第3話 薬草を食べたい!
先ずは、この牢屋を探索しなければ。
始めに一か八か、鉄格子が開かないか、試してみる。
勢い良く、扉と思われる部分を横に引っばるがやっぱり開かない…。
いつもは、家の鍵を開けっ放しにする癖に…。こういう時は閉めるんだな。立派になって…。
また、過去を思い出し、泣きそうになるがグッと涙をこらえる。
俺は、アイツらを見返すんだ。拳を握り、再度心に決める。
見渡す限り、窓も何も無い。あるのは、前にある鉄格子だけだ。ていうか、ダンジョン内にこんな牢屋あるなんて、知らなかった。
ダンジョンってもっとこう、モンスターの巣みたいな感じのものしか無いと思っていた。
やっぱり、鉄格子を開けるしか無いのか…。
開けるためには、やっぱ、道具が必要だよな…。
そうだ!何かあった時のために色々、カバンにアイテムを入れてたんだ。
カバンを漁ろうとするが、漁れるカバンが無い。あっ、そういえば、カバンはアイツらに持ってかれたんだ…。本気で俺を殺そうとしてるんだな…。また、悲しくなってくる。
いや!気分を切り替えて、ポケットを確認しよう。
お願いだ…。何か入っててくれ…!
ズボンの前にあるポケットに手を突っ込む。
おっ!手に何か物の感触!この状況を打破出来そうな物であってくれ!
なんか、湿ってるんだけど…。何これ…?
引っ張り出してみると、それは薬草だった。
薬草かぁ…。さっき、企画用に取ったやつか。
食べる以外、何にも使えないじゃないか。調合しないと、体力回復出来ないし。
なんか、期待した分、疲れた。
やっぱ、殺されるんだ俺。こうなったら、やけ食いしてやる!ポケットにあった大量の薬草を口に放り込み続ける。
薬草を噛み、飲み込もうとすると口の中に苦味が広がっていく。
不味い…!何で食ったんだ俺!少しぐらい考えろ!
自分で自分に怒っていると、声が響く。
「条件、薬草を食べるをクリアしました。」
淡々と機械音的に似た女性の声が響く。
何これ、何これ?条件薬草を食べるって何だ?
お読み頂きありがとうございます。
そういえば、明日は月曜日ですよ…
もー!ずっとゴロゴロしてたいですよ!
共にまた、1週間、頑張りましょう!