第十一話「ギルド登録」
「えっと、ギルド登録をお願いしたいんですが、あ、あとこれを渡してくれと言われました。」
「えっあっはい、わかりました。拝見させてもらいますね。」
受付のコレットさんに門番からもらった書類を渡す。
なぜか慌てたコレットさんは、すぐに調子を取り戻し、笑顔で対応してくれる。あの男への対応とは逆だな。まぁあれだけ言い寄られたらそうもなるだろう。嫌われてんな、ざまぁ。
「ええと、クオンさんにエリーさんですね。少々お待ちください。」
コレットさんはそういうと、奥に引っ込み、箱形の何かをもってきた。
「お待たせしました、では登録の前にいくつかの質問をさせていただきますね。」
そういって、彼女は「犯罪歴はあるか」等の質問をしてきた。
「質問は以上です、はい、問題はないですね」
偉く簡単に信じるな…その箱は嘘発見器だったりするのかね?
「これでよしと、それではまずクオンさん、そこを動かないでくださいね。」
「え?…おわっ!?」
動くなと言われ困惑していたら強烈な光が俺の目を襲った。目がー目がー!
「はい、オッケーです。続いてエリーさん、いきますよー?」
「えっ、わっ!?」
俺が苦しんでいる間にエリーも同じことをやられたらしい「目がー目がー!?」と叫んでいる。天丼。
「よし、完成です。ではこれをどうぞ。」
コレットさんから何かのカードのようなものを渡された。
それには免許証のように、名前と俺の写真が表示されていた。
「それカメラかい!」
俺の叫びがむなしく響いた。誰だよ嘘発見器とかいったやつ、出てこいよ!…にしてもこれは…
「あーっと、コレットさん?ちょっといいですか?」
「はい、なんでしょう?」
俺はカードを彼女に見せた。特に写真部分がよく見えるように。
写真には、金髪で、イケメンの部類に入るであろう俺の顔が表示されてあった。(誰がナルシストだ。)
それだけなら問題はないだろうが、一つおかしい点がある。
そう、目だ。さっきのフラッシュで、見事にまばたきしてしまったので、目をつぶった写真がバッチリとられていた。これは恥ずかしい。
「取り直しってできないんですかね?」
「できません。」
「?どうしたんですか?…ぶっ」
即答だった。ついでにエリーが俺の写真をみて吹き出し、爆笑してる。覚えてろよ。
「いや、これだと本人か確認するときに支障がーー」
「どうしてもとおっしゃるなら別料金が掛かりますが?」
「ぐっ!」
まじか金かかるのか、やだなぁ。嫌でもこのまま間抜けな写真で登録するのもやだなぁ。どうするよおれ?
「…ふふっ、冗談ですよ。」
しばらく唸っていたら、コレットさんが笑いながらそういってきた。
「すいませんね、すぐとりなおしますので。」
「コレットさん…いい性格してますね。」
「ありがとうございます。」
そして再度取り直し手もらった俺は、ギルドカードの説明を受けた。
まず、身分証の代わりにできること。そして、かかれている内容は、氏名、年齢、ランクであること。
ランクとはギルドでの階級を表すもので一番低いものでF、高いものはSとなっている。(F>E>D>C>B>A>Sとなっている。)
最初のランクはF、そこから依頼の達成におうじて、試験をうけて、あげていくらしい。
それで俺は、自身のカードを見てみた。
『クオン 20歳 ランクF』と、簡潔に書かれていて、顔写真が貼ってあった。
少し長めの金髪、整った容姿(客観的意見である、決してナルシストではない)そして、目を引く青目…いやこれ青というか水色だな…ん?
「目の色変わっとる!?」
いったいどうなってるんだってばよ!?俺の叫びは無視され、コレットさんは説明を続けた。エリーに聞いてみたがわからないらしい…ま、まぁ転生の不具合なんだろう。そう思っておこう、うん。
「では、これで説明は終了です。」
「あ、ありがとうございました。」
「いえいえ、それではあそこにあるボードにはってある依頼から、やることを決めたらまた受付に来てください。」
「わかりました。」
コレットに礼を言ってボードを見てみようとした俺たちだが、不意にコレットさんから声をかけられた。
「あ、『仕事』をする場合はこちらではなく、その場所に直接いってくださいね。」
…仕事ってなんぞ?




