第4話 仙人?にこの気持ちをぶつけたい!
急な声に驚き、震える俺。
どこからか、ゴゴと大きな音がなっている。
周りを見渡していると、俺が寄りかかっていた壁が急に開きだし、体勢を崩してしまう。
えっ…?
急に背もたれていた壁が無くなり、頭から下に落ちていく俺の身体。
落ちてるじゃん嘘?!あの音って、この穴が開いてた音だったのか?待って、これどのくらい深いんだ?!
頭から着地しないために、体勢を立て直す。精一杯、お尻を下に向けようとする。
「痛ってぇ!」
勢い良く、お尻が地面にぶつかり、大声をあげる。
「誰じゃ?貴様…」
そこには、長い白い髭を生やした風貌が仙人のような男が居た。
「えっと…。なんか牢屋で薬草を食べたらここに…」
何を話していいか分からず、さっきあった出来事を話す。
「ほっほっほぅ!まさか、過去のワシと同じ事するような小僧がいるとはな!」
長く伸びた髭を撫でながら、大笑いする仙人。
「小僧はどうして、牢屋で薬草を食ったんじゃ?」
急な質問に今日の出来事をありのままに話す。
「俺も含めて4人でダンジョンに来てたんです。各自で薬草採取してる時にメンバー2人に襲われて、色々言われて………、」
起きた出来事をまとめていく内にまた、涙が溢れてくる。
「大丈夫か?小僧?泣きたい時は泣くのがええのじゃ、存分に泣くが良い。」
微笑みながら、優しい声でそう言ってくれる仙人。
仙人の優しさに触れ、より一層、涙が出てくる。
「ありがどうございまずぅ!」
鼻水と嗚咽で上手く言葉を発せない。
そんな俺の隣に来て、頷いて背中をさすってくれる仙人。
しばらく経ち、少し落ち着いた俺は話を続ける。
「急にメンバーが俺に対して、罵詈雑言吐いてきたんです。どのパーティよりも仲が良いと思っていたので、ショックで…!」
「そしたら、俺を殺すって言ってきて!
襲ってきたメンバーっていうのが、大柄で力が強い男と小悪魔的でいたずらっ子な女の子なんですけど…
手足や指の骨を折ってやるって!怖くないですか?!さっきまで、明るく話していたのに。
そして、ですよ?口を塞がれ、目隠しをされ、手足を縛り上げられて、怖くて怖くて。
そして俺、僧侶やってるんですけど、補助魔法の詠唱事をブツブツと唱えて気持ち悪いって言われたんです。
補助魔法使えるのに、何年も掛かったっていうのに…俺の今までの努力をバカにされた気がして!」
「それは、酷いのう…。」
支離滅裂な俺の文章でも、頷いて、聞いてくれる仙人。
「そうですよね?!それで連れてこられたのが、牢屋です。牢屋に着き、2人は時間が無いから、また来るといい帰っていきました…。なので、その間に脱走をしなければと思ったんです。
でも、薬草しか持っていない俺は何も出来ず…。イラついて、薬草をやけ食いしたら、ここに来ました。」
「最後まで話してくれて、ありがとうのう。」
「いえ、こちらこそ。最後まで話を聞いて頂き、ありがとうございます。」
鼻をすすりながら、仙人に感謝の言葉を述べる。
「質問じゃが、その2人を見返してやりたいと思わないか?」
ブックマーク、評価、してくれた方々本当にありがとうございます。
見た時はつい、興奮してしまい、机の角に頭を打ってしまいました。