第6話 初配信をしたい!
重い瞼が開き、瞳に差し込む光。
俺、生きてるのか!それか、ここは天国なのか…?まだ、体が痛む…。
起き上がろうとするが、体の上に乗っかっている布が邪魔をして、上手く起き上がれない。
仙人が布団を掛けてくれたのか?と思いながら、布を取っ払い、放り投げる。
「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ!起きたのか、お前さん。なんと、無事、能力を授ける事が出来た!
あと、3日間も起きなかったから死んだと思ったわい。」
「不謹慎な事言わないでください!」
怒り気味に仙人に近づく。歩くと同時に頬に何か触れる。髪の毛…?俺の髪の毛って、こんなに長かったか?
後ろの髪も長くなっている。ショートだった俺の髪の毛が、肩に付くかどうかの位置まで伸びている。
「これって魔法の副作用でしょうか?」
髪を触りながら、仙人に見せる。
「まぁ、そうじゃないか?そんな事もあるさ。」
適当に言う仙人。
「そういえば、与えた能力の説明をしよう。」
「はい!お願いします!」
目を輝かせる俺。配信に役に立つスキルって…何だろう…?!
「お前さんに与えた能力は…、配信中の視聴者数でステータスが高くなる能力じゃ!」
「おぉ!」
理解が追いつかず、とりあえず相槌を打つ。
配信中…?って事は配信中だけしか使えないってこと?
「あの…!これって、配信中しか使えないのですか?」
「そうじゃよ。」
「登録者数が一気に増えるとかのスキルじゃなくてですか…?」
このスキルは、チャンネル登録者数を増やせるのか…?
「そうじゃ。登録者数は増やせない。
チャンネル登録者数は、努力をして獲得するものじゃ。コツコツと増やした登録者数では無いと、アイツらをぎゃふんと言っても、お主はスッキリしないと思うんじゃ。」
「その通りですけど…!」
何か腑に落ちない俺。
「善は急げじゃ。早速、初配信じゃ!」
ゴソゴソとスマホを立て始める仙人。
「行くぞーい、3、2…。」
「マジですか?!もう、初配信ですか?!」
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