表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神に向かってI want you !  作者: 真田 蒼生
第3章「時には波乱を」
26/41

第26話「人違いです」

「ーーただいま帰りました~。」

「ぜぇ…はぁ…お、重い…」


エリーはあのまま注文品を受け取り、クオン?に持たせ、ギルドへと帰った。

それをクレアとコレットが出迎える。


「あぁ、お帰りなさい。遅かったわね。」

「クオンさん、どこ行ってたんです?」

「はぁ…はぁ…え、あっ、ええと、なんと言いますか…」

「「?」」


クオン?が回答に困っていたとき、リナが寄ってきた。


「あ、クオンさん!帰ってきたんですね?まったく、どこほっつき歩いてたん…です…か?」


しかし、近づくにつれて、その歩みは止まっていった。

なにかに気づいたようで、リナはクオン?に、


「あの…どちら様ですか?クオンさんじゃありませんよね?」


そういった。


「「「え?」」」


クレア、コレット、エリーの三人は困惑する。

そして疑問をぶつけられた当の本人は、


「ええと…」


なんと言えばいいかわからないような感じで、頭をかいていた。



「…なにがどうしてこうなった。」


一方クオンは城の一室にいた。あれから馬車は城までいき、そのまま引っ張られこの部屋に連れてこられたのだ。

しばらくその部屋でおとなしくしていたらドアがノックされた。


「クオン様、失礼いたします。」

「…(もう驚かねぇぞ)」


入ってきたのはメイドだった。


「お着替えのお手伝いに参りました。」


そういうと、一着のスーツのようなものを差しだした。それは貴族が着るような装飾がいくつかついており、いかにも高額そうな物であった。まぁそれはいい、しかしいまメイドはクオンにとって聞き逃せないことをいった。


「着替えを…手伝う?」

「はい、なのでとりあえずその服を脱いでください。」

「ちょ、まて!いいつつ脱がしてんじゃねぇ!自分でするから!」

「何を言いますか。仕事です、観念してください。」

「わ、わかった!わかったからせめて、せめてズボンはくまでこっち見ないで!」


といった攻防?の後、着替えたクオンはとある場所に来ていた。

そこは…


「待っておったぞクオン。」


王様と謁見するための場所であった。そして、玉座には王であろう男性と、隣には女性(おそらく王妃であろう)さらに近くにリナと同じくらいの少女も控えていた。


「(ほんとどうしてこうなった。)」


クオンはなかばなげやりになりながら、王の前にひざまづいていた。

王はそんなクオンに声をかけた。


「顔をあげよ。」


そして、顔をあげたクオンをじっと見て、こういった。


「なぜ、無断で城を出た。答えよ。クオン・アルト・リディア、我が息子よ…」

「…」


いきなりこんなことを言われても、クオンはなにも言えなかった。


「どうした、答えよ。なぜ城を出たのだ。」


さいど問いかけてくる王に対しクオンはこういうしかなかった。


「…王様」

「なんだ。」

「…人違いです…」

「「「「…は?」」」」


そして、沈黙が場を支配した…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ