございますクオン様。」
「おはようクオン。」
「…だれだおまえら?」
「お忘れですか?私はアリスヴェルトです。」
「我はイリスヴェルトじゃ。」
「…あぁ。」
その言葉ですべてを察した。なるほど、喋れるってことはこういうこともあり得るわなぁ…。これもテンプレかな?
「とりあえず邪魔臭いからどいてくr」
「クオンさーん?私より起きるの遅いって寝坊にもほどがありますよー?」
「げ」
二人をどけようとしたとき、エリーが部屋に入ってきた。…こういうのもテンプレか?
「な、なにしてるんですかー!」
案の定、エリーの叫び声が響いた。勘弁してほしい。
「わ、私がほしいって言ったくせにーー!」
…その一言から間違いの始まりだったのかね?選択間違えたかなぁ。
俺はそんな後悔をしながらエリーに説教されるのだった…。
「聞いてるんですか!」
「あぁはいはい聞いてるよ…。」
まぁ、こんな生活も悪くない…のか?
これで 神に向かってI want you ! は終了です。
ここまで読んでくれた方、どうもありがとうございました。




