第37話「ほしくない強さ」
「いやいやいやいやまてまてまてまて」
まってほしい、さすがにない、これはない。え?なに?なんで台座から抜けてんの?俺を勇者に選んだんですか聖剣さん。魔王とかいないよな?てか、たしかに異世界から来たらそういうのお約束とかあるけど違うから。おれそういうの求めてないから。ノリで貰ったけどこの氷魔法も俺にとっては十分なチートだから。なんで戦った経験とか皆無なおれがあんな大群を相手に殿なんか勤めれるような戦いしてるんですかね?え?なに?ご都合主義?うわー、なぜかめちゃくちゃ説得力がある言葉ですね。…
「いやいやいやいーー」
「おいクオン!?」
考え込んでいたというか抵抗してたらアーサーに声をかけられた。んだよ今忙しいんだーー
「前見ろ前!」
「前ぉ?うおぉ!?」
正面を見ると作り出した壁一面に魔物の姿があった。氷はまだ持ってくれてるが所々に日々が入っている。てかあの重量を耐えてる氷ほんとチートじゃね?…いってる場合じゃねぇな。
「取り合えずにげーー」
そう言おうとしたとき、
パリーン
と言う音と共に、氷が砕け、魔物が押し寄せてくる。ちょっ!ヤバイヤバイ!
「クオン!振れ!」
アーサーがそんな指示を出した。そうだよ、こんなときの聖剣じゃねーか、この際選ばれたとかどうでもいいからまずはこの魔物を蹴散らしてくれよ!
おれは振りかぶり、一気に振り下ろした。
「おらぁ!」
とたんに、視界が白一色に染まった。ていうか目がやられた。
「目がー!目がー!」
前にもこんなことあった気がするがそんなことはどうでもいい。これはマジで見えない。あかんやつだ。ヤバイってこんな状況で戦いなんてできるかふざけんな聖剣なに味方の目を潰してくれてんだ。なにも見えねーよどうしようもねーよこのまま魔物に…って、あれ?
「あれ?なんも起こらない?」
呟いてみたがやはりそうだ。魔物は?なんでなにもしてこねーんだ?
…しばらくしたら目がなれてきた。そして、回りの状況を確認できたのだが…
「は?」
そこにはなにもなかった。いや、魔物が倒されたら出てくる魔石で地面が埋め尽くされてるくらいでなにもなかった。え、この魔石ってもしかして…
「…チートってレベルじゃねぇぞ…。」
さっきチートは要らないっていったが訂正しよう。こんな企画外寄越すなら普通にチート下さい…。
「…すっげーな」
おうアーサー、お前これをスゲーで済ませられるお前がすごいと思うわ。
マジどうしよこれ。
「…うん、王都に帰ったら王さまに渡して終わりにしよう。」
丸投げしよう。俺の手に終えない。
さて、取り合えずこれでもう大丈夫だろ。エリーたちのところに帰ろーー
「おいクオン!あそこ!」
あ?なんだよアーサー元々はお前がこんなもん持ってくるからこうなったんだぞどうしてくれんだよ…。
そう考えながらおれはアーサーが指した方向を見てみた。そこには…
「なんだあれ?」
真っ黒なオーラ?的なものを見にまとったこれまた真っ黒なマントを身につけたナニかがいた。
中二かな?




