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投擲×武器

 闇に乗じて敵地深く潜入した戦闘員が、無音のままターゲットに近づく。その部屋の前には見張りが一人、AK-47Sをスリングに吊るした屈強なゲリラ兵が周囲を警戒している。

 通路の角から見張りの位置を確認した戦闘員は、胸に挿した大型のナイフを音もなく抜くと通路に身を出しつつ投擲!

 次の瞬間、見張りの首に突き立つナイフ、急いで近寄ると、崩おれる男を支えて地面に横たえ、首からナイフを抜いてドアに向かったーー


 投げナイフは男のロマン!

 無人偵察機やロボット兵など糞食らえ!男は黙ってナイフ一丁ど根性!


 嘘です、ナイフ一丁で現代兵器に敵うわけないですよね。特に米軍の最新兵器特集とか見ると、敵対する兵士が可哀想になります。


 でも!投げナイフにロマンを感じてしまうのは私だけじゃないでしょう。


 ボウイナイフの語源となったジム・ボウイは、銃全盛のアメリカ開拓時代に投げナイフで数々のガンマンを倒しました。

 彼の使っていたナイフが現代でも主流となっている位、使いやすさと共にカリスマ性もあったんでしょう。


 そして、古代インドの戦場ではチャクラムが敵の首を裂き、日本では忍者が手裏剣片手に戦国の暗部を駆け巡ったに違いない、だろう、たぶん。


 投擲武器は何と言っても、手の内に隠せる位の物で、あっという間に遠間の敵をやっつける事ができるというロマン。


 更には単純な構造でサイレントキリングできるというロマン、軽装でも実は装備していたというロマン、そして極めつけは針の穴を通す神業的な投擲技術というロマンがあります。


 なんともロマンに満ち溢れた武器と言える投擲武器。藤岡弘が棒手裏剣を持ち歩いているのも納得ですね。


 2010年にグルカ兵が少女に乱暴しようとした列車強盗10名以上をグルカナイフ一丁で撃退したニュースが一時話題になってました。

 グルカナイフはあまり投げて使わないらしいですが、銃を持った集団をナイフ一丁でやっつけるとはなんともロマン溢れる話です。


 実体験では、十年以上前にアトランタ・ナイフショーに行った時、余興の一つとして、スローイング・ナイフのアメリカチャンピオンがやって来て実演しているのを見たことがあります。


 実に見事な腕前の彼は、10m位離れた9枚のトランプに次々とスローイング・ナイフを突き立て、更に一つのトランプに何本ものナイフを突き立てました。


 彼のナイフを見せて貰ったら、ステンレス鋼の全長30cm、厚さ4mm位の板状の物で、結構重かった記憶があります。


 それ以外にも、半月刀のようなマチェットを刃を上にして持ち、鎌の様に投げつける人も居ました(三人でパフォーマンスしてましたが、もう一人がどんな事をしたか忘れました)

 その威力たるや、人間などひとたまりも無いと思わせる迫力で、アメリカすげーっ!とたまげた記憶が有ります。


 アメリカでは様々な手法の狩りが許可されていて、その中にはナイフ・ハンティングなるスローイング・ナイフによる狩りもありますね。

 兎に角アメリカの田舎の人は狩りが大好きで、ボウ・ハンティングや投げ槍など、銃以外の方法も色々あるみたいです。


(日本では一般的に銃か罠猟しか認められない、だから矢ガモは問題となる。問題は可哀想だからでは無い、何故なら銃猟でも半矢と呼ばれる撃ち漏らしは日常的に起こっているのだから)


 カタログを見ると、様々なスローイング・ナイフがあって面白いです。

 中には誰が投げても真っ直ぐ飛ぶという宣伝文句の、バトミントンの羽根を長くした様なハンドルのナイフもありました。


 アメリカの鍛治学校があったテキサカーナという町は、リプレイス・タウンという、西部開拓時代を再現した町で(日光江戸村の本格版みたいな感じ)馬の蹄鉄が大量に放置されていた為、それを真っ直ぐに直して棒手裏剣を作って投擲する遊びをしていました。


 S字にしてみたり、両側を尖らせてみたり、輪っかにしたり、捻じってみたり、でも、真っ直ぐ片側だけ尖らせた方が投げやすく刺さりやすいという、なんとも当たり前の結論がでました。


 日本の棒手裏剣は回転させずに投げたり、半回転で投げたり色々流派が有るようですね。図書館に手裏剣の投げ方の本があって、誰が借りるの?と思ったけど、結構借りてる人が居ました。


 知らない内に近所のおばさんが手裏剣の達人になってるかも知れません、そう思うとちょっとワクワクしませんか?

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