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『かぐや姫』第五巻


ー何も見えない

 ーこれが代償なのね


真っ暗闇の中少女は思う

今どこにいるのか、ここに来てからどれだけ経ったのかもわからない


「月の都が輝き続けるのは贄を捧げるからだ」


そう誰かが言ってた

自由が欲しくて自分の星“テラ”から逃げたしたけど、外だって決して自由とは言えなかった


彼と逃げていれば何か変わっただろうか


贄として舞う前にいつもの従者に提案された

それを私は断った

程なくして彼はいなくなったのだ


もう彼はいないのだ


彼の名前はなんだったか、

あんなに良くしてくれたのに私はいつも無関心だった

確か


「アンテ」


そう呟くと同時に、暗闇にヒビが入った


「シャル!!」


暗闇を裂き、光から現れたのは確かにあのいつもの従者だった

髪が伸び、目の輝きが少し薄れていたがあの従者だった


「どうしてっ」


名前を呼ばれた事にも驚いたが、従者がここに来たことも驚きだった


「はっ始めっからそうしてりゃいいものを、こんなめんどくさくしやがって」


愛を確かめたかのように、抱き合う二人の後ろで、そう黒髪の男はいった。


月の生贄、それは月の都が輝くを保つ前に必要な代償

テラと呼ばれる青い星から少女を連れ去り月の都で楽しく過ごしてもらう

そして月が陰るとき、その少女は楽しい時間の代償に月への暗闇を一身に負う


悲しき昔話


しかしそんな世界の中でデモそれに抗う者はいたのかもしれない


この作品はポケコロ内にて2024/10に投稿されたものです

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