CHAPTER.1【雨の中での死闘】
激しく叩きつける豪雨。
森林の中を走り回る2つの影があった。
「どうした?逃げ回っていても俺には勝てないぞ?」燃えるような赤い闘気を纏った者が、1人のアーチャーを追い込んで行く。
『はぁはぁはぁ…くそっ…!!』体は傷だらけ、あらゆる箇所から出血もしている。自分の攻撃が通用しない事に焦る与一。
「ほらっ…出てこいよ!!!」彼は叫びながら無数の矢を放つ。彼の放った矢は豪雨のように降り注いだ。『くぅっ!!!』その矢は与一の体をかすめて行く。
相手と距離を取ろうとした与一は、移動速度を上げるスキルを使い離脱を試みるが彼に見つかってしまう。
「みぃぃぃぃぃっけぇぇぇぇぇっ!!ムーヴウインドっ!!」
彼は移動速度向上スキルを素早く使い与一との距離を詰め、左手に持つ短剣で与一を切りつける。
『あぐぅっ!』大量の鮮血が宙を舞い与一はその場に倒れこんだ。
それはバトルの終了を意味していた。
「最強のアーチャーがざまぁねえなぁ」赤い闘気を纏った者は笑いながら短剣を与一の首元に突き付ける。
『はぁ…はぁ…』致命傷を負い最早抵抗する事も出来ない与一。
「これでお前は2度目だ。サヨウナラ」彼はそう告げると、ためらい無く喉を切り裂いた。
ここは力が支配する世界。
ここは絶望が満ちた世界。
なぜこのようになってしまったのか?
薄れ行く意識の中で与一は過去を振りかえる。