第十三話「一日目終了」
「ーーはい、お疲れ様。これで今日の仕事は終わりよ。」
「「お疲れ様でした~」」
「さて、それじゃ結果を言わせてもらうわね。クオンくん採用、エリーちゃん不採用。」
「ありがとうございます。」
「で、ですよね~あはは。」
「ごめんね?取り敢えず今日の給料渡すから。」
現実は非情である。
給料として、大銀貨を1枚ずつもらった。ふむ、日給一万、それに飯と宿つき。破格過ぎてあとで何かあるか疑っちまうな。
「それじゃあとは詳しい予定だけど…」
そこから俺は説明をされた。
住み込みは部屋を一つ貸すからそこにすること。
賄い飯は材料を渡すから自分で作ること。
いきなり何かあったが、それくらいなら問題はないな。伊達に二年一人暮らししてない。
そして、これが一番大事なこと…休日についてだ。
なんと、その日出るかでないか、自分で決めれるとのこと、働いた日だけ日給を払うようだ。これはいい。
速攻で俺はここに完全就職を決意した。
「あはは、私はどうしましょうか。」
あ、エリー忘れてた。
「そうだねぇ、採用はできないからただで部屋は貸せないね。」
「そうですよねぇ。」
「でも、」
クレアさんが続ける。
「食事の材料は使い放題だから間違えて二人前作ったりするかもしれないねぇ。」
「え?」
「それに貸した部屋に何人で入ろうと私は気にしないねぇ。」
「あ、」
この職場、まじホワイト。クレアさんいい人だ。裏があるとか疑ってすんません。
「ありがとうございます。それじゃ取り敢えず飯作ってきますね。俺よく食べるんで二人前。」
「あぁ、いってらっしゃい。」
俺は厨房に入り、材料を見てみた。ふむ、米にベーコンのブロック、卵…炒飯でも作るかね。
「「ーーいただきます。」」
「…おぉ、美味しい!人はみかけによりませんね!」
自作の炒飯は好評でした。こいつ…
今度辛めのもの作るか。
そのあと、俺たちは貸し出された部屋へ向かった。
「おお、意外と広いな。」
「ですねぇ、最初から二人部屋だったんですかね?ベッド二つありますし。」
「うーむ、クレアさんまじいい人だなぁ。」
とりあえずベッドに腰掛け、今後のことを相談することにした。
「とりあえず明日は必要なものを買いそろえるか。着替えとか。」
「ですねぇ。」
「あとお前は仕事を決めろ。ちなみに依頼は許さん。」
「うっ、わかってますよぉ。でもなんで依頼はダメなんですか?あ、もしかして怖いからとかですかぁ?」
エリーがにやにやしながらいってきた。
「ふむ、そんじゃ聞くが、お前は安定して金をもらえるのと、もらえる金が安定しないの、どっちがいい?」
「え?そ、そりゃあ安定したのが…」
「だろう?そういうことだ。」
「どういうことですか?」
「…お前にゃ難しかったか。ま、とりあえず仕事を見つけろよ?んじゃおやすみ~」
「えっ!?ちょ、ちょっと?どういうことですか?!」
エリーが騒いでいたが無視だ無視。おやすみ~。
「ーーおはようございます。」
「…はい?」
…気がついたら目の前に女神さんがいた、何をいっているかわからないとおもうが(以下略)




