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『かぐや姫』第二巻

ーいつの日からか

ー姫様は笑わなくなっていた


「はぁ...」


自分の主である姫が、また風通しの良いところで本を読み耽っているのを見てふとため息が出た。だが、もう止める気にもならない。

せめて、今抱えているこの火鉢を傍に持っていくことくらいが自分に出来ることだ。


「"宇宙(そら)"か。」


姫様があそこで本を読む理由にあげた宇宙を見上げた。


「姫様の故郷もまた..」


こんなこと考えても仕方ない。

言いかけた言葉を止め、姫様の元へと急いだ。


「姫様火鉢です。」


姫様は本から顔も挙げずに、少し頷くような動作をするだけだった。

この国には珍しい、艶やかな黒髪、本に夢中だが決して楽しそうでは無い無の顔。

いつも通りのことだった。


「置いておきますね。」


そっと火鉢を置いて立ち去る。自分が出来ることはこんなことくらいしかないのだ。


「テラ...」


「おいおいそりゃ禁句だぜ?」

こちらの作品は2024/9ポケコロ内 (タイムライン)にて掲載されたものです

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