第十二話「依頼<<<仕事」
とりあえず、ボードの依頼とやらを見に行ってみることにした。
「ええと、なになに…『薬草集めをお願いします』、『スライムの駆除を…』、『探し物をしています』色々あんなぁ。」
「そうですね、でも、討伐系?も比較的簡単そうですよ?」
「うーむ、俺としては荒事は避けたいんだけど。…そういや仕事ってのもあるんだったな、どう違うんだ?」
とりあえず俺は仕事と書かれた紙を探し、読んでみた。
「あぁあったあった、『本屋で店番』『運送業手伝い』…」
「え、えーと?」
…求人広告じゃねぇかこれ…なるほどこりゃ仕事だ。
「っと?『飯屋兼宿屋の手伝い』…クレアさんも出してんのかこれ」
俺は、後ろを向き、働いているクレアさんを見てみる。手伝いってあれだよな。ウェイター。ふぅむ、
「つまり、ギルドには依頼と求人、両方の斡旋をしてるのか…。」
「みたいですね、でも私たちは依頼をしましょう!薬草探しとか行けそうじゃないですか?」
エリーがなんか言ってるがスルーしとこ、うぅむ。
「…あれ?クオンさーん?」
「…とりあえず話聞いてみるか。」
「えっあっ、そうですね、コレットさんのところへ行きましょうか。」
俺たちは回れ右をし、カウンターのほうへ近づいていく。
早速来たか、とでも言わんばかりの顔でこちらを見ているコレットさん。
「すいません、ボードを見て来たんですが。内容を詳しく教えてもらっても?」
「え?」
おれはそれを無視し、宿屋のカウンターで休息をとっていたクレアさんに話しかけた。
「「え?そっち?」」
コレットさんとエリーがシンクロしていたが気にしない。
荒事じゃなくてきちんとした仕事があるなら、そっちを選ぶだろJK。冒険者なんて博打に近いだろ。ギャンブル、危ない。
「ーーいらっしゃいませー」
「お待たせしました、エールとブランチビーンズとなります。」
「合計銀貨8枚です。」
「ありがとうございましたー。」
…その後、俺はクレアさんから仕事の内容を聞き、とりあえず仮採用ということで、すぐに働きだした。
貸し出された制服(白シャツ+白ズボン+腰に黒いエプロン)を着て、客の対応をしている。
前に居酒屋でバイトをしていたことがあったので、割とスムーズに動けている。
…それにくらべて、
「い、いらっしゃいましぇ!…あぅぅ。」
「お、お待たせしましあっ(ガシャーン!)す、すいません!」
「合計がええと…銀貨8枚?あ、9枚ですすいません!」
「あ、ありがとうございました…。」
何してんだあいつは…。噛むわこけるわ計算ミスするわ…ドジっこか。あざといさすが神あざとい。ちなみにあいつの制服はなぜかメイド服である。狙ってんのかね?あざとい(以下略)
まぁ何はともあれ、この仕事ならやっていけそうだし、生活に困ることはないかな…。(なんとこの仕事、住み込み+飯付きだ。)この分だと採用は問題ないだろう。
「(ガシャーン)あ、あぁすいません!」
…訂正、俺だけなら採用は問題ないだろう。




