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神に向かってI want you !  作者: 真田 蒼生
最終章「最後に試練を」
35/41

第35話「犯人」

「″貫け″″氷槍″」

「グァア!?」


襲いかかってくる園児と同じ大きさ位の…ゴブリンだろうな、それに向けて氷の槍を作り出し、撃ち出す。そしてそれは綺麗にゴブリンに向けて飛んでいき、突き刺さる。うぇえ…気持ち悪。


「っと、″阻め″″氷壁″」

「ギャン!?」


顔をしかめていた間に飛びかかってきた狼に対して、壁を作り妨害する。魔物は一瞬怯んだが、そのままゴブリンなどと共に壁を叩いて破壊しようとする。


「ばーか。″突き立て″″氷槍″」


俺は壁に手を触れ、命じ、壁から槍を突き出す。壁を叩いていた魔物たちはそのまま貫かれ、絶命する。


「うわぁ…」


自分でやっておいてなんだが、アップでみたためか、超気持ち悪い。とくに刺さっているのが氷だから、うっすらと中身が…うっぷ。あぁ気持ち悪。さて、敵さんの残りは…


「…うわぁ」


見なきゃよかった。結構倒したはずなのに、全然減ったようにみえねぇ。村人の方は大丈夫か?これ絶対いくらかあっちいったよな…。といってもこっちも一人でやるのはそろそろ限界がなぁ…え?何で一人なのかって?最初に魔法使ったことで、そのまま戦ってたらいつのまにかこうなったんだ。その場の勢いって怖いね。



「″貫け″″極光″」

「えいやぁ!」


こちらによってきた魔物を魔法で吹っ飛ばします。リナちゃんは雷を見にまとって殴る蹴るの猛攻です。早くて目で追えません。お陰で村人の皆さんは安全に移動できているんですが…。


「エリーさん!またきました!」

「むっ?」


むぅ、減らしても減らしても向かってきます。私の魔法がもうちょっと広範囲に広がればいいんですが…。いってても仕方ないですね。


「さぁきなさい!一匹一匹消し去ってやります!」

「その必要はねぇよ。」

「えっ?」

 

         

「クオンさーん!」

「ん?」


吐き気をこらえながら戦っていたら、名前を呼ばれた。エリーだ。リナもいる。


「えいやっ!」

「ギャオン!?」


リナは雷を見にまとい、殴って蹴って、エリーに近づく魔物を撃退していた。

…何してんだあいつら。村人の護衛頼んだのに…


「魔物からはなれてくださーい!」

「はっ?」

「はーやーくー!」

「お、おう…″阻め″″氷壁″」


言われた通り、魔法で壁を作ってから魔物から距離を取る。すると…


「はっ?」


突如放たれた光が魔物を飲み込んだ。そして光が収まったあと、そこには魔物はいなかった。…どう言うことだってばよ。


「ふぃー、やっぱ疲れるなこれ…」


声が聞こえ、その方向を見てみると、剣先に大きな岩?をつけた奇妙な剣をもった青年がいた。どうやら彼が今のをやったらしい。


「あんたもお疲れさん。村の皆を守ってくれてサンキュな」


青年が笑いながら話しかけてくる。しかし俺は反応できず、彼が持っている剣をじっと見ていた。

すると、青年が、


「これか?すげぇだろ?振るだけで今みたいな光を打ち出せるんだぜ!」


得意気にいってくるが、俺はそれを無視し、こう問いかける。


「それ、聖剣?」

「そうだけど?」

「……」


王様、聖剣泥棒見つけましたよ…。

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