第二話「女神さま登場」
「な、何を言っているんですかあなたは!?」
「お前がほしいって言ってる。」
「で、ですからそれが…」
真っ赤な顔で話す少女に対し、俺はあくまで笑顔で対応した。
「お前いったよな?なんでもくれるって。」
「い、言いましたけどでもそれは…」
「それは?」
「え、えとえと…」
言葉の詰まっている少女に対し、俺は容赦なく追い打ちをかけていく。
「おいおい、まさか仮にも自分を神様とかいうやつが自分の言ったことを守れないとかないよなぁ?」
「う、うぅ…」
何も言えなくなった少女は俯き、沈黙する。
いやぁ楽しいわ、最近こんな風に弄り倒せる相手いなかったからなぁ。
「ーーそ、そうです!」
「お?なんだ?」
しばらく待ってやると、ばっと顔をあげ、
「私にはこの人の生死を管理する仕事があります!あなたと一緒に行くことは無理なんです!」
どやっ!とでも言わんばかりの顔でそういってきた。なるほど仕事か、うまい言い訳だな。
「だ、だから私ではなくほかの何かをー」
「まだ死ぬ予定のないやつ殺しておいて同じ仕事ってできるもんなのか?」
「はぅぁっ!?」
簡単に論破できるがなっ!
「え、えーと、それは女神様に聞いてみなければ…」
それからまた少女は黙ってしまった。うぅむ、潮時か。
面白かったがやり過ぎは良くないからな。
「冗d」
『なかなか面白い話をしてますね。』
冗談だ、と言おうとしたら女性のような声に遮られた。
そして、突然の発光!目が~目が~…いってる場合じゃない。
発光が終わると俺たちの横に(壁ドン継続中)女性が立っていた。
白銀の髪、染み一つない肌、抜群のプロポーション。
まさしく美女と言えるだろう。
「ええっと、どちら様でしーー」
「女神様!」
呆気に取られている間に、少女は壁ドンから抜け出し、女性の後ろにかくれた。結局やり過ぎたか。
「あらあら、エリーちゃんから来るなんて、珍しいこともあるものね。」
「女神様!あの人どうにかしてください!」
「ええと、ごめんなさいね?私も途中からしかみてないの、詳しく説明してくれないかしら?」
エリーと呼ばれた少女が説明をする。うぅむ、不味いな。これじゃ俺が悪者だな。
「なるほどねぇ。そこのあなた」
「っと、はいなんでしょう?」
どうしたものかと考えていたら声をかけられた。
彼女は手をグーにしこちらに向け、親指を立てた。
「よくやってくれたわ。」
「あなたもこちら側でしたか。」
「女神様ぁ!?」
俺も、親指を突き立て彼女に向けた。
少女の方は裏切られた顔をしていた。
いやぁ、趣味が合う人とあえて嬉しいねぇ。




