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神に向かってI want you !  作者: 真田 蒼生
第二章「たまには刺激を」
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第十八話「依頼を受けよう」

「ーー依頼を受けましょう。」

「…はい?」


この世界にきて約2週間がたち、仕事にも慣れてきたとき、休憩中にエリーがなんか言い出した。理由を聞いてみると…


「だってこの2週間、私はずっとあそこのテーブルに座ってけがを治してるだけなんですよ!?そろそろ退屈になってきました!」

「はぁ…」

「だからちょっとした刺激とは言いませんが、息抜きがほしいです!」

「それで依頼をしようと?」

「はい、そうです!」

「なるほど、べつにいいんじゃね?」

「はい!ではさっそく…」


とりあえずめんどくさかったので許可を出して仕事の続きをしようかと思い、カウンターに戻ろうとすると、


「え?どこ行くんですか?」

 

と、ガシッと腕をつかまれた。


「どこ行くって、仕事に戻るんだよ。」

「え?いやいや、依頼はどうするんですか?」

「いや受けるのオマエだろ?俺は知らん。」


まさかこいつは俺も一緒に受けるとでも思ったのか?やだよめんどい。


「えー、でも一人でやるのはちょっと…」

「ならそこらにいる人たちに一緒に行ってもらえばどうだ?」


…余談だが、エリーは仮にも女神さんの同類ということで、美少女と言えるだろう。それでいて人当たりもよく、頑張り屋。そんな健気な少女が営んでいる治療の仕事は、ほとんど独り身の冒険者としては、心のオアシスと言えるのかもしれない。…何が言いたいかというと、今ギルドでエリーは、めちゃくちゃ人気がある。そんな中俺はエリーにここにいる冒険者と一緒に行けといったのだ。当然、周りの奴らは期待のまなざしでエリーを見つめている。…だが、


「えっと、だいたいの冒険者の方々はちょっと…」

「ちょっと?」

「雰囲気怖くて…一緒に行くのは無理です。」


うわこいつ直球で無理って言ったよ。そこはもうちょいオブラートに言おうぜ?周りの連中みんなテーブルに沈んでんぞ…無自覚かこれ?これがうわさに聞く鈍感というやつか…。

俺は初めて見た鈍感属性持ちに対して、これは迷惑だなぁと思いつつため息をつき、


「わぁったよ、明日でいいか?」

「は、はい!ありがとうございます!」


仕方ないので了承してやった。


「とりあえず今のうちにどんな依頼があるか見ておくか…」

「あ、そうですね。」


と、いうことでFランクの依頼を見てみた…孤児院の手伝い、薬草採集、スライム討伐などなど簡単そうな依頼ばかりがあった。エリーの希望は町の外に出たいとのことなので、薬草採集にすることにした。え?スライム討伐とか?荒事はできる限り避けるべきだ。といっても、森に入ることになるから街道と同じくばったり会ったりするかもしれないが…

とりあえず、依頼を決めたので、今日はいつも通り仕事をすることにした…。


…仕事途中「明日は護衛の依頼が入ってしまった。」とか、「森で魔物の駆除をしなければならない。」とかいって、もともと予定していたのであろう依頼を辞退する奴らを見かけたが…まぁ気にするまい。

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