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TASさんが異世界に転生したそうです(コメント解説版)

作者: TAS (speedrun) with black box

 

 

 こんにちは。本日は、異世界転生をやっていきたいと思います。

 使うユニークスキルは、テキストスキップ、壁抜け、オートセーブ、リセットバグ、仕様ミス、物理演算導入です。この世界の管理者様に無理を言って色々つけてもらいました。そのぶんの成果を見せてあげましょう。


 まず一番最初に赤子として生まれるのですが、ここで注意すべきは、赤子の意識があまり安定していない、というところです。

 このまま泣き続けていけば、おそらく数分後には一度自分の自我を失い、気がつくと一年後、ということになりえるでしょう。

 タイムロスです。

 そこで、ユニークスキル「オートセーブ」を利用します。

 このオートセーブは、今後とも多用するのでお忘れなく。

 スキル「イベントスキップ」は入手していないので、ここではそれを使わない方法を用います。

 まず最低三秒。三秒泣くことによって、周囲の方が次々に自分の顔を覗き込むフラグが立ちます。

 このフラグに入ると動くことができません。しかし、最低三秒泣かないと次の動作をすることができないのも事実。

 それゆえ、ここはリセットコマンド入力速度が必須になってきます。

 リセットコマンドはスキルではないのであしからず。

 オートセーブの効果で今リセットしても、肝心のタイミングまで出来事を飛ばすことができます。

 なので、ぱっぱとやってしまいましょう。

 こちらを不審に伺う乳母さん。

 申し訳ありませんが、さよならです。

 おや、意識が消える直前に確認したら、どうやら男の子として生まれたようですね。

 新鮮です。


 さて次に意識を取り戻した場所が商人の馬車です。

 これも不可避なことですが、しかしチュートリアルです。

 ユニークスキル「仕様ミス」を用いて飛ばします。

 仕様ミスにより、この世界にはデバッグモードがあります。

 デバッグモードは、本編の大まかなイベントが正しく進んでいるかを確認する動作のようですね。

 なので、コマンド操作。

 屋根の上に移動しましたね。Z軸の座標は同じ高さなんでしょう。

 ここから物理法則を無視して目まぐるしく移動します。

 わざわざ別な場所に出力されなおさないところに、好感が持てます。

『剣を抜きますか?』

 スキップできるテキストではないようなので、ひたすらに頷きます。

 相当な数頷こうとしても、動けないのは流石、世界の声が関連する出来事だからでしょう。

 目の前にある岩の祭壇の剣を抜きます。こちらも自由に操作できません。

 神官さんが近づいてきましたね。適当なところでスキル「テキストスキップ」を使って、会話を中断させます。

『――称号:勇者を獲得しました』

 さて、旗が立ったのでリセットしましょう。

 オートセーブの効果で、次に出てくるのはどこになるか。


 王城のようです。

 いきなり謁見の間のようです。

 世界の管理者の手抜き感がいなめません。

 さて、では早速テキストスキップと連続首肯です。

 これで大体は何とかなります。序盤ですから、複雑な選択を求めてはきません。

 ファンファーレが鳴りましたね。


 さて、仲間探し・・・の前に武器新調です。

 相手の説明に関しては要点をかいつまんで話して首肯を繰り返して起きます。

 ここのタイムロスは残念ながら回避できません。

 なのでとりあえず諦めます。諦めますが、そのぶん後で取り返します。

 女中さんが出てきました。

 この女中さんの話しをテキストスキップで早回しし、壁に行きます。

 体当たりします。

 ひたすら体当たりします。この際、自分の体の判定が仕様ミスで一部壁を抜けていることを確認します。位置がシビアなので何度も当り調整しましょう。

 成功です。

 裏世界へ抜けました。

 では、建物と建物の境目を行きましょう。

 抜けました。武器屋に行きましたね。

 一応、武器屋の親父さんの顔を見ておきましょう。

 ワイルドだろう?

 何か言ってきますが、無視して展示されているアイテムを見ます。

 そのうち、鍵がかけられて接触不能な一品がありますので、その手前で待機です。

 錠前を手に取りながら、こねこねといじります。

 調整です。これをすることにより、リセットをかけた際「この装備を身につけていた」と世界が認識するようになります。

 はい。判定がガバガバです。ここら辺も仕様ミススキルの効果ですね。

 後はリセット。


 女中さんに話しかけられるところでセーブがかかっているので、その時点で自分の身体を確認します。

 素晴らしい、魔王を倒した後にしか装備できない武装です。

 

 ここで改めて仲間探し・・・ですが、おや? どうやら仲間を選択しなかった際にも、イベントで増える様子。これは、止めましょう。

 テキストスキップの際、首を左右に振り続けます。どうせ聞かれることは目に見えて居ますからね。この関連のイベントは無視です。それでも実際に選択できるタイミングまで首を触れないのは仕様でしょう。

 さて、クエストの確認をされました。

「クエストに挑戦しますか? 警告の谷 恐れの砦」

 砦の方がステップが少ないので、砦を選択します。 

 馬車で待てといわれましたが、普通に移動すると時間がえらくかかるので、ショートカット。

 壁を聖剣で斬りつけます。

 一発で成功しましたね。

 主に聖剣に関連する物理演算の反射バグは、判定が甘いので素早く行えます。

 壁抜けと大違いで助かりますね。

 王城の壁は当り判定こそありますが、ダメージ判定がないので激突後、そのまま身体が落ちます。

 天井は仕様ミス・・・というより管理者の手抜きで判定事態がもうけられていませんね。

 ここで二秒。リセット。

 気が付けば砦。

 念のため背後を確認しましょう。

 鎧騎士と弓兵の女性さんですね。

 パーティ欄を見るまでもなく、これで仲間までは終了です。


 クエストは継続しなくとも話が進められるので、クエストを中止します。

 これで城の入り口まで戻りました。転移魔法か何かでしょうか。行きの方でも最初からやって欲しいところです。

 さて、空から魔王が現れました。

「ふん、これが勇者か、他愛ないな。我の金縛りで動きを封じられる程度で――」

 クエスト失敗を責められているようですが、仕様ミス発動。

 聖剣を使いたいとひたすら念じ続けると、あら不思議。タイミングが一瞬ずれて、魔王様の金縛りが自分だけ解除されます。

 仕様ミスも継続していて、魔王も魔王で台詞から逃れることが出来ないようです。

 残念ですね。目で驚愕していますが、身体は言うことを聞いてくれないようです。


 頭を勝ち割ると、仕様ミスのせいか魔王城へ。どうやら一戦目で倒したという扱いになったようです。

 いくら仕様ミスをスキルにしたからといえど、この世界の神様、管理者様は手を抜きすぎですね。

「ぐ……、このまま私を……、このぉ……」

 ここで台詞を早回しにすると、毒煙を吐かず進行不能になるので、放置です。

 仲間たちは可愛そうですが、本来は最初のクエストの際限定の仲間たちだったので、魔王を倒した後は自動的に復活していることでしょう。ここら辺も仕様ミスですね。

 さて、毒はノーダメージです。

 次に魔王は変身します。

 このロリコンどもめが! というコメが流れそうです。

 さて、物理演算導入を使いましょう。

 聖剣に関するバグがあまりに多すぎるため、全てを把握してませんが、とにかく魔王の身体は毒扱いですが、実は安地があります。

 天井と魔王の間です。

 実はここから攻撃が通せます。本来は通常の身体にあるコアをいくつか破壊してようやくそこをさらけ出すようですが、別に隠してはいないようなので、無視です。

 地面を聖剣でたたきます。

 やっぱり、すごく跳ねます。この際、騎士さんの腕に自分の足が乗るよう位置調整するのがポイントです。

 さて、大体魔王の頭上近くに飛ばされました。このまま行けば落ちるだけです。

 そこで、聖剣を魔王に突き刺します。

 ちょっと位置的に魔王の弱点ぎりぎりの位置ですね・・・。あ、成功しました。

 判定に失敗して、聖剣の動きにこちらの身体が振り回されます。

 安地に入りました。後はこのまま剣をかまえていれば、延々魔王の弱点に攻撃が入り続けます。

 ね、簡単でしょう?

 あ、終わったようです。


 空が明るくなります。黒い霧が張れます。残念ながら飛ばせません。

 弓兵さんの台詞は早回し。

 さて、私も台詞を強制されていますので、言うだけ言いましょう。

「長く、苦しい戦いだった。王女も死に、魔王も死に、多くの命が失われた戦いだった」

 ではみなさま、次の機会に。


『――称号:世界を救いし者を獲得しました』



 

 

連載化はしない。実際、慈悲はない。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤字報告 適当なところでスキル「テキストスキップ」を使って、会話を中段させます。 中段× ↓ 中断○
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