第9話 諦めたくない!
ゴブリンの足元にあった木の枝を腕いっぱいに抱え、高く飛ぶ。
「行っけぇ!!!!!」
華麗に飛び、その木の枝をゴブリンの鋭い瞳に突き刺そうとする。
そう、俺の考えた策とはゴブリンの目にダメージを入れ、痛みで目を塞げば女性から手を離すのではないかというものだ。
が、ゴブリンは俺に気付き、スっと横に体をずらす。
「グゥルァァァ!!!!!」
顔を真っ赤にし、ダンジョン内に強烈な雄叫びを響かせるゴブリン。
これ、怒らせたやつ?ヤバい、ヤバい、ヤバい、どうするんだよ、これ!身体中から溢れ出す汗と身体中から引いていく血の気。
もう他に手段が思い付かない。幸いにも攻撃をしてこなかったゴブリンがこちらに攻撃を仕掛けてくる。
「グゥルァァァ!!!」
俺、目掛けて振り落とされる拳。
「うわぁ!!!!!」
情けない声を上げながらも何とか、避ける事が出来た。
そうだ!補助魔法を自分に掛けて、素早さや攻撃力のステータスをアップされてばいいんだ!
ゴブリンの隙を見て、詠唱を始める。俺にはやっばり補助魔法しかないんだ!
ステータスがアップした体でもう一度、ゴブリンの目を目標に走り出す。が、又してもスっと華麗にかわされてしまった。
本当にステータス上がってる?さっきと変わらない気がするんだが...。
自分のステータス画面を開き、確認する。
そこに写ったのは、さっぱりと変わらぬ俺のステータスだった。
何で補助魔法かかってないんだ!
自分自身には、かけられない仕様なのか...?
今まで自分自身に使った事が無いため、失敗したのか、どうなのか分からない。
補助魔法の案はダメだ!
残された時間も少ない。諦めて、当たるまで攻撃するしかしか無いよな。
自撮り棒を両手で握り、ゴブリンに突進していく。
「おりゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
やはり、当たらぬ俺の攻撃。当たらない攻撃に顔をしかめる。
もう、質より量だ!何度もゴブリンの目、目掛けて、攻撃を入れようとする。
「フッ。」
鼻で笑うようなゴブリンの声が聞こえる。
何だコイツ。今、俺の当たらない攻撃笑ったのか?
ゴブリンの殺意が高まり、更に攻撃を繰り返すが、体力が消耗されるばかり。俺が倒れるのも時間の問題だった。
「頑張って下さい...!剣を振る姿、カッコ良いですよ!」
ゴブリンに握られながらも銀髪の女性が声援をくれる。
自分がピンチな時も人に声援を与えられるなんて。女性の優しさが暖かい。
「あ、りがとう...ございます。」
息切れしながらも、感謝を伝える。
もう一度、立て直し攻撃しようとした所で違和感を覚えた。
さっきよりも軽くなる足どり、速くなる自撮り棒の振り。
体力を消耗すればするほど、遅くなるそれらが逆に速くなるなんて。
女性の声援のおかげなのか...?
そんなことを思いながらも、攻撃を続ける。
ダメ元で行っていた攻撃だったが、自撮り棒の先に何かと当たるような感覚を覚える。
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