第十七話「調子乗んな」
今度から火曜日も投稿していきたいと思っています。
以外と登校中に書いてたら溜まりますねw
「ふぃー…」
その日の夜、俺はギルドの向かいにある銭湯でゆったりしていた。よかった、湯とタオルだけ渡されるような展開じゃなくて…きちんと風呂文化があってよかった。ちなみに銭湯の値段だが、一人銅貨一枚(100円)となっており、かなり良心的。そしてまさかのコインランドリーではないが、こちらも銅貨一枚でたらい一つ分の洗濯を請け負ってくれる人もいた。
そしてさっぱりした俺は、ギルドに帰っていた。エリーも一緒に来ていたのだが、俺のほうが先に出ていたので一足先に帰らせてもらった。女の長風呂を待つのも男の甲斐性?いや、別に彼女とかじゃねーし?知らんよ。そして、その後10分ぐらいたって、エリーが帰ってきた。いかにも怒ってますというオーラ?を出しながら。
「なんで待っててくれないんですか!」
「いや、10分も待ったら湯冷めするわ。待ってられるか。」
「ぐぬぬ…」
エリーの文句をバッサリと切り捨てた後、とりあえずエリーの今日の収入を聞いてみることにした。
「ふっふーん、驚かないでくださいよー?なんとですねぇ?なんとー、」
「はよいえや。」
「むぅ、ちょっとくらい付き合ってくれてもいいじゃないですか。」
「はいはい、んでいくら?」
「…合計で約金貨1枚分ですね。」
「つーことは10万か、めちゃくちゃ儲けたなぁ。」
まぁ、あの後めっちゃ人来てたからな、こんなものか?
「ふっふっふ、どうですか?たしかクオンさんの一日の稼ぎって大銀貨1枚でしたよね?」
「…あぁ、そうだが?」
「ですよねぇ!私今日一日でクオンさんの10倍稼いじゃいましたよ!どうですかどうですか?!」
どや顔でそう言ってくるエリー…むかつく。
「そうだなすごいな、こんだけ稼ぐなら俺と一緒の部屋で寝ることも、ご飯を食べることもないな。」
「そうですよねぇ!…え?」
「さっそく今日からクレアさんに部屋別にして、飯は自腹で食ってもらおうか。」
「あ…え?」
「よしそうと決まったらクレアさんに言ってくるか、んじゃちょっとまってろ」
「え、ちょ…ちょっとクオンさん?」
「まぁ今更部屋空いてないかもしれんか、大丈夫だよな、それだけ金があればギルドじゃなくてもどっか借りれるさ、まぁこの時間に受け付けてるかは知らないがな。」
「あ、あのですね?これはあれですよ?ちょっと言ってみたかったといいますか。」
「いや気にするな、そうだよな言ってみたくなるよな?俺もそういうことあるし?」
「で、ですよねぇ?そ、それじゃーー」
「ーーでも自分の言ったことに対しては責任取らないとな?だからとりあえず今日から部屋を実際に別々にーー」
「ーー調子に乗ってすいませんでしたぁ!」
いつの間にやらエリーが土下座していた。どうでもいいけど見た目17歳の少女に土下座させる20歳ってどうなんだろうか。
「んじゃ、明日からも頑張れな、初日でそれだけ稼げるなら、生活に困るようなことはないだろう」
「は、はい。」
うっし、これで俺もエリーもちゃんとした仕事につけたな。やっぱどんな世界でも安定ってのは大事だからな。小説みたいな生活はぼちぼち楽しんでいけばいいさ。さて、明日からも頑張ろうか…。




